丹沢山地・檜洞丸~ツツジに染まる初夏の森

丹沢山地・檜洞丸~ツツジに染まる初夏の森
2012年11月2日

丹沢山地は初夏になると沢山のツツジで彩られるそうなんですが、それがなんだかスゴイらしい。そのツツジがどんなものなのかを見に丹沢山地第二の高峰・檜洞丸(ひのきぼらまる・1600m)へ登りに行ってみました。

登山した日-2008.5.27

5月初夏・ツツジを目指して檜洞丸へ

檜洞丸(ひのきぼらまる)の北側にある登山口・神の川口。

そこへ向けて早朝の林道を僕はバイクで走っていました。ところが登山口まであと少しという所で巨大なゲートが道路を塞いで通行止め。 どうやら昨年の台風9号の影響で、この先の林道が崩壊しているらしい。しょうがないからここにバイクを停めて登山口まで歩く事にします。

この通行止めの影響かはわからないけれど、人気はなく工事関係者の車以外に登山者の気配はありません。 林道をてくてく歩いていくと、目の前が開けてこれから目指す檜洞丸が姿を見せます。山頂まで深い緑に包まれた檜洞丸の姿に俄然テンションが上がるものの、お目当てのツツジらしい彩りはここからは確認出来ず。若しかしてまだツツジ咲いていないのかな?

檜洞丸1 神ノ川登山口へ向かう途中で見上げた檜洞丸。

台風の爪あと

通行止めのゲートから歩き始めておよそ15分で神ノ川登山口に到着。ここから東海自然歩道を沢沿いに登って標高1000mにある犬越路という峠を最初に目指します。

東海自然歩道へ一歩足を踏み入れるとすぐに異様な光景と出くわしました。登山口入り口の神の川ヒュッテは床下まで土砂に埋もっていて、壁やドアは大きく破損していて廃屋のごとく見るも無残な姿になっていたのです。

また、そばを流れる日暮沢も土石流の痕が残っていて流木や巨岩が体積して荒れに荒れ放題。東海自然歩道も所々土砂や倒木で道が塞がれています。でも登山するにはそれほど障害にはならなさそう。難なく越えて前進を続けます。

東海自然歩道を半分ほど歩くと本格的な登りに差し掛かり、この辺りから道がちこち崩落していて行く手を遮られます。切れ落ちた道路の端を神経を使いながら進んでいる途中で僕はふと気づきます。登山者の足跡が無いという事に・・・。いくら荒れているとはいえ、東海自然歩道は沢山の人が利用するメジャーコース。道は崩落しているけど慎重に歩けば何て事はないのに、何で誰も歩いて無いんだろう?そう思いながら最後の急斜面を登り切ると犬越路が見えてきました。

犬越路の手前でロープが張ってあったのでくぐると何か張り紙があります。

「登山道崩壊につき通行禁止」

なんと、通行禁止だったとは・・・。でも登山口ではそんな注意書き見なかったけどなぁ。人が歩いた形跡がなかったのはこれだったんだ。

犬越路からは稜線歩きで、いくつもの小ピークを踏破していく先に檜洞丸が待っていますが、アップダウンがあるので体力を要する本格的なコースです。

尾根上だから要所要所で見晴らしが利いて、丹沢の山並みや富士山を見ることができるし、辺りの森も新緑が綺麗で見応えがあって楽しい登山が堪能出来て足取りが進みます。尾根上には台風の爪跡らしいものは一切なかったので順調良く前進出来ました。

犬越路の先にある緑濃いブナの原生林に突入するとエゾハルゼミの大合唱がお出迎え。五感で感じるものはどれも初夏の雰囲気ばかり。そんな森の中で鮮やかな紅い花が目立ち始めたのは尾根を歩き始めてから間も無くの事です。

檜洞丸2 東海自然歩道。犬越路を目指して急な斜面を登り続けます。

檜洞丸3 犬越路へ到着。ここには休憩小屋が建っていました。

檜洞丸4 犬越路は展望が開けていて表丹沢の新緑の山々を一望。

檜洞丸5 富士山まで拝むことが出来る極上の展望。

檜洞丸6 重厚感溢れる大室山(1588m)を望んで。

ミツバツツジとシロヤシオツツジ

その花の正体はミツバツツジ(トウゴクミツバツツジ)。目に眩しい程に鮮やかな紅い花はキレイです。

でもスゴイのはそのミツバツツジの咲く密度の濃さ。山肌を一面紅く染めていたり、登山道を覆いつくさんばかりの咲きっぷりに圧倒されてしまう。しかもそんな光景がずっと続くんだから、気分が高揚しまくって頭の中がどうかなりそうです。

さらに高度を上げていくと今度は一群の純白の花に目が止まります。この白い花はシロヤシオツツジで、ミツバツツジに対抗するかのように群生して咲いています。

さて、ミツバツツジとシロヤシオツツジ、同じツツジでも見た目から感じるものが全然違う気がするんだけど・・・いったい何でだろう? ミツバツツジは鮮やかな紅色でソメイヨシノのように花だけをいっぱい付けて咲くので豪華絢爛・煌びやかな感じ。対してシロヤシオは白色という点でどことなく控え目だし、葉を付けて咲いているのでそんなに華やかじゃない。でも葉が手のひらを広げたような五葉の形なのでカワイイときた。

そんな二つのツツジは相対しながらも新緑の森を彩っています。そのツツジたちの競い合いから生まれた華やかな光景に圧倒されている僕。なるほど!丹沢のツツジがスゴイと聞いていた理由がようやくわかったような気がします・・・。

ツツジに夢中になっていると時の経過を忘れていて、いつの間にか熊笹ノ峰(1523m)の小ピークに立ちました。ここまで来ると檜洞丸はもう間近です。

檜洞丸7 満開のミツバツツジ(トウゴクミツバツツジ)。

檜洞丸8 シロヤシオツツジの白くて清楚な花。

檜洞丸9 富士山とミツバツツジ。

檜洞丸10 満開のシロヤシオツツジ。

檜洞丸11 熊笹ノ峰(1523m)の山容。この頂を超えれば檜洞丸です。

沢山の人で賑わう檜洞丸

檜洞丸最後の登りに取り付くと心臓が止まりそうなキツイ階段状の登りが待ち構えていました。しかも登山道の脇は深く切れ落ちて崖になっていて、もし足を滑らせたら確実にアウト!慎重に登ります。

ひたすら登り続けてやっと勾配が緩やかになってきました。キツイ登りから開放されてやっと山頂だ!これで休憩出来る!・・・と思って山頂に着いてみたらびっくり。山頂は何処も人!人!人・・・人でびっしりと埋まっていました。 あたりを見回せど腰を下ろして休めそうな場所は無いくらいの沢山の人だかり。これはゆっくり休めそうもないや。

人混みと喧騒から逃げるように山頂を離れると山に静寂が戻りました。もうこのまま帰ろう・・・檜洞丸山頂直下の青ヶ岳山荘を通り過ぎて、金山谷乗越手前の源蔵尾根コースへ足を踏み入れます。

源蔵尾根は一寸先も見えないようなヤブの中。その中を突破するように一気に下降していくと麓の砂防ダムに降り立ちました。すると視界が開けて間近に檜洞丸を望めたけど、ここから山肌を見てもツツジの赤や白はもう見えませんでした。登る前に林道から見た時と同じ深い緑の山肌が見えるだけ。

山の中ではあんなにツツジに染まっていたのに・・・。実はさっき見たツツジは実は幻だったんじゃないかって思ってしまうほど檜洞丸の山肌は緑深かったのです。

檜洞丸12 檜洞丸東面を包む深いブナの森。

檜洞丸13 金山谷乗越付近の様子。

檜洞丸14 源蔵尾根を下ったあたりで見上げた檜洞丸。ここから見上げてもツツジの気配を見ることはできませんでした。

檜洞丸写真ギャラリー

※クリックすると拡大します。

檜洞丸登山地図

●登山に要した時間 / 7時間