北アルプス・爺ヶ岳&針ノ木岳~後立山秋色縦走記【後編】

北アルプス

登山した日-2008.10.03~05

登山日記
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スバリ岳を越えて絶頂の針ノ木岳へ

赤沢岳から続く稜線はカミソリの刃のように鋭く切り立っていて、その先にスバリ岳(2752m)の頂がありました。スバリ岳の山肌は黒々とした岩の鎧に覆われていて、どの山よりも一際荒々しく・険しく感じます。そのスバリ岳の後ろに針ノ木岳が頭を上げて立っていて、まるでスバリ岳は針ノ木岳を守る衛兵みたく登山者をガードしているように見えました。

赤沢岳から200mほど高度を下げて鞍部に降り立ったらスバリ岳への登り返しで、目眩がするほどのキツイ登りが連続。ここを一心不乱になって登り続けると勾配が緩くなってなだらかな尾根道になり、岩が盛り上がった所にスバリ岳の山頂がありました。

スバリ岳から間近に望んだ針ノ木岳はスバリ岳以上に鋭く天を突いてまさに岩の塔。これさえ登り切れば今日の登山は終わりなんだ・・・体力はもう限界だけど気力はまだ僅かにあるからなんとか登り切れるはず。

針ノ木岳最後は耐え難い疲労が全身を襲うキツイ登りで、足を一歩踏み出すのがこれ程まで辛いとは思いもしませんでした。一挙手一動作をするにも息が切れて意識がぶっ飛びそう。カタツムリが進むような速度でガレ場をなんとか登ると、広い空間が見えて針ノ木岳山頂へ立ちました。

日はすっかり傾いていて踏破して来た稜線は夕暮れで黄色く染まり、立山・剱の山並みもすっかり色褪せていました。時刻は夕方4時半で日が暮れそうだから山頂での滞在は程々にして今宵の宿、針ノ木小屋への道を急ぎます。

山頂から30分程下って針ノ木小屋へ辿り着き、テントを建てる作業にも息が切れる程僕は疲れ切っていました。それから食べ物を胃の中に掻き込んですぐに寝袋にくるまると、すぐに意識は無くなったけど、足がズキズキ痛み、身体中が締め付けられるような感覚に一晩中襲われ続けました。

赤沢岳の山頂から望むスバリ岳・針ノ木岳。
スバリ岳の山頂から望む針ノ木岳。ようやく間近までやってきました。
スバリ岳の絶頂。
スバリ岳山頂から眼下に黒部湖を望んで。
堂々とした蓮華岳の頂きを見ながら針ノ木岳最後の登りへ。
針ノ木岳山頂へ到着したけど夕方だから誰もいませんでした。
針ノ木岳から踏破してきた稜線を望みました。こんな険しい所を歩いて来たなんて・・・そりゃ疲れるよ。

針ノ木雪渓下り

翌朝。昨日一昨日の快晴とは打って変わり、空一面鉛色の空で雲が速いスピードで移動していました。どうやら天気は下り坂みたい。

今日はもう扇沢まで下るだけだから急がずテントを片付け、針ノ木小屋を後にすると扇沢へ向けてジグザグの急斜面を下ります。下るというより落下していくようなザレ場の急斜面は、もし足を滑らせたらそのまま針ノ木沢の谷底へ落っこちそう。というか昨日のハードな山行で全身筋肉痛だから慎重に歩かざるを得ません。

やがて雪塊が真下に見えてると、針ノ木沢に横たわる針ノ木雪渓の上部へ降り立ちました。

ここから登山道は雪渓を避けるように草付きの急斜面をトラバースするので、濡れた岩や草に足を取られる歩きにくい道が続きます。途中足を負傷しておぼつかない足取りで歩いている登山者グループと出会いました。

時折鎖場があってそういう危ない箇所は支点をきちんと取りながら慎重に歩かないといけない分、体力も気力もかなり使います。

針ノ木雪渓の末端まで降り立つと、針ノ木沢から離れてブナの森へ入っていきます。見上げてみると黄色く色づき始めたブナの森に包まれて綺麗だけど曇っているせいかあまり色鮮やかさはありません。

やがて舗装された立山黒部アルペンルートのトロリーバス専用道へ出て、ここを何度か横切ると、前の方から賑やかに話す人たちと出くわしました。普段着に犬連れのどう見ても登山者じゃないスタイルは観光客です。という事はゴールの扇沢は近いはず!

予感は的中して巨大なコンクリートの建物が見えてきました。扇沢のターミナルへ到着です。そこで見たのは闊歩する大勢の観光客たち。そして次々とやってくる観光バス。バスから吐き出される観光客の一群・・・。

この光景を見たとき、爺ヶ岳~針ノ木岳の峰々を踏破した達成感と、無事に下山出来た安堵感に満たされて力が抜け落ちて地面にへたりこんでしまいました。(終)

針ノ木小屋のテントサイトの遥か下に針ノ木雪渓がわずかに見えます。
紅葉に染まる赤沢岳。
針ノ木雪渓の上部へ降り立ちました荘。
針ノ木雪渓をどんどん下っていきます。
ブナの森。色あせ始めたばかりです。
終点、扇沢へ無事下山できました。

爺ヶ岳&針ノ木岳写真ギャラリー

※クリックすると拡大します。

爺ヶ岳&針ノ木岳登山地図

※この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を使用しました。(承認番号 平22業使、第609号)

データ

登山に要した時間 / 一日目5時間+二日目13時間+三日目3時間 合計21時間

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