谷川連峰・平標山&仙ノ倉山~草原の尾根を歩く

谷川連峰/赤城/武尊

僕の谷川連峰初デビュー登山は平標山と仙ノ倉山。7月、高山植物の群落が美しい花の山へ元橋駐車場から平元新道を登って松手山コースを下る一般的なコースで挑戦!

登山した日-2011.7.15

登山日記
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元橋登山口から平元新道へ

早朝5時、平標山登山口の元橋駐車場へ到着すると、すでに登山者の車が複数台停まっていたものの誰もいなくて静か。

登山口へ入るとすぐに雑木林が広がり、やがてスギの薄暗い森に入って程なくすると舗装道路に出ました。ここから先はしばらく舗装路に沿って歩いていき、何時しか砂利道へと変わってもひたすら単調な林道歩きが続きます。砂利道の地面は人の足跡一つ付いて無く、大粒の雨に打たれようなあばた模様になっていて、土砂が流れた跡が残っていました。昨日ここでは夕立が降ったみたい。

空を見上げると、カラマツの木々と山の隙間から靄っぽい青空が見えました。風は無く蒸し暑い空気・・・今日も夕立になるのかな。そう考えればなるべく早く下山した方が賢明かも。だから今日は終日ハイペースで行こう!

平元新道の登山口へ到着したのは林道を歩き始めて40分ほど経っての事でした。

元橋登山口の駐車場です。有料(500円)ですが、広くてトイレなども完備。
入山届に記入をして登山開始。
歩き始めは単調な林道歩き。まずこの林道を歩いて平元新道の登り口へ向かいます。
林道を歩くこと40分ほどで平元新道の登り口へ到着。ここから本格的な登山が始まります。

平元新道は急勾配のキツイ道

平元新道の登り口へ入る前に地図を取り出して見てみると等高線が密になっていて、一筋ならではいかない登りが待ち構えていることが伺えます。

深呼吸してから平元新道へ踏み込むとすぐさま本格的な登りで、整備された階段の道が続くものの階段の道は歩幅を合わせにくいから疲れてしまいます。それに予想した通りキツイ登りが続くから身体から汗がドバドバと吹き出ます。

途中、物陰で休んでいる中高年夫婦を追い越してからは誰一人出会うことは無く、森の中はすこぶる静か。キツイ登りの連続だけど最初の林道歩きで身体が出来上がっていたから、ペースも順調でどんどん駆け上がっていきます。

でも湿気と暑さに耐え切れずちょっと小休止。辺りを見渡すと序盤に広がっていたカラマツの森はブナの森へ変化し、ブナの森が深さを増せば増すほどキツくなる地獄の登り。そして強烈な湿気と高温・無風。まるで熱帯のジャングルを歩いているみたい。

木々の間から苗場山を遠くに拝めるも、霞んだ空だからあまりクリアに見えないし苗場山の上部は雲がかかって山頂は見えません。その苗場山を包む雲はまったく動く気配が無くべったりと張り付いている感じで、それを見て今日起こり得そうな夕立を一層気にします。

とにかく天気の良いうちに尾根へ出よう。汗ドロドロの身体にムチを打って急ぐように目的地を目指します。

平元新道に広がるブナの森はとても深くて見応え十分。
平元新道は急勾配の階段の登りが連続するからキツイしツラい。

平元新道を越えて平標山ノ家へ

登り続けていると前から単独の女性が降りてきました。平標山の状況や花の状態を聞いてみると、

『花はもう大分終わってるのよ~、チングルマもハクサンイチゲもハクサンコザクラもほとんど花を落としていて・・・』

えっ!まだ7月でこれからが花の盛りだと思っていたのに!せっかく高山植物を求めてここへ来たのにちょっとショック。

でもさすがに花がゼロという事は無いだろう、とにかく自分の目で確かめてみなきゃ。早くお花畑を確かめたい気持で焦るけど急斜面の連続だから足は止まりがちでペースが乱れます。

あまりにしんどくて顔を上げると、苔むしたブナの巨木にササヤブが生い茂るいかにも豪雪地帯の森らしい原生林が広がっていました。そんな景色に変化が訪れて空が明るくなってきました・・・。と思ったら突然森を抜けて目の前に小屋が現れました。『平標山の家』という平標山と大源太山の主稜線上に建つ有人の山小屋で、つまり僕は平元新道を登り切ったという事です。

平標山~大源太山の主稜線に建つ平標山の家。

爽快!平標山の大草原

小屋の前にある蛇口からは水がこんこんと流れ出ていて、触ると冷たい水!夢中になって水をガブガブ飲むと火照った身体はみるみる冷めてのどの渇きも潤ってほっと一息。

平標山ノ家からは初めて平標山と仙ノ倉山の頂を目の当たりに出来て、どの頂きも草原に包まれた優しい姿。小屋横のベンチにザックを降ろしてしばらく景色を眺め続けていると体力も回復したからそろそろ出発しよう。平標山ノ家に別れを告げます。

平標山最後の登りはササ原と針葉樹の疎林が織りなす牧歌的な景色がどこまでも広がっていて、登っていて楽しいし気持ちいい!美しい草原、美しい山並み、夏の空、白い雲、夏山の要素がいっぱい詰まったこの爽快感はたまりません!

遠かった平標山の頂がだんだん手の届く距離までやって来ると、ハイマツやシャクナゲの潅木が広がり山頂が近いことを教えてくれます。ところがその頃になると北側から湧いて来た雲が平標山と仙ノ倉山を隠し始めたのです。

ガスに包まれるのが先か平標山に着くのが先か・・・。力を振り絞って最後の登りを駆け上がって平標山山頂を踏んだのは午前9時過ぎ。残念ながらガスに包まれる方が早くて山頂からの展望は拝めませんでした。

平標山ノ家から仰ぐ平標山は草原につつまれた優しい山容。
ホシガラスがガーガー鳴いています。
平標山の登り途中から望む仙ノ倉山。
ササの草原が広がる平標山最後の登り。
青空に向かって登山道は続いているよ。
広々とした平標山山頂は人影はありませんでした。そして期待した展望はガスで見えず。
山頂から歩いて来た方向を見下ろして。写真左側の頂きは大源太山。

仙ノ倉山稜線漫歩

折角の山頂なのに展望が無きゃ長居をしていてもつまらない。だからそのまま仙ノ倉山へ向かいましょう。

平標山を後にして緩やかなガレ場を100m程下ると鞍部へ降り立ちました。この辺りは風の通り道になっていて高山植物咲き乱れる平標山随一のお花畑になっています。

でも辺りを見渡しても花は無く緑の草原が広がっているだけ。かろうじて数輪のハクサンコザクラの花を見つけたけど、後は実をつけたのばかり。登りで会った女性の話は本当だったんです。花を目当てに来るには時期がちょっと遅すぎたようで残念。

でも鞍部を越えるとようやくお花畑と出会え、ミヤマカラマツやニッコウキスゲが所々群落となって草原を彩っていました。

しばらく立ち込めていたガスに切れ間が出はじめると、青い草地の稜線の先にこんもりとした草原の丘が見えてきたのが仙ノ倉山の頂でもう目と鼻の先です。木製の階段を登り返すと仙ノ倉山山頂に立ちました。

遮るものの無い開放的な仙ノ倉山山頂からは絶景が拝めるはず・・・だったけど平標山同様やっぱりガスで何も見えません。だからザックを枕にしてちょっと昼寝でもしようか。見上げる空は白い雲の切れ間から青空が垣間見える程度で、時折冷たい風が尾根を吹き抜けると気持よくていつまでも山頂に居続けたい気分でした。

ガスが薄くなってふと振り向いたら平標山がかすかに見えました。
ニッコウキスゲのお花畑。
仙ノ倉山への道は草原がどこまでも広がる爽快な尾根歩き。
間近に迫った仙ノ倉山。いよいよ最後の登りです。
仙ノ倉山山頂は遮るものがなく展望良好。でも今日は雲が多くてなにも見えず。

松手山コースへ下山

でも夕立に遭遇するのが怖かったから仙ノ倉山山頂での長居は程々にして平標山までの歩いて来た道を戻る事にします。 仙ノ倉岳の往路と同じ時間を費やして平標山まで戻るもやっぱりガスで展望はよくありません。

下りは平元新道を使わずに平標山西側に伸びる松手川コースを利用する事にします。平標山山頂を離れるとすぐにガスの底を抜けて、眼下に苗場スキー場や下界の景色が見えてきて、さらに高度を下げていくと雲が切れて焼けつく夏の日差しが降り注いで来ました。その灼熱の山道を息を切らしてハアハア言いながら登って来る登山者達と何度もすれ違います。

『平標山の山頂まであとどれくらいですか・・・・?』

と訊いて来る登山者にすっかり遠くになった平標山の頂を指差すと、登山者は皆んなまだ登らないといけないのかと辛い顔をして通り過ぎていきます。

松手山(1613m)山頂まで降り立つとその先の登山道は森林地帯という事で、平標山を見渡せるのもここで最後。すっかり遠くになってしまった平標山の山頂を忘れないように目にしっかり焼き付けてから密林の中へと足を踏み入れました。(終)

仙ノ倉山から平標山への登り返し。
平標山へ再び戻ってきました。
この険しい尾根上に松手川コースは続いています。
どこまでも続く道をどこまでも降りてい。
松手山から見上げた平標山。

平標山&仙ノ倉山写真ギャラリー

※クリックすると拡大します。

平標山&仙ノ倉山登山地図

※この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を使用しました。(承認番号 平22業使、第609号)

データ

登山に要した時間 / 8時間

元橋駐車場料金 ¥500

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