北アルプス朝日岳・雪倉岳・白馬岳縦走記3~絶景の雪倉岳

北アルプス

登山した日-2012.8.8~11

辺りのテントから聞こえて来る物音で目が覚めました。時計を見ると午前1時を過ぎたばかり。しばらくウトウトして食器の擦れる音や人の話し声で再び目が覚めると午前3時前。そろそろ起きようか・・・起き上がろうとすると筋肉痛が全身を走ります。

アップダウンの水平道

テントの内側はひどく結露していてびしょ濡れ、外に出て見るとガスが漂っていたものの潤んだ星空が多少見える程度で天気はまあまあ。

今日は朝日小屋から水平道経由で雪倉岳を越えて白馬岳まで歩く昨日に引き続いてのロングコース。胃はムカムカして食欲は無いしこのまま二度寝したいくらい身体はダルいけど、昨日のうちに炊いておいたご飯で即席の雑炊を作って無理やり胃に流しこみます。

そしてテントを撤収したり荷物を片づけたりして身体を動かしてると、身体がほぐれて幾分楽になってきます。

まだ薄暗い午前4時50分、早立ちをしている登山者の一群に混じって僕も白馬岳へ向けて歩き始めます。

朝日小屋を過ぎてチングルマのお花畑が広がる緩やかな尾根を数分ほど下って分岐点へ。ここから水平道へ向かいます。

『水平道』と名前がついているから平坦で楽な道なんだろう。という考えは大間違いで、傾斜のあるアップダウンが連続します。それに雪が残っていてその上を歩く箇所もあるからスリップの危険もあるし、ちょっとした鎖場もあります。登山道は木の根っこが張っていたり、ネマガリダケの枝が繁茂していたり浮き石があったりと歩くのは結構大変。

それでも登山を開始したばかりだから、有り余る体力で次々とやってくる障害を乗り越えていきます。

キツイ水平道だけど、景色的には見所が幾つもあって歩いていて飽きません。湿地やお花畑が多くて朝靄に煙る光景はとても幻想的で神秘的。でも早朝で誰もいなくてひっそりと静まり返ってるからちょっと薄気味悪いかも・・・。

朝日岳雪倉岳縦走46 白み始めた空の向こうに白馬岳がそびえています。

朝日岳雪倉岳縦走47 朝日小屋を少し下った所にある分岐点を右に行けば水平道、そのまま真っすぐ行くと朝日岳。

朝日岳雪倉岳縦走48 水平道へ入ると間もなく現れる鎖場。それほど難しい場所ではありません。

朝日岳雪倉岳縦走49 アップダウンが連続する水平道。行く手に雪渓も見えてきました。

朝日岳雪倉岳縦走50 ガスに包まれる水平道。

雪倉岳取り付き点へ

歩き始めて1時間経つと朝日岳コースとの分岐点が見えてきます。分岐点の先は湿原になっていてここを越えると巨岩が堆積した場所に出くわしました。そして目の前には大きな絶壁が現れます。赤男山の『ツバメ岩』です。

僕の辺りに転がってる巨岩はどれも鈍く光っているから崩落して間もないように見えます。だからツバメ岩から今にも落石がありそうな不気味な雰囲気・・・。こんなおっかない所はさっさと横断してしまおう。

ツバメ岩を過ぎると、コメツガやナナカマドの背の低い潅木だったり、オオシラビソの深い森になったりと景色が何度も変化。ここを抜けると小さな広場(ツバメ平)が見えてきてちょっとした休憩場になっていました。

それほど疲れてはいなかったけど、ちょっと休んで食べ物と水を口にしました。ここから雪倉岳の登りが始まるからです。そうこうしている内にも後ろからやって来た登山者達が僕を追い越して先へ行ってしまいます。

日が昇るに連れて風が出てくると、辺りを覆っていたガスがどんどん風に運ばれ、朝日が出てきました。朝日小屋を出発してから2時間が経過していました。

朝日岳雪倉岳縦走51 赤男山のツバメ岩。斜面が崩壊して巨岩が登山道に積み重なっています。

雪倉岳への道

ここから景色や雰囲気が一変します。荒涼としたガレ場が広がり、水平道で見て来た湿原の花とは違った高山植物が出現します。

タカネマツムシソウの大きくて鮮やかな紫色の花やミヤマトウキやミネウスユキソウの白い絨毯がどこまでも広がっています。遠目で見る雪倉岳は岩だけしか見えないのにいざ踏み込んでみるとこんなにも花が多いなんてびっくり。

雪倉岳へ取り付いてからは登り一本調子で結構しんどいけど、こんな素晴らしいお花畑に包まれるのならそれほど苦ではありません。高度をぐんぐん上げていくと先ほど歩いてきた水平道はずいぶん下に見えるようになり、朝日岳や赤男山も見下ろすように景色は展開していきます。

休憩舎のジグザグ道を越えると前が開けて雪倉カールが見えてきました。山肌がスプーンで削られたような窪みになっていてその中に雪渓が横たわっています。雪倉カールの向こうには目指す雪倉岳の頂きが初めて見えました。

のっぺりとした優しい山容をしてるけどここから先の道のりは生易しいものではありません。

朝日岳雪倉岳縦走52 ツバメ平を越えて雪倉岳の登りに取り掛かります。

朝日岳雪倉岳縦走53 後ろを振り返れば赤男山がそびえています。

朝日岳雪倉岳縦走54 タカネマツムシソウの紫色の大きな花が咲き乱れる登り道。

朝日岳雪倉岳縦走55 雪倉カール末端へ到着。

朝日岳雪倉岳縦走56 雪倉カール末端から望んだ朝日岳、赤男山。

大絶景・好展望の雪倉岳

ここからは雪倉カールの縁を登っていきます。急斜面の尾根道をハアハア息を切らして登り切ったら雪倉岳を間近に望む平坦なガレ場でちょっと一息ついて雪倉岳の最後の登りに取りかかります。

のっぺりした雪倉岳なのに取り着いてみたら息も切れるジグザグの急な登り道。足を上げる行為がとにかく苦しくて気が遠のきそう。何度も足が止まりながらも前だけを向いて必死に前進。いつしか吹き始めた冷たい強風に煽られながらも前進。そうしてやっと急斜面を登り切った先に人の集まるてっぺんが見えました。雪倉岳へ到着だ~!

山頂へ立つと一気に視界が広がって白馬岳・旭岳の雄大な展望が用意されていました。まだら模様の残雪とハイマツの緑と草木の無い茶色い地肌を纏って夏空に大きくそびえ立つ姿はキレイすぎて感動で思わず身震いします。

こんなに天気が良いのに、8月だというのに山頂はあまりの寒さで身震いします。ウインドブレーカーや雨具など着込めるものは全部身に着けても寒いのです。風の当たらない岩陰に身を寄せて景色を眺め続けるけど手もかじかんでツラいので、山頂での滞在は程々にして雪倉岳を後にすることにします。

さて次に目指すは主峰・白馬岳!今回の山旅の核心へいよいよ踏み込んでいきます。

朝日岳雪倉岳縦走57 雪倉カールを越えれば雪倉岳を間近。いよいよ雪倉岳最後の登りに取り掛かります。

朝日岳雪倉岳縦走58 雪倉岳山頂はもう間もなく。ここまでの歩きで疲労MAXだからこの緩やかな登りでさえキツイ。

朝日岳雪倉岳縦走59 雪倉岳山頂の三角点とモニュメント。

朝日岳雪倉岳縦走60 雪倉岳山頂に立つと視界が開けて白馬岳が眼前に出現。

朝日岳雪倉岳縦走62 白馬岳をズームアップ。

朝日岳雪倉岳縦走63 白馬岳の傍らに三角の尖った形でそびえる旭岳。

朝日岳・雪倉岳写真ギャラリー

※クリックすると拡大します。

朝日岳・雪倉岳・白馬岳登山地図

登山に要した時間 / 一日目8時間+二日目8時間+三日目5時間 合計21時間

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