北アルプス朝日岳・雪倉岳・白馬岳縦走記4~花の鉢ヶ岳と絶頂の白馬岳

北アルプス

雪倉岳の山頂を踏めば今回の山旅イチバンの目的地・白馬岳まであとひと息。でもまだ今日のコースの半分を歩いただけ・・・。そろそろ疲れが溜まって足腰が痛みでズキズキ。こんな状態でこれから鉢ヶ岳を巻いて遥かなる白馬岳を目指します。

登山した日-2012.8.8~11

雪倉岳~鉢ヶ岳

雪倉岳を後にすると急な下り坂が続いて雪倉岳~鉢ヶ岳鞍部に建つ雪倉岳避難小屋へ降り立ちます。小屋の周りは一面のお花畑で、小屋の前は広場になっているから休憩するにはもってこいの場所。地面に腰を下ろして菓子と水を少し口にしながら雪倉岳を仰いで見ると、なだらかな山肌は一面ハイマツやお花畑の豊かな緑に包まれていて、雪倉カールから仰いだ時に見た草木のない荒涼とした姿とは随分違います。

雪倉岳避難小屋を後にすると、死の世界のような荒涼としたザレ場が広がります。赤茶けたり青みがかったりした砂礫ばかりで生き物の気配を感じられないから、歩いているだけでとても寂しい気持ちになってしまいます。

このザレ場を過ぎると登山道は鉢ヶ岳(2563m)を左へと巻いていき、やがて死の世界だった大地にお花畑が広がってくると景色は一気に華やいてきます!

白馬岳雪倉岳縦走65 雪倉岳から下る途中で望んだ白馬岳(左)と鉢ヶ岳(右)。

白馬岳雪倉岳縦走66 雪倉岳の東側は見事なお花畑。

白馬岳雪倉岳縦走67 登山道の先に雪倉岳避難小屋が見えてきました。

白馬岳雪倉岳縦走68 雪倉岳避難小屋と雪倉岳。

白馬岳雪倉岳縦走69 雪倉岳避難小屋の先に広がる荒涼としたザレ場。

白馬岳雪倉岳縦走70 鉢ヶ岳の斜面に横たわる雪渓。そして向こうには白馬岳がそびえ立つ。

花の楽園!鉢ヶ岳の巻き道

いじけたオオシラビソとハイマツの潅木を抜けると斜面に横たわる雪渓が目の前に見えてきました。雪渓末端から流れ出た溶けたばかりの水を掬うと、かじかみそうな冷たさ。少し体温で水を温めてから口に含むと歯にしみるけれど冷たくて美味しい!

雪倉岳山頂では寒さで凍えていたのに、ここ鉢ヶ岳巻道では風が無く容赦無い日差しに照らされるから暑くてたまりません。だから冷たい水が美味しく感じられたのでしょう。

鉢ヶ岳の雪渓の周りは広大なお花畑になっていて、チングルマの白い花やミヤマキンポウゲやシナノキンバイの黄金色の花、ハクサンコザクラのピンクの花がこれでもかと言うほど咲き誇っていて実に見事。青空と雪渓とお花畑の組み合わせはいかにも夏のアルプスらしくて幾ら眺めても見飽きません。

しばらくお花畑に見惚れてると白馬岳方面から登山者がやってきてすれ違いざまに話をすると、この登山者は昨日は村営頂上宿舎にテントを張ったと言うのでテント場の状況などいろいろ訪ねてみました。

すると昨日の大風であまり眠れなかったと話します。

えっ・・・??僕が泊まった朝日小屋ではそんな事は無かったのに、朝日と白馬ではこうも風が違うのだろうか?まあでも今日は大丈夫でしょう。と楽観的に考えます。

白馬岳雪倉岳縦走71 鉢ヶ岳のお花畑は本当に見事。

白馬岳雪倉岳縦走72 チングルマの大群落。

白馬岳雪倉岳縦走73 チングルマの可愛さと綺麗さに気分高揚。

白馬岳雪倉岳縦走74 こちらはハクサンコザクラ。ピンク色の小さな花をいっぱいに咲かせます。

白馬岳雪倉岳縦走75 これぞお花畑。

三国境への長くてキツイ道のり

鉢ヶ岳をトラバースし終えると、雪渓もお花畑も無くなって白い砂礫広がるザラザラした登り道になります。標高2504mにある鉱山道の分岐点を越えれば、行く手に三国境の分岐点のある白いガレ場の尾根と、尾根から続いた先にそびえ立つ白馬岳を間近に望む事が出来ました。

この付近は勾配的には大した事がないけど、朝日岳からずっと歩いて来てるから体力は消耗してて疲労で何度も足が止まってしまいました。空気が薄く感じて息苦しいし、呼吸回数も激しくなるから肺が痛くてたまりません。

どこまでも広がる白い砂礫地の斜面を越えるといよいよ三国境最後の登り。石や礫が積み重なる登山道は踏むとガラガラと大きな音を立てます。ここから三国境までそれほど距離はないけど疲労であと100mの距離が登れません。ダッシュで走れば1~2分程度で登り切れそうなのに10分も20分もかかったような感覚です。

息も切れ切れやっと三国境にたどり着いた瞬間、辛さから開放された安堵感で動けずしばらくここで休むことにしました。

白馬岳雪倉岳縦走77 迫る白馬岳(左)と旭岳(右)。

白馬岳雪倉岳縦走78 ガレ場に咲くコマクサ。

白馬岳雪倉岳縦走79 白馬岳の勇姿。はやくあのてっぺんに立ちたいけどそろそろ疲労が辛い・・・。

白馬岳雪倉岳縦走80 正面に三国境の白い稜線が見えてきます。

白馬岳雪倉岳縦走81 白馬岳を代表する花、ウルップソウ。

白馬岳雪倉岳縦走82 いよいよ三国境最後の登り、白いザレ場に差し掛かります。

白馬岳雪倉岳縦走83 新潟県と富山県と長野県にまたがる三国境。やっと着いた。

白馬岳山頂までの道のりは長かった

30分ほど休むと随分疲れも取れたので、そろそろ白馬岳最後の登りに取り掛かりましょう。

三国境を後にすると急な崖の登りが待ち構えていました。ゆっくり歩いて登り切ると緩やかな主稜線へ出てその先に白馬岳の山頂らしきものが見えます。それを越えるとまた先に山頂らしきものが見えてきます。なかなか山頂につかないもどかしさ・・・山頂に立ったと思ったらまだ先だったという絶望感。体力と精神との戦いです。

幾つかの小ピークを踏み越えるとまた目の前に山頂が見えてきました。今までの小ピークと違って鋭くそびえ立ち山頂らしい堂々とした風格をしてるし、何よりもてっぺんに人の姿がちらほらしてる。うん、今度こそ白馬岳の山頂に間違いありません!

辿り着いた白馬岳の展望は素晴らしくて、白馬三山の杓子・鑓ヶ岳の連なりも見えるし、遠く立山・剱岳も拝めます。山頂から鋭く切れ落ちた東側の展望はガスに包まようとしていたものの、大雪渓や眼下の白馬村の街並みがかすかに見えました。でも歩いて来た朝日雪倉岳方面はすっかりガスに包まれてしまいました。

時間の経過とともにガスの密度は濃くなりあらゆる景色を包み隠していきます。だからそろそろ山頂を後にしよう。今日の宿泊地・村営頂上宿舎のテント場までは後20分少々の道のりです。

白馬岳雪倉岳縦走84 小蓮華山方面はガスが湧いてきました。

白馬岳雪倉岳縦走85 白馬岳の登り途中で鉢ヶ岳、雪倉岳方面を見下ろして。

白馬岳雪倉岳縦走86 前方に白馬岳山頂らしいピークが見えてきたけどコレはニセモノ。山頂はまだ先なのでした。

白馬岳雪倉岳縦走87 いくつものニセピークを越えてようやく捉えた白馬岳山頂。

白馬岳雪倉岳縦走88 白馬岳山頂へ到着。ここまでの道のりは長くてキツかった。

白馬岳雪倉岳縦走89 南側を向けば白馬三山の杓子、鑓ヶ岳、そして遠くに立山劔連峰を望みます。

村営頂上宿舎でテント泊

白馬岳から10分程下ると日本一の規模を誇る白馬山荘へやってきました。山荘前の広場やテラスは大勢の人でごった返していて喧騒に包まれています。併設された綺麗なレストランでは沢山の人たちが食事を摂りながら思い思いの時間を過ごしていてとても3000m近い山の上とは思えない雰囲気。今まで人の少なかった朝日雪倉に居たから白馬山荘がなんだか異質で普通の街中にいるような感覚です。

白馬山荘からさらに下ると続々と登って来る登山者達とすれ違いました。時刻は午後一時を過ぎたばかりだからこれから人の数は加速度的に増えて来るのでしょう。

程なくして村営頂上宿舎が見えてきて、傍らのテントサイトは沢山のテントが建っていました。

受付を済ましてサイトの一角にテントを設営し終えた後はうたた寝をしたり、白馬山荘やテント場のあたりを散歩したりして日が暮れるまでの時間を潰します。その頃にはすっかりガスに包まれて白馬岳はおろか近くの景色までもが見えなくなりました。

おまけに強風が吹き始めてきたのでテント場まで戻ると、僕のテントは風に煽られて弓のようにしなっていました。石でしっかりと固定してテントの中に潜り込みます。

夜になっても強風は収まりません。風に叩かれるフライシートの音をずっと枕元に聞きながら床に就きました。

白馬岳雪倉岳縦走90 眼下に見えてきた巨大な建物群。日本最大の山小屋、白馬山荘です。

白馬岳雪倉岳縦走91 村営頂上宿舎のテントサイト。

白馬岳雪倉岳縦走92 すっかりガスに包まれた白馬の山々。今日も長い一日でした。

雪倉岳・白馬岳写真ギャラリー

※クリックすると拡大します。

朝日岳・雪倉岳・白馬岳登山地図

登山に要した時間 / 一日目8時間+二日目8時間+三日目5時間 合計21時間

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