矢崎浜のえんこ石(愛媛県今治市伯方島)

『伯方の塩』で有名な愛媛県今治市の伯方島には、不思議な石が祀られています。

『えんこ石』と呼ばれる3つの石が海に向かって静かに立っているだけ。

どういう云われの石なのでしょうか?ちょっと気になります。

訪れた日-2019.12.29

地図

漁港入口に矢崎集会所があり、その真下の砂浜にえんこ石はあります。漁港広場に駐車スペースあり。

えんこ石とは?

四国地方ではカッパの事を『えんこ』と呼びます。
岩手県遠野の”カッパ淵”を始め、全国各地にカッパにまつわる民話が多数存在していますが、基本的にはカッパは川や湖に棲んでいるイメージだと思います。

でも伯方島のえんこ石は何故か海岸にあります。

えんこ石1

砂浜に静かに佇むえんこ石。『口伝 えんこ石』と書かれた石柱以外にえんこ石を示すものは何もなく、その由来も判りません。

えんこ石2

それぞれ大きさの違う石が仲良く3つ立ち並んでいます。まるで人のようにも、カッパのようにも見えますね。

えんこ石3

えんこ石4

石には人の手で文字が彫られたり、形作られたりされた形跡は無く自然のままの姿。

さて、四国ではもう一つえんこと呼ぶものがあります。それは『カワウソ』で、伯方島もかつては海岸にカワウソが棲んでいたそうです。

カワウソが棲んでいる所には大体カッパの伝承がつきもの。だとしたら、伯方島にカッパ伝説が残っていても不思議ではありませんね。

ネットでえんこ石について調べてみるとこんな説明がありました。

伯方島の南岸・船折瀬戸の近くの矢崎浜あたりの海にその昔河童(エンコ)が棲みついていた。河童は砂浜で遊ぶ地元の子どもたちや通りすがりの人によくいたずらをして、人々を困らせていた。
一計を案じた村人が砂浜でこのかっぱを生け捕りにした。捕まえられた河童は村人たちに「もう二度と悪さはしません。助けてください。そのしるしに証文を渡します」と涙ながらに謝った。村人たちもやがてかわいそうになり、縄をほどいて放してやった。
河童はたいそう喜んで、沖の方に向かって大声で叫んだ。すると河童が大勢で海の中から大きい石を担いできて砂浜へ担ぎ上げ、「この石が証文だ」と告げ石を置いて海に帰っていった。
その日から河童は姿を現わさなくなった。村人はこの石を「えんこ石」と呼び、大切にした。今日、矢崎浜には「えんこ石」の石碑が建っている。

出典:wikipedia

カッパ伝説は大体水難事故と関連があると言われます。

伯方島の隣島、大島で生まれ育った僕も小さい頃『海やため池で泳いでいたらカッパに足を引きずり込まれるから気をつけなさい』と先生や祖父から云われた記憶があります。
近所のため池や海辺を歩いていると、名も無い小さな石碑や墓があちこちに建っていて、祖父に『これ何?』って聞きたら、『ここで溺れて無くなった子供の墓』と教えてくれた事がありました。

昔は水遊び中に多くの水難事故があったのでしょう。それをカッパの仕業と見立てて池や海はとても恐ろしいもの、安易に近づかないように子どもたちに教えていたんだと思います。

船折瀬戸5

船折瀬戸6

えんこ石のある海岸は伯方島と鵜島に挟まれた『船折瀬戸』と呼ばれる海の難所で、瀬戸内屈指の急流。当然こんな所で泳いでいたら流されて溺れて死んでしまいます。

つまり、えんこ石はここで泳いだら危ない、という先人からのメッセージなのかもしれません。

船折瀬戸7

船折瀬戸を見渡せる展望台に、船折瀬戸最強時刻というのが貼ってありました。最も激流の時間を示しているほどここは潮の流れの早い場所なのです。

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