礼文島・ロマンと愛の逆8時間コース

北海道の山

登山した日-2007.6.17

ひょんな事から北海道礼文島にある『桃岩荘ユースホステル』に泊まる事になった僕は、桃岩荘が主催する『ロマンと愛の逆8時間コース』というイベントへ参加してみることにしました。

『8時間コース』はこの桃岩荘ユースホステルが開拓したいわば元祖。碧い海原と花々に包まれた北の最果ての地で青春を感じた8時間コースの登山日記です!

今回歩いたコースと時間

4:00桃岩荘ユースホステル7:20礼文林道分岐8:00宇遠内12:30西上泊13:20鉄府14:25ゴロタ山15:30スコトン岬到着  (計11時間30分)










1.逆8時間コースに挑む

「おはよーございまーす、起きてくださいね~。」

桃岩荘ユースホステルのヘルパーさんの声で目が覚めました。

時刻は午前4時前。起きたくてもなかなか起きれません。 昨日は桃岩荘名物の「ミーティング」で歌と踊りに夜中じゅう乱舞して疲れが取れていないようです。

まだ寝ている周りの宿泊者に気を遣いながら着替えて外に出ると空はすっかり明るくなっていました。

礼文島逆8時間コース1

今日もいい天気だ。連日好天に恵まれるなんて僕ってなんてツイているんだろう・・・とか考えながらぼんやりしてると、参加者全員が玄関前に集まります。

今回逆8時間コースに挑むのは僕を含めて参加者10名と、ナビゲータである桃岩荘のヘルパーさん2名、地元自然保護ボランティアさん1名の総勢13名。

出発時刻の4時30分がやってきました。それでは出発です!

礼文島逆8時間コース2

目指すゴール地点のスコトン岬はあの山並みのずっと向こうです。

出発後は舗装道路を歩いていき桃岩トンネルの中に入ります。抜けた先に礼文林道への入り口があってここから本格的なトレッキングがスタートします。

桃岩荘ユースホステルでは期間中、毎日のように8時間コーストレッキングのイベントを行っています。通常はバスに乗って礼文島最北のスコトン岬まで行きそこから桃岩荘まで南下するコースを辿りますが、今回は桃岩荘から逆にスコトン岬まで北上しながら歩くので『逆8時間コース』なんてイベント名になっているようです。

礼文島逆8時間コース3

・・・と、ヘルパーさんからそんな話を聞きながら礼文林道を歩くと、『レブンウスユキソウ群生地』のある小さな丘が見えてきました。ササと草原が広がるここは見晴らしが良くて礼文島や利尻島を一望できました。

礼文島逆8時間コース4

ちょうどレブンウスユキソウが咲いていました。星型をした可愛らしい高山植物で礼文島を代表する花の一つでもあります。

礼文島逆8時間コース5

早朝の利尻山。美しい光景にしばらく立ちすくんでしまいました。

礼文島逆8時間コース6

2.宇遠内の海岸を歩く

レブンウスユキソウの群生地を過ぎると、トドマツやダケカンバの深い森の中へ突入し、コースは礼文林道から外れて宇遠内(うえんない)集落へ向かう急なガレ場の下り坂に差し掛かりました。

礼文島逆8時間コース7

宇遠内集落へ到着。今見えるこれだけの家屋しかない小さな集落です。

礼文島逆8時間コース8

宇遠内集落の建物はみんな番屋のような佇まいをしています。

礼文島逆8時間コース9

宇遠内集落を抜けると海岸沿いにすすんでいきます。岩と砂が堆積した歩きにくい道。

礼文島逆8時間コース10

海はエメラルドグリーン色に透き通っていてまるで南の島の海そっくり。

あちこちに小舟が浮かんでいて漁師さんが竿を持って海底をなにやらゴソゴソこねくり回しています。で、持ち上げた棒の先には黒くて丸いものがくっついていました。どうやらウニ漁をしてるみたいですね。

礼文島逆8時間コース11

3.愛とロマン

海岸を15分程歩くと断崖絶壁が立ちはだかりました。ここは8時間コース最大の難所で胸を突く苦しい急登が連続します。カッと照りつける日差しと湿っぽい空気、そして無風だからどんどん汗が噴き出してきて足取りが乱れてきます。

急斜面を登り切ると勾配は緩くなっってホッと一息・・・でも時々滑りやすいザレ場や断崖絶壁の淵を歩いたりするのでまだまだ油断は禁物です。

礼文島逆8時間コース12

コースを半分歩くと、登山道は礼文島の奥へと入っていくので海の景色は一旦無くなります。

さて、この『8時間コース』は桃岩荘ユースホステルが開拓し、当時はマイナーだったコースも今では礼文島の観光パンフレットでも記載されるくらいメジャーなものになりました。

8時間コースに参加した男女がお互いに助け合いながら歩き、ゴールに着いた時はいつしか二人に愛が芽生えている・・・だから”愛とロマン”なんていわれるようになったとか。

礼文島逆8時間コース13

ササ原と鬱蒼とした森の中をしばらく進むと、再び海が望めるお花畑の一角にたどり着きました。休憩するには絶好のポイント、ここで昼食タイムです。

礼文島逆8時間コース14

お花畑を見ながらぼーっとしたり、地面に寝転んだり、心地よい風を浴びながらみんな思い思いの時間を過ごしています。

ヘルパーさんが持って来たギターを弾き出すとみんなで歌い始めます。通りすがりハイカーも混じって一緒に歌う・・・旅先で出会った見ず知らずの者同士が、こうして歌い合うっていう感覚が非日常的で不思議な気分になってしまいます。

礼文島逆8時間コース15

4.絶景の澄海岬

ひとしきり休んだら再び出発です。遠くに西上泊の集落が見えてきました。その後ろには澄海岬、一番奥にゴロタ岬(ゴロタ山)が見えます。

礼文島逆8時間コース16

西上泊(にしうえどまり)の集落が見えてきました。

礼文島逆8時間コース17

西上泊には澄海岬(すかいみさき)という景勝地があります。

昨日ここを通過した時は観光客がいっぱいで立ち寄らなかったけど、今日は行ってみましょう。展望台からは荒波に削られた荒々しい断崖と大海原、山肌を染める緑まぶしい草原を眺める事ができました。さすがは人で賑わうだけあってキレイな光景です。

礼文島逆8時間コース18

澄海岬から歩いてきた方向を望むと、草原に包まれた山々が続いていました。

礼文島逆8時間コース19

5.ゴロタ山を目指す

澄海岬を離れ、鉄府集落へ向かう道は草付きの斜面を急登降。

礼文島逆8時間コース20

鉄府集落では砂浜の上を歩きました。左奥にゴロタ山が近づいてきました。ここまで来れば8時間コースもいよいよ大詰めです。

礼文島逆8時間コース21

間近に迫って来たゴロタ山の大絶壁。

礼文島逆8時間コース22

ゴロタ山の登り途中で鉄府集落方面を振り返ってみました。

ここまでの道のりでさすがに皆疲れているようで、ペースは大きくダウン。

礼文島逆8時間コース23

利尻山が礼文島の奥から顔をのぞかせていました。

礼文島逆8時間コース24

ゴロタ山山頂に到着。礼文島最北、ゴールのスコトン岬が見えました。あともう少しです。

礼文島逆8時間コース25

6.感動のフィナーレ

ゴロタ山を下り切って海岸沿いを進み、スコトン岬への最後の斜面を登り切ると舗装された道路と合流しました。足はもうガクガク状態で、道路の固さがヒザに応えて痛くてたまりません。

スコトン岬まであと300m、あともう一踏ん張りです。

礼文島逆8時間コース26

ゴールはもうそこ・・・と、ここで誰が言い出すわけでなく自然と参加者同士腕を組んで横一列になって歩きます。みんな一緒に同じタイミングで踏んだゴールの最北のスコトン岬は桃岩荘から約10時間で踏破。一人の落伍者もなく全員8時間コースを踏破できました。

礼文島逆8時間コース27

スコトン岬からはバスで桃岩荘まで戻り、バスを降りて桃岩荘まで続く砂利道を歩いていくと、遠くから何やら歌声みたいなのが聞こえてきました。

礼文島逆8時間コース28

屋根上で一心不乱に踊るヘルパーさん達の姿!それは8時間コースを歩き切った参加者への栄誉を称えた歌と踊りだったのです。その場に居た宿泊者も拍手で出迎えてくれました。

その瞬間、感激で涙腺がプルプル麻痺してきて目頭が熱くなりました。こんなシチュエーション、今までの登山で経験した事がなかったからです。

遠い北の最果ての地で青春を感じた最高の一日でした!

礼文島逆8時間コース29

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