奥秩父・笠取山~新緑前の色褪せた森と草原の山旅

奥秩父

登山日記
地図データ

奥秩父の山々は自宅からアプローチが比較的良いから、あちこち登って来たつもりだったけど、まだ足を踏み入れた事の無い未知の場所がありました。

それは飛龍山から甲武信ヶ岳の間に連なる山域で、地図上では唐松尾山(2109m)、笠取山(1953m)、水晶山(2158m)、雁坂嶺(かりさかれい・2289m)などの山が連なっています。標高だけで見ても登るのに登り甲斐のありそうな山がいっぱいあるのに何で今までここへ足を踏み入れなかったんだろう。

登山した日-2007.5.14

作場平から笠取山へ

それに気がついて早速この山域へ行ってみたくなりました。じゃあまず何処から登ろうか・・・雁坂嶺も水晶山も地図で見ると結構時間がかかりそう。この『笠取山』はどうだろう?コースも短そうだから手軽に登れそう。ということで最初は笠取山へ行ってみよう。

5月14日の早朝、笠取山登山口のある山梨県の一之瀬高原をバイクで駆け上がります。一之瀬高原には小さな集落があってキャンプ場や民宿もあるものの、辺りを深い山に囲まれているから完全に人里から隔絶された場所です。

狭くて細いクネクネした道路を走り続けると登山口の作場平へ到着。道路脇から登山道へ入ると鬱蒼と茂ったスギ林の奥へと続いていました。

整備された歩きやすい登山道を行く

登り始めからずっと続く暗いスギやヒノキの森の中だけど、比較的きれいに手入れされているからあまり鬱蒼さは感じません。勾配もそれほど無く登山道もしっかりしてるからとても歩きやすいのです。

だから序盤からペースが上がります!

分岐点の一休坂を過ぎたあたりで人工林を抜けると、日差しがパァッと降り注いで景色が明るくなります。辺りに広がる落葉樹の木々は今まさに芽吹き始めようとしていました。

一休坂分岐点から登ることおよそ40分程でヤブ沢峠へ到着しました。軽トラ一台通れそうな幅広の登山道が尾根上を走っていて、これに沿って歩いて行くと間もなく笠取小屋へ到着しました。小屋は固く閉じられていて誰も居ません。

緩やかな登りが続く登山道。暖かい日差しが降り注ぎ、歩いていて眠くなるくらい心地良いのです。
辺りの森はようやく芽吹きはじめた感じです。
ヤブ沢峠へ到着。
笠取小屋。辺りは明るくて広々とした雰囲気。

カヤトの草原が続く笠取山の主稜線

笠取小屋を後にして森を抜けると、視界が開けてカヤトの草原が広がる明るい尾根道へ出ました。少し進んで『雁坂分岐』へ来ると、草原の向こうに大きな山並みが見えます。燕山、古礼山、雁坂山・・・どれも標高2000mを越える山たち。奥深くてそう簡単には行けない所だけど、いつかは歩いてみたいな。

それらの山々の景色を背にして、緩やかな尾根を登って行くと目の前が開けて笠取山が初めて姿を現します。ピラミダルな山容で天を突く姿は結構迫力があって、今僕の立つ場所から山頂までジェットコースターのように弓なりに登山道が続いているのです。山頂付近はかなりの急勾配な感じで登るのにちょっと体力が要りそう。

なのにこの光景を見てあまり臆しなかったのは、今いる場所がカヤトやカラマツの牧歌的な風景に包まれて笠取山が優しく見えたからに違いありません。

それでもいざ取り付いてみるとやっぱりキツくて息が切れそう。苦しくて何度も足が止まります。

笠取小屋を過ぎて間もなくカヤト広がる草原に出ます。向こうには燕山・古礼山が見えます。
雁坂分岐。
ピラミダルな山容の笠取山。

笠取山の山頂を踏み越えて

最後の急斜面を登り切って笠取山のてっぺんに到着しました。展望は良好で奥秩父、奥多摩、大菩薩連嶺など視界に入るものは全て山ばかり。奥秩父の真っ只中に居る感覚を思い切り味わうことができました。

歩いて来た方向を見下ろせばカヤトに包まれた尾根や雁坂分岐の草原が広がっていて、まだ新緑前だから色褪せて殺風景な光景だけど緑に包まれた光景はきっとスゴイんだろうなぁ・・・、と想像を付け加えながら展望を満喫しました。

ぽかぽか陽気の山頂でひとしきり展望を味わいました。さあ下山しよう、という事で笠取山の南に伸びる黒えんじゅ尾根へ向かいます。少し進むと笠取山三角点があって(ただし展望はゼロ)、ここを通り過ぎヤブの広がる尾根道を下って行くと『水干』の分岐点へ到着。さらに下って『黒えんじゅ分岐点』から『馬止』までの長い尾根道をひたすら下ります。

『馬止』からは一休坂まで平坦なトラバース道を一時間近く歩き続けます。

その間に出会ったカラマツの美林に見とれ、新緑みずみずしいイヌブナの木々に目を奪われながら一休坂分岐点へ到着。再びスギ・ヒノキの人工林へ突入して登山口の作場平へ降り立ちました。

その日自宅へ帰ってもまだ笠取山登山の心地よい余韻が身体の中に残っている気分でした。きっと笠取山の明るい景色に一日中抱かれ続けて頭がのぼせ上がってしまったに違いありません。

笠取山山頂。
山頂から歩いて来た尾根道を見下ろして。
山頂から燕山、古礼山や雁坂嶺方面を望みます。
水干分岐のコメツガの森。
黒えんじゅ分岐点。
黒えんじゅ分岐点から馬止までの間は心地良い森歩きを堪能。
カエデの新緑。
鮮やかなイヌブナの新緑。笠取山は麓から緑に包まれていました。

笠取山登山地図

※この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を使用しました。(承認番号 平22業使、第609号)

データ

登山に要した時間 / 5時間(休憩時間など込みです)

登山口(作場平)にトイレあり。車10数台分の駐車スペースあり。

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