奥多摩長沢背稜・三ツドッケ・酉谷山・天祖山~主脈トレイル

奥多摩・丹沢

長沢背稜は奥多摩・雲取山の東側に延びる長大な尾根で、三ツドッケ(1576m)、酉谷山(とりだにやま・1718m)、水松山(あららぎやま・1699m)、天祖山(1732m)といった標高1700mクラスの山々が連なっています。清々しい初夏の空気と新緑に包まれた5月に歩いてみました!

登山した日-2012.5.12

奥多摩の登山起点・日原

日原(にっぱら)集落は、東京都奥多摩町の中心街よりもさらに山奥の断崖に囲まれた小さな集落です。『ここが東京都なのか・・・』と誰もが思うような山深い場所だけど、近くに『日原鍾乳洞』と呼ばれる観光地があるし、奥多摩の登山起点にもなってるから観光客や登山客を結構見かけます。

日原鍾乳洞手前の駐車場にバイクを停めて、登山口へ向けて早朝誰も居ない日原の集落を歩きます。

今回の登山コースは

日原集落→滝入ノ峰→三ツドッケ→七跳山→酉谷山→水松山→天祖山→日原林道→日原集落

と、久々のロングコース。日が落ちるまでに歩き通せるかな・・・。

日原集落の入口まで来ると東日原バス停が見えてきました。雲取山、鷹ノ巣山といった人気のある山の玄関口としていつも賑わう場所だけど今は無人で誰もいません。そのバス停の上に延びる小路を上がれば登山道へ入ります。

長沢背稜1 東日原のバス停の上に伸びる小道を上がって登山口へ。向こうに見える山は鷹ノ巣山。

急登地獄の滝入ノ峰

登り始めは住宅の裏山を登るような感じで、高齢者だけが住んでそうな生活感が漂う平屋建ての民家を縫って進んでいくと薄暗い人工林の中へ突入。ここから勾配が一気にアップしました。

ジグザグのキツイ道だけど登り始めで体力満タンだからペースも順調。ひんやりする空気に包まれた森の中を一気に駆け上がります。

勾配が少し落ち着くと、人工林の中にコナラやケヤキなどが混じって景色が少し明るくなります。それらの木々はどれも芽吹いたばかり。柔らかい黄緑色の葉っぱを垂らして、朝の光に照らされ風になびいてる光景は感動する程キレイです。

登り始めて一時間経過した頃、やっと尾根上に達しました。と言っても登山道は尾根を若干はずれた斜面上に続いているから、見晴らしはイマイチ。登山道を挟んで進行方向左手は新緑の雑木林、右にスギヒノキの人工林の続くロケーションの中をひたすら歩きます。

滝入ノ峰(1310m)を巻いたあたりまて来ると、人工林は綺麗に無くなり広葉樹の天然林だけが広がると太陽の日差しがサンサンと降り注いで明るくなってきます!見あげれば青空と萌黄色の木々に包まれていて、それを眺めているだけで心地良いからいつまでもここに居たいけど、まだ全行程の20%も歩いて居ないからそうもいかず。先へ進みます。

長沢背稜2 登山口は住宅地の脇から入っていく感じ。さあここから長い長い登山の始まりです。

長沢背稜3 奇妙な花をつけるマムシグサ。名前もなんだかおどろおどろしいですね。

長沢背稜4 薄暗い林内にはヒトリシズカがみずみずしい若葉を広げたばかり。こういう景色を見ると春本番を感じますね。

長沢背稜5 滝入ノ峰を越えれば森は明るい雑木林に変わります。歩いているだけで心地良い。

長沢背稜6 イヌブナの若葉。

長沢背稜7 ひだまりに咲いていたスミレの花。

三ツドッケ越え

滝入ノ峰を越えると完全な尾根歩きで、勾配は平坦でしんどくないから思いの外サクサク進めて気分爽快。木々の間から眺める素晴らしい奥多摩の山並みも相まって歩いていてとっても楽しく感じます。

ブナの巨木がチラホラ出てくると、登山道は三ツドッケ直下に差し掛かり登り勾配になります。そして前方に小さな小屋が見えてくると人の話し声が聞こえてきました。

三ツドッケの山頂下に建つ一杯水避難小屋へ到着。小屋前の広場では中高年の女性3人組みと一人の登山者が話をしていました。

この女性たちと話をすると、昨晩はこの避難小屋へ泊まったと言います。こんなマイナーな山域で女性たちだけで???と、ちょっと不思議に思ったけど今は登山ブームだからそういう人は結構居るかもしれませんね。

長沢背稜8 三ツドッケへ向けて尾根道をズンズン進みます。

長沢背稜9 標高が高くなるにつれて新緑も少なくなってくる。

長沢背稜10 一杯水避難小屋へ到着。

どこまでも続く平坦な登山道

三ツドッケを後にして大栗山(1591m)、七跳山(1651m)を越えて酉谷山を目指します。

三ツドッケの山頂を西側に巻きながら続く登山道を進んでいくと、登山道は再び平坦な尾根道になって快適登山。

しばらく進んで大栗山直下まで来ると一人の男性と出会います。初老くらいの年齢だけど、しっかりした服装にごつい山靴を履いて長年山歩きをやってそうな雰囲気の方。話しをすると何度もこのコースを歩いているそうで、このあたりの詳しい情報をいろいろ貰うことできました。

大栗山から先も、若干のアップダウンはあるけれど平坦な登山道は続きます。坊主山、日向沢ノ頭といった小ピークを越えると、酉谷峠へたどり着きます。

ここには酉谷山避難小屋が建っていて、最近立てられたばかりのような真新しい小屋でした。

長沢背稜11 このような感じの平坦な登山道がどこまでも続。

長沢背稜12 遠くに見える街並みは一体どこだろう?方角的には秩父の街っぽいけど。

長沢背稜13 オオカメノキの白い花。。

長沢背稜14 色褪せた林内の地面を真っ先に緑で彩るバイケイソウの芽吹き。

長沢背稜15 見えてきた酉谷山避難小屋。

長沢背稜16 萌黄色に染まった奥多摩の森。

急登の天祖山へ挑む

酉谷山避難小屋から先も、これまで同様平坦な道が続きます。

途中数人のトレイルランナーとすれ違った以外は誰とも出会わないから、ふと立ち止まっては森の中に寝そべってみたり、木々を眺め続けてみたり、地面に積もった落ち葉を撒き散らしてみたりと、思いのまま自分の好きなように山を楽しめるこの至福の時間。長沢背稜がこんなに楽しい場所だなんて知らなかった!

タワ尾根ノ頭(1710m)を越えて、水松山(あららぎやま・1699m)直下まで来ると雲取山と天祖山の分岐道へ差し掛かり、ここで天祖山方面へ進路を変えると下り道になって『梯子坂ノクビレ』と呼ばれる鞍部へ降り立ちました。

この先の登り返を越えれば最後のピーク、天祖山へ到着するけど、この登り返しが急勾配でしかもここまでの長時間の歩きで体力を消耗していたからツラくてたまりません。精一杯の力を込めて息を切らして登り切るとやがて平坦な台地の先にモミの巨木に包まれた小さな社が見えてきました。天祖山山頂に建つ『天祖神社』です。

長沢背稜18 何もない森の中に突然緑鮮やかな草の叢に出くわすと思わずハッとします。毒草として有名なハシリドコロ。

長沢背稜19 タワ尾根ノ頭~水松山間にあるヘリポートはちょっとした展望地。

長沢背稜20 ヘリポートから望む重厚感溢れる鷹ノ巣山(1737m)の山容。

長沢背稜21 北側を望むと両神山がそびえていました。こちらも重厚な山容です。

長沢背稜23 水松山山頂直下の分岐道へ到着。ここから天祖山を方面へ向かいます。

長沢背稜24 天祖山の登りで見つけた幹がコブ状のダケカンバの木。

天祖山の下りはキツくて危険

天祖山山頂は広々としているものの、モミの大木に包まれていて山頂の展望はあまり良くありません。山頂から少し下った所に僅かに展望が利くところがあったのでここで休んでから下山することにしました。

山頂を少し降りると朽ちかけた社の建物があって、その先は急な下り道で一気に駆け下ります。地面むき出しになっている白いゴツゴツした岩場や、フカフカの落ち葉に足を取られて悪戦苦闘。膝や足の裏が一気に痛くなります。

何時終わるともわからないキツい下り道・・・逆にここを登りで使うときっと大変だろうなぁ。

やがて沢音が眼下から聞こえてくると日原林道は近いはずで少し安堵。でもこの辺りは懸崖の上をトラバースするところがあって道は細く滑りやすくておっかない。ここで滑ったら確実にアウトです。

なんとか横断した先は急斜面のジグザグの歩きにくいガレ場で、ここを過ぎてようやく日原林道へ降り立ちました。

さっきの懸崖の横断で緊張感に包まれていた気持ちから開放されたからなのか、それとも疲労なのか判らないけど足の震えが止まりません。ちょっと休もうとザックを下ろして辺りの景色を眺めるとそこは一面の新緑。好天の一日、フルに奥多摩を堪能できて大満足!と感じた時でした。

長沢背稜26 天祖山山頂に建つ天祖神社。

長沢背稜27 天祖山のブナ林。

長沢背稜28 見あげれば春の森!青空。

長沢背稜29 新緑に包まれた山、山、山・・・日原林道より。

三ツドッケ・酉谷山・天祖山フォトギャラリー

※クリックすると拡大します。

三ツドッケ・酉谷山・天祖山登山地図

●登山に要した時間 / 7時間

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