西上州・男山~屹立する山頂

西上州・男山~屹立する山頂
2012年11月3日

長野県川上村に広がる野辺山高原のはずれに天高く屹立する謎の山・男山(1851m)を信濃川上駅方面から登山してみました。

登山した日-2006.5.05

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謎の山・男山

野辺山高原を南北に縦断する国道141号線を北へ向けて走っていると、右側に広がる見栄えのしない山塊の中に一際鋭く突き出た山が僕の目に入ってきました。

国道を挟んで左手に広がる華やかな八ヶ岳連峰とは正反対に、目立たない山が連なる場所においてその尖った山だけが八ヶ岳なんかに負けないぞって主張するような風体で立っていたのです。

その尖った山の姿は自宅に戻ってからも目に浮かんでしまうし、仕事中でもご飯を食べている時でも、トイレに座ってる時も、寝ている時も・・・真夜中に尖った山が迫る夢にうなされてハッ!!と目が覚めたら身体中が汗でびっしょりって事も。(ゴメンナサイ、このへんは嘘です!)

でもそれ位気になる山だったので地図をめくってちょっと調べてみました。えーとここ辺だな。なになに、男・・・山。

『男山!?』

その山の名前を見た瞬間、僕の頭の中に「セイヤッ!!」と掛け声と共に『太鼓を叩くふんどし姿の角刈りのマッチョな兄貴』が現れました。あの鋭く険しい山はまさに兄貴そのもの!みたいな。男たるものこの山に登らねば。という事で早速男山を登ってみます。

野辺山高原から眺める南八ヶ岳の風景は牧歌的でとても華やか。でもその反対側は・・・。 地味な山塊が広がっていてその一角に一際尖った山が見えました。これが男山です。

男になるための試練とは

ゴールデンウィーク後半の5月5日、長野県川上村にある男山の登山口へ到着。車は一台も無いし登山者も誰も居ない感じ・・・。まあ貴重な大型連休みんなもっと華やかな山へ登りにいくさ。そう思いながら登山道へ足を踏み入れます。

最初は林業の作業用道路みたいな林道をひたすら歩きます。見渡せば周りはカラマツの木ばかりでほのかに芽吹いています。蝶が舞い、鳥がピチピチと鳴き、空から降り注ぐ春の日差しを浴びると身体がポカポカ温められてすごく気持ちイイ。今すぐ登山を止めてザックを放り出して森の中に寝そべりたいくらい!

でも・・・あれっ、『男山』のイメージと何か違うんだけど。『マッチョな兄貴』みたく男になるための厳しい試練が登りに待っていると思ってたけど、今感じる雰囲気はどっちかっていうと女性の甘い囁きみたい。

まさかそんな筈はない!きっとこの先に厳しい試練があるに違いありません。それともこの気持ちイイ囁きが男山の魅力なのかな・・・いや惑わされるな!僕が甘い囁きに引っかかるような軟弱な男かどうかを調べてるんだ。なんてどうでも良い事を考えながら先へ進むのでした。

カラマツの人工林の中、男山を正面に見ながら登っていきます。 森の中には春を告げる景色がそこかしこに。この新芽はウバユリかな? 日溜りには派手な羽模様のクジャクチョウが止まってました。

試練の先に待つものは

春の陽気を身体いっぱいに感じまくって頭の感覚がのぼせ状態になっていた時、突然前からばっと人が出てきたので我に返ると、それは下山中の男性登山者でした。そのいでたちや身なりはいかにも玄人っぽくて、山にも人にも厳しい雰囲気を醸し出していました。やっぱ男山の試練を受けに来る登山者は一味違うようです。

しばらく続いた気持ちイイ緩やかな登りは、頂上直下まで来ると一変して急傾斜の直登へと変わります。初めて『男の試練』を感じる場所で、体力が奪われて足取りが鈍くなります。ガンバレ負けるなッ!この試練を乗り越えるんだ!

最後の急登を登り切って肩まで到着すると山頂はもう目の前。針葉樹やツツジのヤブのトンネルを抜けると急に見晴らしがパッと開けて大パノラマが広がりました。男山のてっぺんだ。やった!僕は立派な男になれたんだ!

男山の山頂部は断崖絶壁。 山頂部をズームアップ。 男山山頂へ立ちました!山頂標識のフォントも男らしいですね。

男の頂点に立つ

・・・という事で、なんか『男』の漢字一つでここまで変な妄想をしてしまったけど、実は手軽で登り甲斐のある見晴らしも申し分のない老若男女問わず楽しめる懐の広い山だったのです。

眼前には広大な野辺山高原と八ヶ岳連峰や重厚な奥秩父・上州の深い山なみが続く展望を堪能出来るし、すぐ足元には目も眩む断崖絶壁が展開していて高度感も満点!春霞みで視界全体がもやっっていたから景色全体のインパクトが弱かったのが残念だったけど、空気が澄んでいたらきっと極上の景色を味わえたに違いありません。(終)

ス眼窩に広がる野辺山高原。地面に白く光る物体は畑に敷かれたマルチシートで頂。 北側には御座山(2112m)が鎮座な姿でそびえ立つ。 奥秩父の主峰・金峰山(2599m)も残雪を抱いてチラリと見えます。 下山後に見上げた男山。どこから見ても尖った姿。 黎明の空に浮かぶ男山。

男山写真ギャラリー

※この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を使用しました。(承認番号 平22業使、第609号)

データ

登山に要した時間 / 5時間