北八ヶ岳・天狗岳~雪と氷に輝く白銀の峰々

八ヶ岳/蓼科周辺

登山した日-2012.2.11~12

北八ヶ岳にそびえる天狗岳(2646m)は冬山入門の山として人気があります。一年で最も寒い時期の2月に渋の湯から登ってみたけど登山者でいっぱいでした。

白銀色の八ヶ岳へ

中央自動車道の小淵沢ICを降りて、八ヶ岳ズームラインを走ると真っ白な八ヶ岳が見えてきました。

ここまで来れば、終点の渋の湯までもう少し。八ヶ岳ズームラインから県道191号線に入って渋の湯の看板を頼りに狭い山道を走り続けると大きな一軒家の旅館が見えてきました。終点の渋の湯です。そしてここが天狗岳登山の拠点です。

時刻は午前12時前でした。だからこれから天狗岳を目指す登山者と、下山してきた登山者で渋の湯のロータリーは大混雑です。

駐車場は満杯で渋の湯の女将さんが必死になって車を誘導していました。

こんな真冬の時期なのにこんなに登山者が多いなんて・・・・天狗岳の人気っぷりを肌で感じます。

北八ヶ岳冬1 八ヶ岳ズームラインから望む八ヶ岳連峰は真っ白。

北八ヶ岳冬2 そそり立つ阿弥陀岳。

北八ヶ岳冬3 今回登るのはこの山。天狗岳です。

黒百合ヒュッテへの道程

今回の登山は一泊二日のプランです。

【一日目】渋の湯→黒百合ヒュッテでテント
【二日目】黒百合ヒュッテ→天狗岳→中山→高見石小屋→渋の湯

渋の湯を少し歩いたところに登山届のポストがあってここで記帳をして、傍の吊り橋を渡れば登山道に入ります。序盤から斜面上のジグザグの急登が続きます。あたりはシラビソやコメツガの鬱蒼とした森に包まれています。視界は利きません。

渋の湯ではわずかだった積雪も森の中へ踏み込めば充分積もっていて最初からアイゼンを装着しました。

この急斜面を1時間ほどかけて登りつめれば、黒百合ヒュッテの西側に伸びる尾根の上に出ます。

尾根上に出れば勾配はいくらか緩くなりました。そして時々木々の隙間から北八ヶ岳の前衛の山が見えてきますが、天狗岳はそれらに隠れて見えません。

さらに前進して高度を上げていくと、シラビソやコメツガの木全体が氷で覆われて樹氷になってきます。時々立ち止まってキレイだなぁって眺め続けると、すぐに身体は冷えて寒さで我慢できなくなってくる。。。。雲ひとつないサンサンと太陽の日差しが降ぐ天気だけど、やはり高い山は寒いのです。

緩やかだった尾根道も再び勾配を増してくると、木々の間に森林限界の山肌を間近に見るようになります。そして程なくして標高2400m付近に建つ黒百合ヒュッテに到着しました。テントサイトには何張りかのテントが張られていました。

北八ヶ岳冬4 天狗岳登山の拠点、渋の湯。

北八ヶ岳冬5 渋の湯から登山口方面。

北八ヶ岳冬6 薄暗い針葉樹の森が広がる中を登っていきます。

北八ヶ岳冬7 高度を上げると木々も凍りついてきました。

寒さの中でのひととき

テントを張り終えてすぐ近くにある『天狗の奥庭』へちょっと散歩に行ってみます。

『天狗の奥庭』は溶岩が台地上に積み重なった場所で、ここからは天狗岳の勇姿を間近に眺められるビュースポット。明日も今日みたいな天気が続くことを願って黒百合ヒュッテまで戻りました。

さて、日が暮れると同時に八ヶ岳は一気に極寒の世界へ変貌します。黒百合ヒュッテの入り口にある温度計は、僕が到着した午後3時にはマイナス8℃を差していたのに、暗くなった午後7時にはマイナス21℃までに下がってのです。。。寒い、というより全身が締め付けられるような痛寒さ。とにかく寒くて何かしようという気にもなれません。。。。。ありとあらゆるものが凍りつくのです。

北八ヶ岳冬8 天狗の奥庭から見た天狗岳。左のピークが東天狗、右のピークが西天狗です。

北八ヶ岳冬9 凍てつく岩と天狗岳。

北八ヶ岳冬10 ここでじっとしているだけでも寒くてたまりません。

北八ヶ岳冬11 今日テントを張るクロユリヒュッテは針葉樹の森の中にあります。

悪天候の天狗岳山頂

翌日午前4時。風がテントを叩く音で目を覚ましました。外へ顔を出すと小雪が舞い濃いガスにつつまれて何も見えず悪天候だから天狗岳へ行こうかどうか迷ったけれど予定通り出発します。

午前7時に黒百合ヒュッテを出発。小屋の温度計はマイナス23℃。昨日の夜からそれほど下がっていないけど、死ぬほど激寒!涙が凍ってきて目がしばしばするし、手足の先が冷たくて痛いし辛いです。

黒百合ヒュッテから少し歩くと中山峠という分岐へ来て、ここから樹林帯を10数分程登ると『天狗の奥庭』へたどり着きます。森林限界で遮る物のない荒涼とした空間は強風が吹き続けていて行く手を阻みます。全身風に打たれながらここを越えるとまた樹林帯で、針葉樹とダケカンバの森を抜けると、目の前に大きな壁がガスの中うっすらと見えてきました。天狗岳の山頂にいよいよ取り付く時です。

傾斜のキツイ雪の壁を登っていきます。猛烈な風に耐えながら、気の遠くなりそうな寒さに耐えながら何も無い視界の中をわずかな踏跡を頼りに一歩一歩登ります。

あまりの寒さでカメラも作動しなくなってしまいました。

天狗岳に取り付いてから必死になって登ることおよそ1時間、天狗岳(東天狗)山頂に立ちましたがとても山頂に居られる天気じゃなかったのですぐに引き返します。下山中も続々と登山者の一群がやってきて道をゆずって待つ時間も寒くて苦痛だけど、すれ違う登山者たちもみんな必死な様子でした。

再び中山峠まで降り立つと風も収まってほっと一息。

北八ヶ岳冬12 二日目の朝。まだ薄暗いけれどテント組みんな出発の準備に忙しそうです。

北八ヶ岳冬13 中山峠から野辺山高原方面を見ました。天気はよく有りません。

北八ヶ岳冬14 ここから天狗岳最後の登りにとりかかります。あまりの寒さでカメラもここでしばらく動かなくなります。

北八ヶ岳冬15 何もかも真っ白。

北八ヶ岳を存分に味わって

黒百合ヒュッテに戻ってテントを撤収すると、みるみるうちにガスが晴れて天気が回復してきたぞ!今頃晴れるなんてなんかタイミングが悪いなぁ。

でも山の天気は大体こんなものだから空を恨んでもしょうがないですね。でもやっぱり残念・・・腑に落ちない気分のまま、黒百合ヒュッテを後にして中山峠経由で中山、高見石小屋を目指します。

再び中山峠へたどり着いて天狗岳とは真逆に延びる中山方面の登山道へ進みます。緩やかな登りが続く中、途中で森が切れて見晴しの良いポイントに出ると天狗岳全景が姿を見せてくれました。

全山雪と氷に包まれて輝く天狗岳は神々しくてキレイ・・・

この天狗岳の光景を背をして中山へ向かいます。

緩やかな登山道がどこまでも続く針葉樹の樹海の中の道をひたすら進んでいくと、登道になって一気に登り切ると中山山頂(2496m)へたどり着きます。三角点のある所は森の中ですが、東側は森が切れていて、北八ヶ岳・南八ヶ岳を一望できます。どこを見渡しても森、森、森・・・この森深さが北八ヶ岳の特徴なのです。

北八ヶ岳冬16 天気はみるみる回復して天狗岳が見えてきました。

北八ヶ岳冬17 天狗岳(東天狗)山頂をズームアップ。

北八ヶ岳冬18 天狗岳東側斜面は白銀の世界。

北八ヶ岳冬19 中山周辺はなだらかで針葉樹と雪と氷の世界だけが広がっています。

北八ヶ岳冬20 中山から見る北八ヶ岳の森。

下山へ

中山を後にして次なる目的地の高見石小屋へおよそ一時間の道のりを歩きます。ここから先も中山の登り同様傾斜が緩いから気持よく歩くことができます。遠くに見える北アルプスや中央アルプスの絶景と青空に映える樹氷の美しさに感動しながら高度を下げていくと、辺りを覆うシラビソ・コメツガの木々はより大木になってきて密林度が高くなってきます。積雪の量も少しづつ少なくなってきます。

たどり着いた高見石小屋はそんな森の中にある小さな山小屋で、様々なコースの合流点でもあります。ここから渋の湯方面の登山道を降りていきます。

少しの間樹林帯を歩くと、『賽の河原』と呼ばれる荒涼とした場所に出くわします。天狗岳で見た『天狗の奥庭』と同じような溶岩がむき出しの森林限界の景色が沢状に続いていて登山道もそれに沿っています。ここが最後の見晴らし地で、賽の河原を過ぎれば、終点の渋の湯まではずっと樹林帯の中なのです。

渋の湯に下山したのは16時頃。渋の湯は閑散としていて、駐車場もガラガラ。昨日見た喧騒に包まれた渋の湯はまるで嘘のように辺りはシーンとしていました。

北八ヶ岳冬21 中山から遠く槍穂高連峰を望む。

北八ヶ岳冬22 不思議な氷の世界へ迷い込みました。

北八ヶ岳冬23 賽の河原。ハイマツといじけたコメツガと岩と雪だけの荒涼とした斜面が広がっています。

北八ヶ岳冬24 あとは針葉樹の森を降れば渋の湯へ下山です。

冬の天狗岳写真ギャラリー










※クリックすると拡大します。

北八ヶ岳・天狗岳登山地図

登山に要した時間
【一日目】渋の湯登山開始12:30→黒百合ヒュッテ15:30
【二日目】黒百合ヒュッテ7:00→天狗岳8:30→中山12:00→高見石小屋13:00→渋の湯15:00
トータル11時間

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