暑寒別岳~湿原とお花畑と山並みが何処までも【前編】

北海道の山

暑寒別岳(1491m)は、北海道増毛山地の最高峰。夏でも残る豊富な残雪と可憐な高山植物、そして何よりも『雨竜沼湿原』という高層湿原がある事が一番の魅力。雨竜町の南暑寒荘から目指す登山日記です。

※この記事は全2ページあります。

登山した日-2007.7.05

『北海道の尾瀬』を目指して!

登山口のある雨竜沼湿原ゲートパークへ向けてダートと舗装路が交互に続く林道をバイク走っていると、次々と対向してくる車とすれ違うたびに巻き上げられた砂煙で体中ホコリまみれ。僕がこの林道を走っていた時間は午後を回っていたので、帰路につく登山者の車と沢山すれ違うハメに。ゴホッゴホッ・・・終点はまだかなぁ。

7キロ程走ると前方に駐車場と建物が見えてきました。やっと登山口へ到着だ!早速テントをたてて明日の登山に向けてゆっくり休もう。と受付へ行って手続きをしようとすると、管理人のおじさんから山小屋の南暑寒荘に泊まったらどうだいと勧められます。値段を訊くと一泊1000円。ちなみにテント代は700円。プラス300円くらいの負担なら山小屋の方が断然いいな。テントは止めて南暑寒荘へ泊まろう。

おじさんからリアカーを借りて荷物やザックを積み込んで、テントサイトの高台に建つ南暑寒荘へ向かいます。南暑寒荘の外観は洗練されたデザインだし、新築みたいに綺麗でびっくり。小屋の中はどうだろう・・・と恐る恐る中を覗くと中央の広間で6人組みの中高年男女グループが夕食を作りながらビールを飲んで盛り上がっていました。・・・そして目が合います。

「あらぁ~若いお兄ちゃんだこと、ここに泊まるのかしら。」
「荷物はさっさと部屋に置いて一緒に飲みましょう!」

ゆっくり休むつもりだったのにつかまってしまい夜中まで山談義で盛り上がってしまいました。

さて、小屋の中はとても広々としていて清潔だし居間の天井は吹き抜けで開放的。シャワーやガスキッチンも完備でこれで一泊1000円だなんて安すぎるなんじゃないの?

宿泊室は十数人が寝れそうな広い部屋が4つほどあります。この日の宿泊は僕と中高年グループと単独の登山者だけだったので、一部屋を丸々一人で使うことができて思う存分羽を伸ばす事ができました。

雨竜沼湿原ゲートパーク1 深川市に入ると遠くに雪を抱いた暑寒別岳がうっすら見えてきました。

雨竜沼湿原ゲートパーク2 登山拠点の雨竜沼湿原ゲートパーク。左が管理棟で右がキャンプサイトです。綺麗に管理されて快適。

南暑寒荘3 今回泊まる南暑寒荘。外観がとても綺麗で建物の中も綺麗。各種設備も整ってこれで一泊千円は安いですね。

南暑寒荘4 南暑寒荘の中。広間は吹き抜けて開放的。

雨竜沼湿原への道のり

翌日午前3時。あぁ~よく寝れたから気分はスッキリ。天気はどうかな?と窓を開けて外を見るとうるんだ星空が見えました。体調・天気ともにばっちし!飯を食って早速出発しよう。

先に単独の男性が出発して僕はその次で時刻はちょうど4時。少しずつ白み始めてきた空の下、小屋から続く砂利道を進むと間もなく吊り橋が見えてきました。渡り切った先は本格的な登山道で、しばらくは沢沿いの登りが続きます。

岩がむき出しの滑りやすい所が所々あるけど、日頃から登山道は整備されているからか特に歩行に困難な所も無く、ペースはすこぶる順調で何人かの登山者を追い越しながら雨竜沼湿原を目指します。

辺りに広がっていたダケカンバの森は、前進するに連れてまばらになってササが生い茂ってくるようになると、そろそろ景色に大きな変化が起きそうな雰囲気!そう感じて間もなく目の前が開けて広大な湿原の畔に立ちました。雨竜沼湿原へ到着です!

雨竜沼湿原4 登山当日の朝。雲も少なく今日も好天が期待できそう。

雨竜沼湿原5 まだ薄暗い中出発です。今日は長丁場だから早く出ないと下山が遅くなるからね。

雨竜沼湿原6 登りの途中で日の出。薄暗かった景色が一気に明るくなってきます。

雨竜沼湿原7 ダケカンバの森がまばらになってササが繁茂してくるようになると雨竜沼湿原はもうすぐ。

雨竜沼湿原8 今突然前方が開けて雨竜沼湿原が出現。そしてその向こうに目指す暑寒別岳が見えてきました。

広大な湿原、雨竜沼湿原

目の前に広がる雨竜沼湿原の広大さに圧倒されて思わず呆然と立ち尽くしてしまいます。我に返っていざ湿原の中へ入り込んでいくと、長い年月をかけて自然が作り出した不思議な景色に目を奪われてまたまた足が止まります。

湿原の中を静かに流れる小川は、ある場所では蛇のように曲がりくねっていたり、別の場所では川が途切れて三日月模様の池塘になっていたりして、そんな池塘には浮島を漂わせているものや、干上がって草に埋もれそうになっているものなど様々で湿原内に複雑な模様を描いているのです。

雨竜沼湿原の大部分を占める草原は色とりどりの花々に包まれてとっても華やか。湿原の淵は真っ白な樹肌のダケカンバが奇妙な樹形となって湿原の景色に不思議な雰囲気を与えてくれる・・・そんないろんな景色がセットになった雨竜沼湿原のずっと遠くに、目指す暑寒別岳が残雪を抱いてたおやかにそびえ立っていました。

頂きは険しくないからか思ったより間近に見える・・・もしかしたら山頂に立つのは楽勝なんじゃないかな?ってふと思います。

でも冷静になって考えてみたら全行程の10%程しか歩いてなくてこれからが本番。楽観的に感じるのはきっと雨竜沼湿原の不思議な光景に惑わされたからなんだ、と錯覚を振り払うように雨竜沼湿原を一気に突っ切ります。

雨竜沼湿原9 雨竜沼湿原入り口に設けられていた櫓から眺める湿原の景色。

雨竜沼湿原10 大きく蛇行した川。どうしたらこんな流れになるんだろう?

雨竜沼湿原11 雨竜沼湿原はとにかく広大。

雨竜沼湿原12 湿原はお花畑になっていて色とりどりの花が咲き乱れていました。

雨竜沼湿原13 湿原の中を横一列に咲くをコバイケイソウ。

雨竜沼湿原14 ちなみにコバイケイソウはこんな花です。

雨竜沼湿原15 暑寒別岳と雨竜沼湿原。

雨竜沼湿原16 たおやかな南暑寒岳と地塘。

雨竜沼湿原17 写真右が暑寒別岳。左が南暑寒岳。

雨竜沼湿原18 朝日に照らされて白く輝くワタスゲ。

暑寒別岳写真ギャラリー

※クリックすると拡大します。

暑寒別岳登山地図

登山に要した時間 / 10時間

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