西上州・荒船山~春を感じた相沢登山道

西上州

登山日記
地図データ

荒船山(1423m)と言えば、軍艦の舳先を思わせる独特の山容を持つ艫岩(ともいわ)が有名で、その姿を一度見れば絶対に忘れられないはずです。その荒船山へ春の時期に訪れてみました。

登山した日-2011.4.24

荒船山の登山口・相沢登山口へ向けて

まだ薄暗い早朝に信州街道(国道254号線)をバイクでひた走り『富岡製糸場』で有名な群馬県の富岡市街を抜けて下仁田町へ入ると、これまでずっと続いていた市街地の景色がガラリと変わって山道にさしかかりました。

国道を挟むように覆う山肌は、芽吹き始めた木々の黄緑色とヤマザクラのピンク色でまだら模様に染まり、谷に沿って続く寂れた集落には桃の花やスイセンが咲き乱れて上州の山奥もすっかり春の姿。そんな景色を横目で眺めながら順調良く長野県境方面へ向かっていきます。

荒船山は長野群馬県境付近の『内山峠』から登るのがもっとも手軽なようだけど、内山峠がすでに標高の高いところにあって楽に荒船山へ行けて物足りなさそだから内山峠から登ることにあまり気乗りがしません。

もう一つある『相沢コース』は比較的標高の低い所から登るコースで、内山峠よりもマイナーそうだから今回は相沢コースから登ってみます!

『道平川ダム』入り口まで来たら『荒船山・相沢登山口』の看板が見えてきました。看板が指す方へ道路を曲がると道幅は一気に狭くなります。こんなトコロにも人が住んでいるんだ・・・と思ってしまいそうな最奥の小さな集落を貫く小道をバイクで駆け上がると道路は行き止まりになります。

あれっ、行き止まりか・・・?と思ったら舗装道の先に荒れた林道が奥へ続いているのが見えます。車で初めてここに来たら進入するのに躊躇してしまいそうな怪しい林道。でも小回りの利くバイクだから無問題。林道奥へと進むと直ぐに登山口が見えてきました。

駐車場には一台の車が停まっているだけ。バイクを停めて早速登山を始めます。

相沢登山口手前の道路から見上げた荒船山の艫岩は軍艦の舳先のような山容をしています。
艫岩をズームアップ。他の山には無い独特の山容をしていますね。
相沢登山口へ到着。

相沢コース前半~人工林と雑木林

周りはスギやヒノキの木々に覆われて少し薄暗く、しばらく進んでもその景色に変化はありません。

緩やかな勾配の登山道は、整備されているから歩きやすくてペースも順調!

間もなく斜面に差し掛かりここを登り切ると尾根筋へ出ました。すると日差しいっぱい降り注ぐ明るい雑木林が広がります。今まさに芽吹きが始まろうとしている春の森がそこに広がっていました。

尾根道を挟んで左半分は雑木林、右半分はスギ・ヒノキの人工林という中での登りがしばらく続きます。

それでは登山スタート。
尾根を挟んで半分雑木林、半分人工林のロケーション。

相沢コース中盤~雑木林に包まれて

登山道はやがて尾根を巻くようになり、丁度この辺りから純粋な雑木林が広がってきました。

でも随分高度を上げたせいか登り序盤で見たような木々の芽生えは全然無くて、まだ冬のように殺風景。でも木々の芽生えに先駆けてミツバツツジがちらほら咲き、落ち葉が乾燥した香ばしい匂いがあたり一面充満していて春の雰囲気が漂っています。

葉が全く無い森の中はずっと先まで見通せるほど視界が利くので、目指す荒船山上部の山並みを捉える事が出来ました。

でもなんだかここから望む荒船山はどうにも荒船山っぽくありません。あの独特の軍艦の舳先の姿じゃなかったからです。ただの瘤のような山が連なりあってるだけの平凡な山にしか見えないのです。

やがて巨岩が鎮座する『中の宮』へ到達。雨露も凌げそうなくらいの大きな岩の下で火照った身体を冷まして、コース一の急坂にこれから取り掛かります。

コース中盤にさしかかると荒船山の主稜線が向こうに見えてきました。
雑木林の下に咲くハシリドコロの花。春を告げる光景ですね。
相沢コースの中間点にある巨岩『中の宮』。

相沢コース後半~最後の急登

中の宮の巨岩を過ぎると間もなく、艫岩(ともいわ)の先端の岸壁が森の隙間から見えてきます。そして行く手に鉄製の階段が見えてきました。

ここが今回のコースで一番キツイ所。階段は勾配がキツくて足を上げるだけで息が切れて足に力が入りません。何度も足が止まっては登るを繰り返す事およそ10分、階段を登り切ってササが広がる平坦な空間に出ました。と、同時に内山登山道と合流します。

ここは艫岩のてっぺんに広がる広大な台地の平原。この分岐点を左に進めば荒船山山頂、右に進めば艫岩の展望台艫岩だけど、艫岩は帰りに寄る事にして先に荒船山山頂を目指します。

雑木林の続く尾根道をズンズン登っていくと・・・。
艫岩の先端が木々の向こうに見えてきました。
内山峠コースと合流。この先は山頂までずっと平坦な台地の歩き。

平坦な荒船山山頂と絶壁の艫岩(ともいわ)

分岐点を後にして目指す荒船山の山頂までの道は、ひたすら平坦で明るい雑木林とササ原の牧歌的な景色が続いています。とても山の中を歩いているとは思えない気分だけど、紛れも無く標高1400mの山のてっぺんに居るんです。

15分程進むと荒船山の山頂の盛り上がりが見えてきてこれが最後の登り。台地がわずかに盛り上がっただけだから労する事なく登り切って山頂に立ちました!

山頂は木々に包まれていたけど、葉が無かったから遠くの景色を拝める事ができました。深い上州の山々の向こうに雪を抱いた八ヶ岳連峰が目に飛び込んで来た時は思わず感極まりそうになるほど、山頂からの景色はバツグンでした。

山頂の景色を存分に堪能したし、次は荒船山のシンボル艫岩へ行ってみよう。という事で、歩いて来た道をまた戻っていきます。

内山登山道と相沢登山道の分岐まで戻り、そのまま内山登山道方面へ進んでいくと小さな小屋と広場がありました。ここが艫岩の展望地で眼前の視界が開けると同時に目も眩む絶景が展開します。

僕の数メートル先の地面はありません。恐る恐る進んで覗き込むとそこは断崖絶壁でした。あまりに垂直過ぎて真下までハッキリみえないくらいの絶壁。恐怖で頭がクラクラして背筋がゾクゾクするから長い時間覗き込めませんでした。

安全なところまで戻って岩場に腰を下ろして、ちょっと一服している間にも次々とやってくる登山者は絶壁を覗き込んでは恐怖に声を上げていました。

さあ疲れも取れたし、荒船山山頂にも立ったし、荒船山のシンボル艫岩も満喫したし家に帰ることにしましょう。

平坦な台地をしばらく歩くと荒船山の山頂の盛り上がりが見えてきました。
木々に包まれた荒船山山頂。
西側は若干見晴らしが利いて西上州、八ヶ岳の山並みを堪能。
山頂を後にして艫岩展望台へ。人が立ってる向こうは目も眩む大絶壁だけど展望は良好。雪を抱いた浅間山も望むことができました。
艫岩から見下ろす内山峠と浅間山。
国道254号線から見上げた艫岩。

荒船山登山地図

※この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を使用しました。(承認番号 平22業使、第609号)

データ

登山に要した時間 / 5時間

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