表大雪山縦走記~ダイナミック!北海道の屋根【後編】

北海道の山

高山植物咲き乱れる裾合平と地塘が広がる沼ノ平を歩いた表大雪山登山第二弾です!

登山した日-2007.7.24~25

旭岳で見た荘厳な朝

翌日。身体に応える寒さに目が覚めるとテントの外はうっすら明るい感じ。時計を見たら午前3時40分を指していて、震えながらテントから顔を出すと朝焼けが始まろうとしていました。

ちょうど絶好の日の出タイミングだから、今から旭岳のてっぺんまで登って朝日を拝もう! 寒いのをガマンして急いで寝袋から出て旭岳へ取り付きます。

キャンプ地の上に大きく横たわる雪渓をステップを踏みながら越え、その先の滑りやすい砂地の斜面で日の出になりました。山頂からの日の出には間に合わなかったけど、ここから見るのと大差無いからこれで満足。ほんのり紅く染まった大雪の山々は、太陽が出た瞬間一気に眩しく光り輝き、その一瞬の光景に思わず感極まります。

登り始めて40分ほどで到着した旭岳の山頂は、朝早いので誰も居ません。ガスで視界が良くないけれどほんの一瞬だけ旭川や美瑛の街並みを見下ろすことができました。でもこれ以上展望が良くなりそうに無いからテントへ戻ろう。寒いし・・・。

裏旭キャンプ地と旭岳1 裏旭キャンプ地の朝。とても寒くて氷が張りそうなレベル。

裏旭キャンプ地と旭岳2 そびえたつ旭岳へ日の出を見にこれから登ります。

裏旭キャンプ地と旭岳3 間宮岳の向こうから太陽が出現。日の出の瞬間です。

裏旭キャンプ地と旭岳4 日の出の瞬間、大雪山のあらゆる景色が紅く輝きました。

裏旭キャンプ地と旭岳5 旭岳山頂はガスの中で展望はゼロ。ちょっと残念。

裏旭キャンプ地と旭岳6 日の出を見終わって裏旭キャンプ地へ帰ります。前方にそびえる黒い山は後旭岳。

目指せ!花の楽園裾合平

裏旭キャンプ地まで戻り、テントを畳んで出発準備が終わったのは午前7時過ぎ。さあ出発しよう!まず最初に目指すは裾合平。ここは花の楽園と聞いているから期待大です。

朝方真っ青に晴れていた空は、次第に雲ってきて間宮岳へ辿り着いた時は視界ゼロ。間宮岳を降りて行くとガスの底を抜けて御鉢平が僅かに見えたもののそれ以上天気は良くなりません。

中岳分岐まで来ると進路を裾合平へ向けて急斜面を一気に下ります。このあたりから多くの登山者たちとすれ違うようになりました。

すれ違いざまに何人かの登山者から『下に温泉があるから入って行けば?』と声をかけられるから、一体何のことなんだろうと不思議に思います。きっと麓の有名な温泉の事を言っているのかと思って気にせずどんどん下ります。

やがて沢筋の崖に差し掛かり慎重に下りながら沢底へ降りると、あたり一面何だかとっても硫黄臭い。と思ったら沢から乳白色の温泉がブクブク湧いていました。脇に置いてある石にはマジックペンで『中岳温泉』って書いてあります。

なんてワイルドな温泉なんだ!泡がぼこぼこ出ている一見熱そうなお湯に手を突っ込んでみるとちょうどいい湯加減。さっき登山者が云ってたのは事だったのか!でも僕にはとても入れないや。こんな人通りのある登山道のど真ん中で素っ裸になるなんて!

裏旭キャンプ地と旭岳7 青空をバックにそびえる旭岳を見ながらテント撤収。

間宮岳9 裏旭キャンプ地から昨日歩いて来た道を戻って行くと、間もなく見えてきた間宮岳。なだらかな丘のような山容です。

間宮岳10 間宮岳に咲くヨツバシオガマ。赤色だから荒涼とした大地によく目立ちます。

間宮岳11 間宮岳山頂はこのような緑の縞模様が広がっていて、普段から風が強い場所だと伺えます。

間宮岳から中岳12 間宮岳から中岳分岐への下り坂。向こうに見える山塊は昨日登った北鎮岳。

御鉢平火口底の有毒温泉13 御鉢平火口底の有毒温泉。地面から温泉が滲み出て川を作っています。

有毒温泉をズームアップ14 有毒温泉をズームアップ。

有毒温泉をズームアップ15 北鎮岳~間宮岳間の中岳分岐へ到着。ここから御鉢平へ向けて一気に下ります。

中岳分岐16 中岳分岐から裾合平へ向けて急坂を下っていきます。遠く下の方には裾合平の台地が見えますね。

中岳分岐17 下り続けると懸崖地が見えてきてここへ降りていきます。

中岳温泉18 懸崖地を降りた先にあったのが中岳温泉。地面から温泉が湧いていてしかも程良い湯加減。

中岳温泉19 スコップも置いてあるので広さや深さを自分好みにカスタマイズできるのも中岳温泉の魅力。ちなみにここは登山道のど真ん中です。

中岳温泉20 中岳温泉付近に咲くキバナシャクナゲ。

中岳温泉21 溶けた雪の下からリュウキンカが咲いていました。中岳温泉付近は花が豊富。

喧騒に包まれる裾合平

中岳温泉を過ぎて先には平坦な草原が広がっていました。花の楽園・裾合平へ到着です!

花の楽園の名の通り、見渡す限りのお花畑が広がっていて白やピンクの花が一面びっしりと咲いています。その規模は日本アルプスの比ではありません。

これはすごいや!何処かゆっくりできる所を探してこの景色を堪能しよう。ところが、裾合平はどこも人・人・人・・・・ハイカーさんに観光客、とにかく人だらけ。絶景ポイントは全て占拠されているし、前からどんどん人がやって来るので身動きが取れないのです。

裾合平を半分ほど歩いた所でようやく人の居ない所を見つけて、花と草原と大雪の山が織り成す極上の景色をゆっくり景色を鑑賞。でもこんな山深い場所なのに何でこんなに人が居るんだろう・・・実は近くにロープウェー乗り場があるからです。

ゆっくり堪能できたのもホンの一時。再び前後からやってきた人の群れに囲まれ、その人混みにはじかれるように裾合平を後にして次の目的地・沼ノ平を目指しました。

裾合平22 裾合平へ足を踏み入れた瞬間、満開のお花畑が広がります。

裾合平23 一面のお花畑。

裾合平24 裾合平から見上げた旭岳はガスに半分包まれて。

裾合平25 裾合平から当麻岳、永山岳、比布岳方面を遠望。

裾合平26 登山道脇に咲き乱れるチングルマ。

裾合平27 裾合平を過ぎた先で振り仰いだ旭岳。さようなら、またいつか。

僕だけの沼ノ平

沼ノ平へ向かう登山道へ入ると、先ほどの喧騒がウソのようにひっそりと静まり返って誰も居なくなります。みんな裾合平は行くけれどこっちまでは足を運ばないみたい。

深いササが生い茂る登山道を歩いていくとピウケナイ沢に差し掛かりここで渡渉。水量が多く足場が少ないので靴の中まで濡らしながら渡り切った先は急勾配の登り返しで、体力をごっそり奪われます。いつしか風も無く日差しがジリジリと照りつけるからどんどん体力が減っていきます。

ツラい登山が続くけど、大小いろんな形の地塘が広がる幻想的な景色が現れるから我慢できます。ここはもう沼の平の真っ只中で沼が主役の場所なのです。

夏空をそのまま湖面に映しこんだ青い池塘たち。沼のほとりには決まって花々が咲き乱れていて、後ろには大雪の山々がそびえ立つ絵画のような光景がどこまでも広がっています。こんなスバラシイ景色なのに誰も居ない静寂な世界。しばらく時間を忘れて眺め続けました。

池塘群をすぎると沼の平分岐へ辿り着きました。ここは昨日永山岳へ登る前に通った場所で、あとは昨日歩いた三十三曲の急坂を下れば愛山渓へたどり着けます。もうじき下山できる!さすがに2日間長距離を歩きっぱなしで体力はもう限界に来ていました。

沼ノ平28 沼の平に広がる不思議な模様の池塘群。

沼ノ平29 沼の平には池塘だけでなくハイマツが広がっている箇所もあります。

沼ノ平30 しばらく歩くとまたまた見えて来た池塘群。

沼ノ平31 大小の池が台地に広がる沼ノ平。

沼ノ平32 畔から眺めた永山岳。

沼ノ平33 沼ノ平に咲くエゾコザクラ。

沼ノ平34 永山岳との分岐へやってきました。この先の三十三曲を下り切れば愛山渓温泉へ下山です。

僕だけの愛山渓温泉

キツイ三十三曲の急坂を下り切って、やっと登山口の愛山渓温泉へたどりつきました。

安堵感からか疲れがどっと出てヘロヘロ状態。さあ早く麓へ降りてウマイもの食ってゆっくり休もう。そう思いながら乗って来たバイクの所まで行くと、駐車場の傍らで休んでいた警備員の格好をした男性が僕を見るなりこっちへやってきます。

何だろう??登山の事でも聞かれるのかと思いきや開口一番、『きみ今から降りるの?夕方4時まで工事中で道路通行止めなんだけどね。』

愛山渓温泉と麓とを結ぶ唯一の道路は、舗装工事中で通行できないとの事。『ここへ来る途中看板見なかった?』と聞かれるも大雪山の事しか頭になかったから看板なんて目に入っていません。

時刻は只今12時50分。まだ3時間もあるよ・・・それまでどう過ごせばいいんだ。そうだ!愛山渓の温泉に入ろう。という事で愛山渓温泉の建物の中へ入って受付へ行っても誰もいません。あれっ今やってないのかな?と辺りを見渡すとロビーのソファーで受付のおばちゃんは爆睡中でした。今日はお客さんが来ないからちょっとお休みしてるんでしょう。

なんか起こして悪いかな・・・。でも起こして入浴料を支払って温泉へ直行。その時おばちゃんから一言、『どうせ夕方まで誰も来ないからゆっくり入っていってね!』

まさか温泉を一人で貸切りだなんてこれは贅沢!だからいつもより長めに入浴してのぼせてフラフラです。でもおかげで2日間の登山の疲れはかなり癒えました。(終)

愛山渓温泉の内湯36 愛山渓温泉の内湯。鉄分豊富な赤茶けたお湯で2日間の登山の疲れを癒しました。

表大雪山写真ギャラリー

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表大雪山登山地図

登山に要した時間 / 一日目8時間 二日目8時間 合計16時間

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