天国への道のりだった鳥海山・鉾立(象潟口)コース

鳥海朝日/和賀山塊

8月夏のお盆休みに、友人のS君とバイクで東北ツーリングしていた僕は一緒に鳥海山を登山する事にしました。前回はロングコースの『一の滝口コース』から登ったけど体力的にキツかったので、今回はポピュラーな鉾立・象潟口コースから鳥海山山頂を目指します。

登山した日-2006.8.15

夏最盛期の鳥海山

鳥海山の西側中腹・標高約1100mにある象潟口の登山口・『鉾立』のターミナルは、マイカーや観光バスが駐車スペースを求めて右往左往し、その周りを登山者や観光客でごった返していて夏山シーズン最盛期を迎えていました。

見上げる空は雲一つ無く澄み渡っていて、眼下に見える日本海も青空に負けないくらい青く澄み渡って広がっています。今日一日天気が約束された最高のコンディション!きっと素晴らしい鳥海山登山ができるに違いありません!

ターミナルそばにある登山口をくぐって早速登山を始めます。

すでに登り始めから森林限界だったので見晴らしはとても良く勾配も緩やかなので、ハイペースで快適な気分で登れます。目指す鳥海山の頂はまだずっと先だけど、気分がいいせいもあってそれほど遠く感ません。難なく山頂に立てそうな気分です!

鳥海山鉾立奈曽渓谷1 鉾立から見た奈曽渓谷。

鳥海山鉾立2 起伏の緩やかななだらかな登りが続く序盤。

御浜小屋へ

と、楽勝気分だったのは最初だけ。このあまりに良すぎる天気が僕らに試練を与えます。ギラつく日差しに無風なのでとても暑くて身体が火照って汗びっしょり。うーん、苦しくて死にそうだ。そして勾配も上がってきて僕らの体力を奪い始めます。

しばらく進むと残雪が現れます。もう8月お盆過ぎなのにまだ雪が残っているなんて!いかに鳥海山が雪深い山かを思い知らされます。手軽にここまで来れる分、鳥海山の気候の厳しさを垣間見ると違和感を覚えててしまいます。そんな残雪の脇には決まって高山植物が咲き乱れていて心を和ませてくれました。

登山口から登り初めておよそ1時間半、御浜小屋にたどり着きました。

ここから真下を見ると円形の沼(鳥ノ海)と、お椀を逆さまにしたような山(鍋森)が見えます。過去の火山活動が作り上げたちょっと不思議な光景です。

御浜小屋からはしばらく緩やかな尾根道で、行く手に目指す鳥海山の頂が大きく視界に入ってきました。しかしまだコースの半分を歩いたに過ぎず、これから登りがさらにキツくなるのです。

鳥海山鉾立3 御浜小屋まで来ると眼下に鳥ノ海と呼ばれる火山湖と、お椀を逆さにしたような丸い鍋森のピークが中央に見えます。

鳥海山鉾立4 月山遠望。

鳥海山鉾立5 御田ヶ原への下り。向こうに鳥海山が大きく間近にそびえ立ちます。

苦行の先に待つ天国

御田ヶ原の鞍部を越えれば、七五三掛のキツイ登り返しが待ち構えていて、息も切れ切れ登り切ると鳥海山の外輪山の淵へ到達します。真下には豊富な雪を抱く千蛇谷が見え、名前のごとく蛇が横たわったように雪渓が山頂まで続いていました。

少し先へ行くと千蛇谷雪渓を経て鳥海山へ至るコースと、外輪山を経て鳥海山へ至る分岐点になっていて、今回は外輪山方面へ向かいます。するとそこは一面のお花畑。赤・白・紫の花々に包まれた草原が山裾いっぱいになだらかに広がっていました。

反対に千蛇谷雪渓側は、足元が深く切れ落ち断崖絶壁になっていて、谷を挟んだ先に鳥海山山頂が屹立しています。

辺りに広がる雲は、僕の目線と同じか低いところにあって、風も無いのにどこからとも無く現れては鳥海山の景色を隠し、そうかと思えばスッと空間から消えてまた鳥海山が姿を見せる。そんな気まぐれな雲上の世界はまさしく天国。天国を歩いているとはこういうものなのか!と思いました。

鳥海山鉾立6 七五三掛上部・外輪山に取り付いた辺りから望む鳥海山。眼下は千蛇谷。左上が最高峰の新山。

鳥海山鉾立7 雪田脇に咲くチングルマ。

鳥海山鉾立8 ハクサンフウロのピンクの花。

鳥海山鉾立9 鳥ノ海、御浜小屋方面を眺めます。写真左側は笙ヶ岳(しょうがたけ・1635m)。

鳥海山鉾立10 雲と花の世界が広がる鳥海山はまさに雲上の別天地ですね。

鳥海山鉾立11 ワインレッドのチョウカイアザミは鳥海山固有種の花。

鳥海山山頂は極上の展望地

外輪山を登り切って鳥海山の山頂直下まで達すると、辺りは草木も無い大きな赤茶けた岩がゴロゴロと堆積しているだけの荒涼とした世界が広がっています。

遠目で見ればはっきりと山頂の形を見せていた鳥海山も、ここまで来るとただの巨大な岩の塊にしか見えません。岩が多くて一見登り辛そうな雰囲気だけど、いざ取り付いてみるとそれほどでもなく簡単に山頂へ立つ事ができました。

2236mの絶頂からは青い日本海・庄内平野や本荘平野・鳥海高原の広がりの他に、月山や朝日連峰まで遠望できるこの大展望!何時までも眺め続けたい極上の景色だけど、山頂はは一枚岩の上みたいな感じでとても狭くて数人程度しか居座れることが出来ません。次々とやって来る登山者達に場所を譲って山頂を後にして、山頂直下に建つ大物忌神社の御本社まで下ってここでしばらく時間を過ごす事にしました。(終)

鳥海山鉾立12 左に大物忌神社、真ん中が新山(2236m)、右が七高山(2230m)。

鳥海山鉾立13 山頂は刺々しい溶岩の岩場が堆積していました。

鳥海山鉾立14 鳥海山山頂。

鳥海山鉾立15 頂は狭いので大物忌神社の広場で休憩します。

鳥海山鉾立16 千蛇谷雪渓から見上げる鳥海山。

鳥海山写真ギャラリー

※クリックすると拡大します。

鳥海山鉾立(象潟口)登山地図

登山に要した時間 / 8時間

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