チセヌプリ&シャクナゲ岳~霧に包まれた池沼

北海道の山

ニセコパノラマラインの神仙沼入り口からチセヌプリとシャクナゲ岳を登山。豊かな森と神秘的な湿原と花々と出会えた山旅です!

登山した日-2007.6.26

濃霧の洗礼

登山口目指して山岳道路のニセコパノラマラインをバイクで走っていると、だんだん濃いガスに包まれ霧雨まで降り始めてしまう生憎の登山日和。天気予報は晴れの予報なんだけどなぁ・・・こんなコンディションじゃテンション上がらないし引き返そうか?と思ってみたけど、折角此処まで来たしガスの中の登山も雰囲気が出ていいかも。

もうそろそろ登山口へ到着するはずなんだけど・・・と周りをキョロキョロしながら走ってると道路脇の広場に停まってる沢山の車が見えてきました。

やっと登山口へ着いた!駐車場には一人のおじさんがせっせと出発準備をしてる他は誰も居ません。僕も準備を終えて出発しようとするも登山口が見当たらず、駐車場の脇に獣道が一本伸びてるだけで、登山口の案内も看板も何も無し。う~んこの道はちょっと怪しいな・・・。

あのおじさんに道を訊いてみようか?おじさんはゴム長靴に全身汚れたヤッケという出で立ちで、背中に竹カゴを背負った時点で登山者じゃないことに気づきました。どうやら山菜取りのようです。という事はこのあたりの地形に詳しいはず。登山口の場所のついでにこの辺りの情報をいろいろ聞いてみよう。

おじさんから『チセヌプリの途中にある神仙沼は景色が綺麗』『このあたりにはヒグマは居ない』など有益な情報をゲット!そして一番大事な情報もゲット!

『チセヌプリの登山口はここじゃなくてもう少し先だよ。』

ショック!あまりの霧深さで場所を間違っていたみたい。気をとりなおして再びバイクを走らせます。

チセヌプリシャクナゲ岳1 登山前からこんな天気じゃあ誰だってテンション上がりませんよね。

霧が造りだす幻想的な景色の数々

さっき間違えた場所から数分走った所に土産屋やトイレが完備された大きな駐車場があって、ここがチセヌプリの登山口でした。こんな所に土産屋があるのは近くに神仙沼という観光地があるから観光客向けに整備されているのかもしれません。

でも天気があまりに悪いから観光客はおろか登山客の姿はゼロ。えーと、登山口はどこだ??道路を挟んだ先に登山口の看板を発見。ウン、今度は間違っていないようです。

登山道へ入るとダケカンバの深い森で、途中から木道になるとハイマツと針葉樹が混ざる森へと景色は目まぐるしく変化。ガスに煙る森の姿は幻想的で今にもヒグマが出てきそうな雰囲気だけど、さっきおじさんからヒグマは居ないって聞いていたから安心して森を堪能出来ました。

木道を少し進むと神仙沼へ向かう道とチセヌプリ・シャクナゲ岳へ向かう分岐点へ到着。チセヌプリ方面へ足を運ぶと再びダケカンバの深い森が広がってここを過ぎると広い湖畔に辿り着きました。

ここは長沼と呼ばれる雲上に広がる大きな沼で、カエルの鳴き声くらいしそうなもを耳を澄ましても物音ひとつしなくてしーんとガスの中に静まり返っていました。登山道は長沼の湖畔に沿って続いていて、湖畔を離れるといよいよ本格的な登りへ差し掛かります。

チセヌプリシャクナゲ岳2 ガスに浮かぶ幻想的なダケカンバの森。

チセヌプリシャクナゲ岳3 針葉樹とハイマツの森も広がっていたりします。

チセヌプリシャクナゲ岳4 標識に沿って長沼を目指して登っていきます。

チセヌプリシャクナゲ岳5 コース中盤にある長沼へ到着。晴れていたら目の前に富士山型をしたチセヌプリを拝めるのにガスで何も見えず。

天に見放された山頂

高度を上げていくと一面ササが広がるなだらかな草原へやって来て、程なくして道が平坦になるとチセヌプリとシャクナゲとの分岐点に到着しました。

最初はチセヌプリを目指そう、とチセヌプリへ取り付くと一気に傾斜が上がってむき出しの岩が続く急登で、山頂直下まで来ると一面ハイマツの海となりました。

葉先にびっしりついた露を全身に浴び、びしょ濡れになりながらハイマツを掻き分けていくと広場が見えてチセヌプリ山頂へ到着。相変わらずガスに包まれた中、山頂からの大パノラマをを期待すべく晴れという天気予報に臨みをかけて小一時間程山頂で粘って見るも晴れる兆しが全然見えないので、チセヌプリ山頂に別れを告げます。

チセヌプリシャクナゲ岳6 チセヌプリ~シャクナゲ岳間の分岐点へたどり着きました。

チセヌプリシャクナゲ岳7 チセヌプリは花が豊富。これはアカモノ。

チセヌプリシャクナゲ岳8 コケモモも満開。

チセヌプリシャクナゲ岳9 登山道を彩るフギレオオバキスミレ。葉はスミレっぽくないけど花は確かにスミレ型。

チセヌプリシャクナゲ岳10 これはゴゼンタチバナ。

チセヌプリシャクナゲ岳11 ウコンウツギの黄花。

チセヌプリシャクナゲ岳12 チセヌプリ山頂。天気が良かったら見晴らしは最高だったんだろううなぁ。

一瞬だけ見せてくれたチセヌプリの素顔

チセヌプリを下って分岐まで戻って今度はシャクナゲ岳を目指します。

シャクナゲ岳の登りもチセヌプリに劣らず急勾配でキツく、おまけにむき出しの岩場に差し掛かると表面がコケに覆われ濡れているから滑りやすくて思うように進めません。そんな苦労を乗り越えてたどり着いた山頂はやっぱりガスで何も見えず落胆。

とりあえず疲れたから地べたに座って休んでいると一人の女性がやってきました。今日はじめて会う登山者です。

トレイルランナーのような格好をしてるいかにも健脚そうなこの登山者は、スキーが好きでニセコに移住し雪の無い時期はニセコの山々を歩き回っているそうです。 ニセコのような自然豊かなフィールドの近くに住んでるなんてウラヤマシイなぁ。

じっと待っていても天気が回復する兆しが見えなかったから、諦めてシャクナゲ岳山頂をあとにします。ところが下山していくとガスが切れ始めてチセヌプリの裾野が見え始め、長沼の湖畔まで降り立った頃には青空が出始めたじゃないですか!

下山を始めてほんの数十分で晴れるなんてタイミングが悪いな。もう少し山頂で粘っていたら展望を堪能できたかもしれないのに・・・。残念だけど天気良くなったから良しとしよう。

長沼の湖畔からはチセヌプリが富士山のように端正な姿でそびえ立っていました。でもやっぱり気まぐれな山の天気、再び視界はガスに包まれ二度と晴れる事はありませんでした。

チセヌプリシャクナゲ岳13 シャクナゲ岳の登り。滑りやすい岩場の登りが続きます。

チセヌプリシャクナゲ岳14 たどり着いたシャクナゲ岳の展望はやっぱりガス。

チセヌプリシャクナゲ岳15 シャクナゲ岳を下山し始めて間もなくするとガスが晴れてチセヌプリが山が見えてきました。

チセヌプリシャクナゲ岳16 シャクナゲ岳もガスが消えてはっきりと山容を確認できます。

チセヌプリシャクナゲ岳17 下山を続けて下の方に見えて来た長沼。

チセヌプリシャクナゲ岳18 ダケカンバと夏空。長沼湖畔にて。

チセヌプリシャクナゲ岳19 ガスが晴れて長沼の向こうにチセヌプリが見えてきました。この瞬間は嬉しかったな。

チセヌプリシャクナゲ岳20 長沼の畔から眺めるチセヌプリは絵になる景色ですね。

神秘的な神仙沼

長沼を離れてダケカンバの森を下っていき神仙沼への分岐まで戻るとなんだか賑やかで、神仙沼を訪れる沢山の観光客たちの声でした。普段旅する時は人混みしている場所は避けるようにしているんだけど、『神仙沼』というネーミングの良さに心惹かれたし、折角ここまで来たから寄ってみよう。

分岐から木道を進んでいくと森の中にぽっかりと広がる湿地帯に出ました。点在する池塘や草原がワタスゲやニッコウキスゲの花々彩られながらガスの中にぼんやり浮かぶ光景は『神仙沼』の名の通り神秘的。因みにここからもチセヌプリが拝めるはずだけど相変わらずガスで見えないまま。

神仙沼も堪能したしさあ帰ろう!駐車場まで戻りニセコパノラマラインを下っていくとみるみるガスは取れていって、麓の倶知安町へ降りた頃には雲の無い青空が広がってギラついた夏の日差しが降り注いでいました。

神仙沼21 下山する前に神仙沼へちょっと寄り道しよう。

神仙沼22 神仙沼が見えてきました。ガスがかかってちょっと神秘的。

神仙沼23 チングルマは咲き終わって綿毛の種を付けていました。

神仙沼24 草に埋もれようとしている池塘。

神仙沼25 神仙沼とミツガシワ。

神仙沼26 木堂脇に咲いていたニッコウキスゲ。

神仙沼27 自然が創りだした造形。どうしたらこのような樹形になるんだろう。

チセヌプリ&シャクナゲ岳写真ギャラリー

※クリックすると拡大します。

チセヌプリ&シャクナゲ岳登山地図

登山に要した時間 / 6時間

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