奥多摩・七ッ石山&鷹ノ巣山 ~朱と緑と青

奥多摩・七ッ石山&鷹ノ巣山 ~朱と緑と青
2012年11月2日

ヤマツツジと新緑に彩られた6月の七ツ石山と鷹ノ巣山へ、奥多摩町の奥集落から浅間尾根を登って目指します。

登山した日-2009.6.07

登山日記 写真ギャラリー 地図データ

ようやく晴れた週末

『新緑の季節になったら雲取山へ行こう!』

4月初めにそう思い立って新緑を迎えた5月。ところが週末になると狙いすましたかのように雨が降ってなかなか雲取山へ行けず、それでも機会が来るまでじっと待った6月第一週の日曜日、ついに晴れの予報が出ました。『雲取山へ行ける!』急いで登山の支度をしてバイクにまたがります。

6月7日早朝。雲取山登山口のある後山林道を目指して国道411号線をひたすら走って後山林道の入り口までやってくると、なにやら看板が掲げられています。えーとなんて書いてあるんだろう?

『ご迷惑をおかけします。通行止めのお知らせ』

そんな・・・・長い間待ち続けて朝早く起きてここまで来た結果がこんな仕打ちだなんて。ちなみにここから歩いて行く事も可能だけど、8kmの距離がある林道を歩こうという気にはなれません。でも近くの空き地には車が一台停まっていてこれからこの林道を歩くと思われる登山者が一人、出発の準備をしていました。

じゃあ代わりに何処行こうか・・・?そうだ、これまで何度も歩いた浅間尾根コースから七ッ石山、鷹ノ巣山を登ってみよう!ここから近いし。という事で急遽予定変更です。

奥多摩町の奥集落にある浅間尾根の登山口へ到着。 登山口から眺める深い奥多摩の山並み。 山肌にへばりつく小さな集落。ここが東京都だなんて思えないような山深い所です。

緑にむせる浅間尾根の森

奥多摩町の奥集落にある浅間尾根登山口に着いたのは午前6時過ぎで、すでに先客の登山者の車が2~3台程停まっています。

登山口へ入って斜面に広がる畑を横断すると杉林が広がって、少し進んだ先に浅間神社の鳥居が見えてきました。鳥居をくぐって緩やかな尾根を登ると浅間尾根の本堂があっここを過ぎると本格的な登りが始まります。辺りは薄暗いスギの林が広がっているけど、あちこちでエゾハルゼミが合唱していて森の中は意外と賑やか。

急斜面続くスギ林を抜けるとブナやミズナラが広がる明るい森になり、とても東京都とは思えないほど緑豊か。朝の日差しがみずみずしい葉に当たって森の中を緑に照らし、一面緑の世界の真っ只中に居るんだと思うと楽しくて気が緩みそう。

でも森の中は油断禁物。ほっぺたに何か木の枝のようなものが付いたので手で取って見るとそれは青々としたイモムシ。至る所でイモムシが枝から糸を引いてぶら下がっていて、注意していないと頭や顔にくっついてしまいます。毛虫じゃないから人間には悪さはしないけど、僕はイモムシの類が大の苦手で見るだけで背筋がゾクゾクしてしまう。そんなイモムシたちに冷や冷やしながら緑の浅間尾根を一気に駆け上がります。

浅間尾根を3分の1程登るとスギの人工林の向こうにブナ・ミズナラの青々とした森が見えてきました。 ブナミズナラの森の緑はとても濃くてすっかり初夏色模様。 浅間尾根を登り切って主稜線に建つ鷹ノ巣避難小屋へ到着。朝早かったからかこの時間はだれもいません。

朱色に染まる新緑の尾根

鷹ノ巣山~七ツ石山間の主稜線上に建つ鷹ノ巣避難小屋へ到着したのは7時半頃でした。ここからまず七ッ石山を目指そうと西に伸びる尾根へ向かうと、日陰名栗山(ひかげなぐりやま)、高丸山などの小ピークが続くアップダウンのある尾根道が続くけれど、それらのピークを避ける巻き道もあるのでそっちを歩きます。

巻き道は平坦でしばらく歩くと日陰名栗山と高丸山の鞍部へ到着。ここにはヤマツツジの群落があってちょうど花が満開。濃い朱色の花がとても鮮やかで眩しいくらいです。

さらに進んで高丸山と千本ツツジの鞍部にたどり着くとここにもヤマツツジの群落がありました。『千本ツツジ』の地名通りヤマツツジの群落地で稜線一面が朱色に染まって圧巻の景色!こんなすごい景色なのに誰も居ないからヤマツツジを独り占め!

千本ツツジの鞍部を過ぎると七ッ石山最後の登りで、鬱蒼とした針葉樹の森を10分少々登ると森を抜けて日差しいっぱい降り注ぐ七ッ石山(1757m)の山頂へ到着しました。

鷹ノ巣山から東側に延びる尾根もすっかり緑に包まれていました。 清々しい初夏色に染まった主稜線の防火帯。 日陰名栗山~高丸間の鞍部の標識。 主稜線はヤマツツジで朱色に染まっていました。こんなに沢山のヤマツツジを見たのは初めて。 ヤマツツジと奥多摩の山々。 目指す七ツ石山が大分近くまで迫って来ました。 七ツ石山最後の登り。しばらく登ると前方が開けてきます。 森を抜けて広々とした空間に出ました。七ツ石山山頂はすぐそこ。 七ツ石山山頂へ到着です。

青空に浮かぶ奥多摩の峰々

七ッ石山からまず視線を向けたのは雲取山で、奥多摩の盟主らしく堂々と居座った姿でそびえているのを見てこのまま雲取山まで行ってみようかとふと思ってみました。

時計は午前9時。時間的にも体力的にも余裕があるし、当初は雲取山へ行く予定だったんだからこのまま行ってもいいんじゃないか。と思うもイマイチ足が進みません。こういう時は無理は止めよう。行くのはあきらめて代わりに先ほどエスケープしてきた高丸山や日陰名栗峰をゆっくり時間をかけて登る事にしよう。

そう結論を出すと七ッ石山の山頂を後にして来た道を戻る事にしました。

千本ツツジまで戻ると一人の登山者が高価そうなカメラと三脚を手にツツジの写真を撮っていました。声をかけられて『雲取山行かなかったの?(こんな絶好の天気なのに)勿体ない。』と笑顔で言われたり、登りの時に追い越した夫婦の登山者にまた出会うと『てっきり雲取山まで行ったんだと思いましたよ』なんて云われると、やっぱり雲取山行ったほうが良かったのかな・・・とちょっと後悔。

でも、僕の周りに広がるヤマツツジのお花畑や、鮮やかな新緑に包まれると後悔の気持ちは一瞬で消え失せます。この選択で間違い無かったんだ。そう思いながら踏破していった高丸山や日陰名栗山は真っ青な空の下、深い森に包まれた姿で雲取山にも劣らないくらい歩き甲斐のある山でした。

高丸山、日陰名栗山の頂を越えて最後に鷹ノ巣山の頂に立った時はお昼を過ぎていて、澄み渡っていた青空はいつしか雲が湧き、薄い靄がかかって爽やかな光景はもうありません。おまけに山頂に立っているのにムンとした蒸し暑い空気に包まれて全然爽快じゃ無く、山の上は盛夏の空気へと様変わりしていました。

七ツ石山から眺めは雲取山はとても雄大でいつかは登ってみたい。 七ツ石山から望む飛龍山(2077m)。 七ツ石山を後にして千本ツツジ、高丸山方面へ向かいます。 東側から望んだ鷹ノ巣山。 広々とした山頂の鷹ノ巣山は登山者達が思い思いの時間を過ごしていました。

七ツ石山&鷹ノ巣山写真ギャラリー

※クリックすると拡大します。

七ツ石山&鷹ノ巣山登山地図

※この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を使用しました。(承認番号 平22業使、第609号)

データ

登山に要した時間 / 8時間