知床半島・羅臼岳~夏色に輝く世界自然遺産へ

北海道の山

世界遺産・知床半島の最高峰、羅臼岳(1661m)を岩尾別温泉から目指しました。青く輝くオホーツク海に、広大な針葉樹の森に、美しいお花畑に雪渓に・・・知床のありとあらゆる自然が夏色に輝いていた羅臼岳登山日記です!

登山した日-2007.7.14

7月、知床半島にて

羅臼国設野営場の朝。

うっ~眩しい・・・テントに差し込む強烈な日差しで目が覚めました。

ここでテントを張っていた僕。羅臼岳登山のつもりでここまでやってきたけれど、北海道の長旅で疲れが溜まっていたのか身体がダルくて、なかなかテントから這い出る事が出来ません。予定していた羅臼岳登山は明日にして今日はゆっくり休もうか・・・?と心の中はすっかり弱気モードになります。

時計を見てみると朝5時半過ぎたばかり。とりあえず外の様子を見てみよう。とテントから外へ顔を出すと、雲一つ無い真っ青な空が一面広がるまさに登山しないと損みたいな好天です。

『うわぁ・・・めっちゃ天気いいじゃん・・・でもダルいからやっぱ登山明日にしようかな。』

青空をみてもテンションがイマイチあがりません。山へ行こうか行くまいか心の中で葛藤しながらテントから這い出て空を眺め続けていると遠くにチラリと羅臼岳の頂が目に入ります。

高くそびえて青空を突く険しく凛々しい羅臼岳の姿を見て、その瞬間心の中の登山スイッチが入ります。よし、やっぱり今日は羅臼岳へ行こう!

心を切り替えて、20分程で登山の支度をして羅臼岳の北側にある登山口の岩尾別温泉へ向かいます。

知床半島羅臼岳1 こんなに天気が良いのだから登山しないともったいないですよね。

登山口・岩尾別温泉。羅臼岳を目指す大勢の人々

羅臼国設野営場からバイクを走らせる事約20分、岩尾別温泉へそろそろたどりつく頃になると前方に路肩に停まった車の列が見えてきます。岩尾別温泉へもう到着かな?と思いきや、車の列は途切れる事無くズラーっと続いているのです。

軽く100台近くはあろうかという車の数に圧倒されて思わず尻込み。何コレ!?こんなに人いっぱい登ってんの?さすが世界遺産で一躍有名になっただけあります。でもこんなに人が多い山登るのヤダなぁ・・・。しかしダルい身体に鞭打ってここまで来たんだから行くしかないでしょ・・・。岩尾別温泉にたどり着き、バイクを停めてザックを背負って早速登山を始めます。

時刻は午前6時半を過ぎていました。 登山道入口そばに建つ木下小屋で入山届けをして、登山道へ踏み込むと針葉樹林の深い森が辺り一面に広がります。登り初めから勾配のある登山道を登っていくと、ダルかった身体もほぐれてきてペースも上がってきました。

この時になってようやく『やっぱり今日羅臼岳へ登ってきて正解だった!』なんて気持ちになったりするのです。

さて知床半島といえばヒグマの生息密度が非常に高い地域。それを示すようにヒグマの出没を示す注意書きの看板が要所にあって、またその看板の文言が身近にヒグマが潜んでいるのを思わせるくらいリアルな表現なので思わずビビります。

でもあんな巨体のヒグマが沢山生息出来る程豊かな自然がここ知床にはあるんだ。と思うとこれから出会える羅臼岳の自然に期待してしまったりもします。順調良く高度を稼いで針葉樹の森を越えて、ダケカンバやミヤマハンノキの潅木地帯へ突入した頃、極楽平と呼ばれる平坦な場所にたどりつきます。

潅木の隙間からは目指す羅臼岳が間近に見えます。手が届きそうな程間近にそびえていたけれどまだ中間地点。先は長いのです。再び急勾配の登りになって極楽平を越えると、突然目の前が開けて大きな雪渓の末端へやってきました。

知床半島羅臼岳2 登山口入り口にある木下小屋。

知床半島羅臼岳3 登り始めはエゾマツ・トドマツの深い針葉樹の森がどこまでも。

知床半島羅臼岳4 ヒグマを注意を促す看板の文言はすごいリアル。

知床半島羅臼岳5 オホーツクの海を眼下に。

知床半島羅臼岳6 森が切れると知床半島の山並みを見渡せます。

知床半島羅臼岳7 極楽平から見上げる羅臼岳は岩の塊のような山容です。

知床半島羅臼岳8 極楽平を過ぎた辺りで雪渓が出現。ここからこの雪渓上を登っていきます。

輝く雪渓を踏み越えて

青空のずっと先まで続くこの雪渓は、このルート最大の難所かつ歩きがいのある箇所です。雪面は澄み切った青空から容赦なく降り注ぐ強烈な日差しを反射してサングラスをしていても眩しい感じです。

雪渓の真ん中あたりまで登ると勾配がいよいよキツくなり、ふと下を振り向くとかなりの高度感で、ここでコケたら下まで転がり落ちて死ぬんじゃないかと思ってしまう程です。

でもその先には、緑深い知床の森と青いオホーツクの海が陽光に輝いていて、雪渓―森―海という3つの景色のコンビネーションを見れば思わず目頭が熱くなるくらい綺麗で感動してしまう。ようやく雪渓を乗り越えるとその先はお花畑で、エゾコザクラやキバナシャクナゲなどの高山植物たちが短い夏を謳歌していて、美しい花々の出迎えが雪渓歩きで溜まっていた緊張感を吹き飛ばしてくれました。

お花畑を過ぎるとハイマツが一面広がる平坦な場所へたどり着きます。羅臼平と呼ばれるこの場所は羅臼岳と三ツ岳の鞍部で、ちょっとした広場になっている最後の休憩ポイント。目指す羅臼岳の頂はもう目の前。ここで充分休養していよいよ最後の登りに取りかかります。

山頂に近づくにつれて人の数が加速度的に増えてきます。羅臼岳から降りて来た人に山頂の様子を訊くと、あまりに人が多すぎて立てるところが無かったくらいだという。 うーん困った・・・たしかに前に見えるのは人の列、列、列・・・

頂上直下まで来ると登山道はいっそう険しくなってきて、巨岩が折り重なるキツイ場所が連続します。先行する中高年の登山客が最後の岩場の取り付きに悪戦苦闘していて、ちょっとした渋滞になっている。ガンバレあと少しだ!

知床半島羅臼岳9 雪渓は結構な勾配があるので一歩一歩足元を確かめながら登っていきます。

知床半島羅臼岳10 振り返ればオホーツク海。なんて爽快な景色なんだろう!この景色を眺めてるだけでも楽しいや!

知床半島羅臼岳11 ハイマツの膿が広がる羅臼平と羅臼岳。

知床半島羅臼岳12 羅臼平に咲いていたキバナシャクナゲ。

知床半島羅臼岳13 羅臼岳最後の登り。羅臼平方面を振り返ると三ッ岳がそびえていました。

知床半島羅臼岳14 羅臼平に咲くシコタンハコベ。

知床半島羅臼岳15 近づいて来た羅臼岳山頂。

知床半島羅臼岳16 山頂付近は大勢の登山者で少し渋滞気味。

知床半島とオホーツクと雲海を眼下に

知床の最高点から見おろす景色はただスゴいの一言。地図で見る知床半島の細長い地形が、そのままに眼下に展開していて、その上に背骨のように知床の山々が連なっています。

知床半島を挟んでオホーツク側は雲一つない晴天なのに、反対に太平洋側は一面の雲海。遠く雲海の向こうには北方領土の山々が雲間に頭を突き出していました。

360度展開するどの景色も澄んだ空から降り注ぐ日差しに輝いています。しばらく時間を忘れて絶景を眺める事だけに没頭していたのは僕の今までの登山経験でこれが初めてだったかもしれません。長い間景色を眺め続けてふと我に返ると、人混みと喧騒に溢れていた山頂は、人の数もまばらになって静かな空間に戻っていました。

知床半島羅臼岳17 羅臼岳山頂に到着。

知床半島羅臼岳18 知床半島を挟んで羅臼側は雲海、オホーツク側は晴天。

知床半島羅臼岳19 北側は青いオホーツク海がどこまでも。

知床半島羅臼岳20 東側は三ツ岳やサシルイ岳など知床半島の主峰群が背骨のように連なっていました。

知床半島羅臼岳21 遠く雲海に浮かぶ北方領土の山々。

知床半島羅臼岳22 国後島の最高峰、爺爺岳(1822m)もくっきり。雲海を歩いていければすぐに辿り着きそう。

知床半島羅臼岳23 羅臼岳山頂からの景色はスバラシイばかり。

知床半島羅臼岳24 山頂の標識。

知床半島羅臼岳25 右に三ツ岳、サシルイ岳を望み、左奥には硫黄岳を望んで。

知床半島羅臼岳26 登りに登って来た雪渓を下ります。

知床半島羅臼岳27 極楽平付近から望んだ硫黄岳。

知床半島羅臼岳28 麓から見上げる羅臼岳は雲に包まれようとしていました。

羅臼岳登山地図

羅臼岳写真ギャラリー

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