上州・四阿山~初夏色に染まった雄大な山

上信越/志賀高原

鳥居峠から上州古道を通って、花童子の宮跡・古永井分岐を経て四阿山を登山。初夏6月は新緑と高山植物とレンゲツツジに彩られた美しい景色が広がっていました。

登山した日-2012.6.18

鳥居峠から四阿山へ

早朝の国道144号線をバイクでひた走ってると手がかじかんで凍え死にそう!朝自宅を出た時は蒸し暑かったのに、群馬県嬬恋村にやって来たら季節は冬で国道の温度表示は8℃を示していました。

北海道の富良野・美瑛そっくりなパッチワーク模様の緩やかな起伏の丘の向こうに見えて来た四阿山は長い山稜を山頂の左右に伸ばして大きな裾野を広げて朝日に輝いています。

標高1360m、群馬・長野の県境にあるの鳥居峠へ到着しました。国道の脇にはゲートのある一本の林道がずっと奥まで伸びていて『四阿山登山口』の看板と入山ポストがあってどうやらここが登山口みたい。今回はここ鳥居峠から四阿山をピストン登山です。

バイクを停めたとたん熱くなったエンジンに大量のブヨが集まって来ました。しまった!虫よけスプレー持ってこなかったけどこの先大丈夫かな・・・?

四阿山夏1 群馬県の嬬恋村に入ると牧歌的な景色が広がって気分は北海道。遠くには浅間山が見えます。

四阿山夏2 遠くに見える四阿山はなだらかでゆったりした山容。

四阿山夏3 鳥居峠にある林道へ到着。ここから四阿山登山開始。

長い林道歩きを経て上州古道へ

登り始めたのは午前6時丁度で、まず林道の先にある『林道終点ロータリー』を1時間かけて歩いていきます。

この林道は一般車も通れて『林道終点ロータリー』まで車で行けます。僕はそれを知らなかったから1時間余計に歩くことになったけど、林道は平坦で歩きやすいから準備運動には最適で、いきなり登るよりもここで足慣らしをしたほうが楽かもね・・・なんて思ったりします。

辺りに広がるカラマツ林はまだ朝日が差し込まないから薄暗く、空気は冷たくて湿り気があって草木の匂いが充満して、高原で嗅ぐいつもの空気に満ちていました。
どこかで鳴くカッコウのこだまを聞いていると、ああ・・・初夏の高原の森を歩いているんだなぁって気分が出て単調な林道歩きも苦じゃありません。心配していたブヨもあまりいなかったので一安心。

やがて林道終点ロータリー広場が見えて来てこの先に登山道があります。花童子の宮跡のある『上州古道コース』と『的岩コース』の二手に別れていて、(2つのコースはこの先の古永井分岐で合流します。)今回は登りに上州古道を使い、下りは的岩コースを歩きます。

上州古道へ入ると薄暗い緩やかな斜面の登りで、尾根道へ出ると朝の日差しに照らされてシラカバやレンゲツツジの森が一気に輝き始めました。

尾根に出てからもひたすら登りが続くものの勾配はキツく無いし、何よりシラカバの森に一面咲くレンゲツツジがあまりに綺麗で、時々眼窩に嬬恋村や浅間山を一望出来たりするから登るのが苦じゃありません。

上州古道の中程にある『花童子の宮跡』へ着くと古い祠や石仏が草叢の中に点在していて、ここから古永井分岐のある2040m峰が見えました。目指す四阿山はあのピークのさらに向こうでまだ遥か彼方。汗を拭って水を飲んで登山続行です。

四阿山夏4 誰もいない林道をてくてく歩いて。

四阿山夏5 林道を1時間程歩いて林道終点ロータリーへ到着。因みに林道を歩かなくてもここまで車で来れます。

四阿山夏6 シラカバとレンゲツツジに囲まれた上州古道の登り。

四阿山夏7 草原が広がる花童子の宮跡から古永井分岐のピーク(2040m)を望めます。

四阿山夏8 新緑に包まれた山肌。

四阿山夏9 浅間山を振り仰いで。

めまぐるしく変化する景色

尾根筋をひたすら登ると岩がむき出しになった小さな展望地へ辿り着きました。何の変哲もない岩を良く見てみると白い小さな蕾を付けたコケモモ・ガンコウラン、ツガザクラがへばり付いて開花寸前。初夏から夏への移り変わりを垣間見てると、薄暗い針葉樹の森に入り程なくして的岩コースと合流する『古永井分岐』へ到着。その先は森が開けて目の前に草付きのピークが現れました。

森林限界を思わせる草原と針葉樹の疎林に包まれた立派な山容だったから一瞬これが四阿山かと見間違えた程で、本当の四阿山はこのピークのまだ向こう。

早速取り付くと結構急登で息が切れそう。登るに連れて草付きの斜面は赤茶けた地面がむき出しになってそんな場所はツガザクラやイワカガミのお花畑が広がっていました。この小ピークを登り切ると再び針葉樹の森の中へ突入です。

四阿山夏10 古永井分岐に近づいて来ると四阿山核心部が見えてきました。

四阿山夏11 古永井分岐を越えると眼前に草原に包まれた小さなピークが現れて行く手を阻みます。

四阿山夏12 紅色が鮮やかなイワカガミは登山道のあちこちに沢山咲いていました。

四阿山夏13 このミネザクラは日本で最も標高の高いところに咲くサクラです。

四阿山から眺める極上の展望

登山道脇はマイヅルソウの光沢ある葉が一面繁茂。で、そうじゃない所はコケが繁茂。針葉樹から発する松ヤニの香りと、苔むした地面から発する腐葉土臭に包まれた森の中はなんだか不思議な世界で五感が刺激されるから気分が惑わされそうな感じ・・・。

しばらく進むと森が切れた先に大きな頂きが見えて、目を凝らすと頂上部に建造物らしきものが見えます。ようやく見えた四阿山山頂!目指す頂きをようやく視線に捉えて気持がなんとなく楽になるけどまだ遠いなぁ。でも進んで行くと四阿山の頂きはどんどん近づき、水場のある分岐まで来ると声が届きそうな程間近になりました。

水場の分岐を過ぎたら急登で、針葉樹の森が途切れてササ原が広がって来るようになると根子岳との登山道と合流して、その先に続く階段状の木道を登り切ったら祠が見えてきました。四阿山山頂に到着です!

遮るものの無い山頂からの展望は素晴らしくて、真っ先に見えたのは白く連なる北アルプスの峰々。白馬岳・鹿島槍ヶ岳・針ノ木岳や遠く槍穂高連峰・乗鞍だって見える文句のない眺望で、北に視線を逸らすと今度は草津の山々が広がり、南を向けば浅間山や八ヶ岳、南アルプスと上信越地方のあらゆる山々を一望できました。

麓を見下ろせば四阿山を取り巻く裾野一面が新緑の衣を纏ってすっかり初夏色。あまりに山頂の展望がいいから小一時間も山頂に居座ってしまいました。

四阿山夏14 水場付近から見上げる四阿山。もう間近です。

四阿山夏15 絶頂の四阿山山頂。

四阿山夏16 山頂から東側の景色。中央の尖った山は三角点(2333m)。

四阿山夏17 西側は北アルプス白馬連峰の連なりを一望。

四阿山夏18 三角点から仰ぐ四阿山はとても険しくて剣先のように尖ってます。

的岩コースは一面黄緑色の世界

下山を始めたのは午前11時前。

登りの時はなかなか近づいてくれなかった四阿山は、下りだとあっと言う間に離れてしまうのでなんだか心惜しい気分。少し歩いて四阿山を振り返り、また少し歩いては振り返りしながら古永井分岐まで戻るともう四阿山は見えなくなっていました。

古永井分岐から的岩コースへ向かいミヤマハンノキが生い茂る潅木帯を抜けると、太古の原生林の雰囲気が漂う暗いコメツガの森になり急坂を駆け下りると、新緑眩しいミズナラやシラカバの森が広がるようになりました。

壁のように連なる奇岩『的岩』へ立ち寄った後は、谷筋の緩やかな道を駆け下りていきます。太陽はすっかり頭上に昇って日差しが新緑の葉を透過すると、黄緑色の光線となって全ての世界を黄緑色に染めるミズナラの純林地帯を歩き続けて、林道終点ロータリーに降り立ったのは午後1時過ぎの事。 黄緑色の世界から開放された僕はここからまた1時間かけて林道を歩いて鳥居峠まで戻ります。

辺りはエゾゼミがギーギー鳴いていて、道路の水たまりには蝶が乱舞。むせ返る空気は初夏を通り越して盛夏のようでした。

四阿山夏19 シラビソ・コメツガの針葉樹に包まれて。

四阿山夏20 古永井分岐のピークが見えてきました。

四阿山夏21 新緑に彩られた山肌。

四阿山夏22 レンゲツツジのオレンジの花がとても鮮やか。

四阿山夏23 的岩。森の中に岩が屏風状に続いています。

四阿山夏24 グリーンシャワーを全身に浴びて。

四阿山夏25 麓の嬬恋村から見上げる四阿山はとても雄大。

四阿山写真ギャラリー

※クリックすると拡大します。

四阿山登山地図

登山に要した時間 / 7時間

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