北アルプス朝日岳・雪倉岳・白馬岳縦走記2~蒼天の朝日岳

北アルプス

登山した日-2012.8.8~11

草原・湿地・雪田・お花畑・・・と、花園三角点から先は景色が目まぐるしく変化して僕の視線は定まらず嬉しい意味で頭の中は大混乱。澄み渡った夏空がこれらの景色をより一層際立たせるからつい見惚れてしまいペースは大幅ダウン。早く朝日岳からの展望を拝みたい、でも今広がる光景も眺め続けていたい。そんな贅沢な葛藤に悩みながら登山していくのでした。

広大なお花畑を越えて~吹上げのコル

花園三角点を過ぎると再び登り坂になってこの辺りから高山植物の種類が一気に増えます。残雪跡にユキワリソウが一面ピンクの花を咲かせていれば、岩場にはムシトリスミレ、ミヤマアズマギクの紫色の花が咲いているし、草原にはニッコウキスゲやヒオウギアヤメやクルマユリの大輪の花が咲き乱れています。

斜面を登り切ると青っぽい蛇紋岩の砂礫地にたどり着きます。見晴らしが良い広場だから朝日岳から下って来た何人かの登山者がここで休んでいました。

『おぉ兄ちゃん、おおきな荷物背負って大変やなぁ。朝日岳はもうちょいやから頑張れよ』

何人かの登山者から励ましのお言葉をいただきながら疲労の身体にムチを打って前進します。

ここを過ぎると『五輪の森』と呼ばれる樹林帯に突入。登山道は五輪山(2261m)の斜面をトラバースするように続き、やがて森を抜けると再びお花畑が出現します。

お花畑の中、連続する急登に喘ぎながら登り続け、幾つかの残雪をショートカットすると朝日岳~長栂山の鞍部『吹き上げのコル』へ到着。この場所は風の通り道なのかオオシラビソやハイマツがねじ曲がった樹形をしていて、草木の少ない荒涼とした場所でした。

吹上げのコルからは朝日岳が巨大な山体となって僕の視界いっぱいに広がっていました。いよいよ朝日岳最後の登りにとりかかります。

朝日岳縦走22 緑の草原に包まれた五輪山の斜面。ここには高山植物が一杯咲いていてまさに楽園。

朝日岳縦走23 草原に咲くニッコウキスゲ。

朝日岳縦走24 シロウマアサツキの花と朝日岳。

朝日岳縦走25 青空と残雪と草原の緑が美しい朝日岳。

朝日岳縦走26 五輪の森を抜けてお花畑の草原へ。白馬連峰を望みながらの極上登山。

朝日岳縦走27 湿原に咲くヒオウギアヤメ。

朝日岳縦走28 雪田脇にはハクサンコザクラが満開。

朝日岳縦走29 リュウキンカの大群落。

朝日岳縦走30 夏色の白馬連峰。これぞザ・夏山って感じ。

朝日岳縦走31 迫る朝日岳。この斜面をあと少し登れば吹上のコルへ到着します。

夏色に染まる朝日岳山頂

朝日岳の登りは今までの雪田とお花畑の光景が一変、赤茶けた砂礫広がる荒涼とした景色が続きます。途中で蓮華温泉方面を振り帰るといつの間にか雲海が広がっているものの、天を仰げば雲ひとつ無い夏空!相変わらずの爽快な景色です。

朝日岳山頂直下に横たわる『万年雪』辺りまで来ると、ハクサンイチゲやシナノキンバイ、チングルマの可憐なお花畑になっていて、登りで苦しい気分を和らげてくれます。最後はハイマツの海をかき分け、その先に広い空間が見えてきました。2418mの朝日岳山頂へ到着です!平坦な山頂には360度の絶景が用意されていました。

真夏の北アルプス・・・どんなに天気が良くても、午後になるとガスが湧き始めて天気が悪くなります。僕が山頂に到着した時間は午後12時過ぎ。その時は晴れていたものの、10分もしないうちにガスが湧き出しあっという間に展望が無くなってちょっと残念。

だから山頂での長居はしないで今日の宿泊地・朝日小屋までの残りあと40分ほどの下り道を一気に降りることにします。

朝日岳縦走32 朝日岳最後の登りでは荒涼とした大地が広がります。

朝日岳縦走33 登り途中で吹上のコルを見下ろします。向こうのなだらかな山は長栂山。

朝日岳縦走34 朝日岳の最後の登りで初めて白馬岳の頂きを望めました(左のピーク)。右の尖った山は旭岳。

朝日岳縦走35 朝日岳山頂直下に横たわる万年雪が見えて来たら山頂はもうすぐ。

朝日岳縦走36 山頂直下に咲き乱れるチングルマ。

朝日岳縦走37 朝日岳から望んだ白馬岳・旭岳。

朝日小屋で極上のひととき

13時に朝日小屋へ到着しました。時間的にまだ早かったからテント場はガラガラ。早速受付をしてテントを設営してそのあとはまったり・・・とはいうものの日暮れまでまだ6時間もあってその間何もすることがありません。とりあえずお茶を沸かしてお菓子を持って小屋のベンチに腰掛けて何も考えずにぼーっと景色を眺め続けます。間近にどっしりとそびえたつ朝日岳や遠くにそびえる雪倉岳・白馬岳は雲に隠れたり青空に浮かんだりいろんな表情を見せてくれて、それをただひたすら眺め続けるだけでも幸せな気分です。

山の景色を見飽きたから、朝日小屋の周りに広がるチングルマのお花畑に目をやると花はもう終わっていて綿毛の実を付けて白く輝いて風になびいていました。

まばらだったテントは時間の経過と共に少しずつ増えてきて夕方頃にはすっかり賑やかになりました。テントの登山者と話をしてみると白馬方面へ縦走する人や、栂海新道を経て親不知まで抜ける人、鹿島槍方面から縦走してきた人など様々です。そうした人たちと山談義する一時もまた極上。

夕方6時半を過ぎると暗くなってきて、夕日に染まる富山湾の彼方へ太陽が沈もうとします。朝日小屋に泊まる人もテントの人もみんな外に出て夕日に釘付けです。日が沈んだ瞬間はあちこちで小さな歓声が沸き起こりカメラのシャッターを切る音が鳴り響きます。そして日が完全に沈んでしまったら三々五々テントや小屋へ帰ってしまってその後は静寂な時間が訪れます。

こうして長い登山の一日が終わりました。

朝日岳縦走38 朝日岳山頂を下る事およそ30分、今宵の宿・朝日小屋が見えてきました。

朝日岳縦走39 蓮華温泉から歩くこと約8時間で朝日岳へ到着です。

朝日岳縦走40 テント設営完了!あとはやることがないのでまったりタイム。

朝日岳縦走41 左から雪倉岳、中央が白馬岳、右が旭岳。

朝日岳縦走42 今日のテント場はご覧の通り。

朝日岳縦走43 沈む夕日。

朝日岳縦走44 夕日に紅く染まったチングルマの実。

朝日岳写真ギャラリー

※クリックすると拡大します。

朝日岳・雪倉岳・白馬岳登山地図

登山に要した時間 / 一日目8時間+二日目8時間+三日目5時間 合計21時間

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