南八ヶ岳・横岳~白い妖精チョウノスケソウ

八ヶ岳/蓼科周辺

2003年の6月に南八ヶ岳の横岳を登った時、そこで出会ったチョウノスケソウという高山植物に僕はすっかり魅了されました。小判型の可愛い葉っぱに大柄の白い花を沢山付けて岩場にへばりついて咲く不思議な高山植物。見たい・・・もう一度見たい!

登山した日-2005.6.25

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再びやって来た杣添(そまぞえ)尾根

横岳でチョウノスケソウを見てから2年が過ぎた2005年、チョウノスケソウへの募る想いから前回登った時と同じ時期に再び横岳を目指します。

6月25日午前4時。長野県南牧村にある海ノ口の登山口は、早朝から多くの登山者が詰め掛けていました。駐車場は満杯で路肩にも車がズラリ。梅雨明けを思わせるような好天が沢山の登山者を八ヶ岳へ招いたようです。

登山口からシラカバとカラマツの森に包まれた別荘地の中を登っていき、間も無く林道へ出ると行く手に横岳の頂が目に入ります。雪も消えてすっかり夏色になった横岳の稜線に咲き乱れるチョウノスケソウを想像すると、期待感で力がみなぎってきます。さあガンガン登っていこう!

林道から見上げた横岳はすっかり夏色模様へ。

杣添尾根の長い登りと深い針葉樹の森

林道から杣添尾根へ足を踏み入れると本格的な登山が始まり、息つく暇も無い急勾配の登り道が延々続きます。森の中は風も無くて湿っぽいからもう汗がびっしょり。風通しのよさそうな場所を求めて周りを見回しても見えるのは鬱蒼とした針葉樹の木々ばかり。

それらの木々は樹齢100年以上は軽くありそうな巨大な幹周りで天高くそそり立ち、空を葉でびっしりと覆って日差しをシャットダウンしているから日は出ているのに足元は夜のように薄暗く、日差しが届かない地面はフカフカのコケがびっしり覆われています。

杣添尾根を登り続けて標高2000m、2100m・・・と高度を上げてもずっと単調な針葉樹の森の景色が続くので、いくら自然いっぱい堪能できる森の中であっても同じ景色ばかりじゃぁ飽きてしまうのが人間の悲しい所。そろそろ針葉樹の世界から抜け出たくてイライラ・・・こういう時はチョウノスケソウの事でも思い浮かべて気を紛らわそう。

森の中は薄暗くて湿っぽいからコケの世界があちこちに。

いよいよ森林限界

標高2400mあたりまで来ると、ようやく景色に変化が起きはじめます。針葉樹の森にダケカンバが混じり始め、2500m付近からはダケカンバの純林になります。どのダケカンバも風雪に虐げられて捻じ曲がった樹形をしていてなんだか不思議な森の世界へ舞い込んだ錯覚に陥るのはダケカンバの森ではいつもの事。。

さらに高度を上げてハイマツが混じってくると間も無く森林限界で、急斜面を一気に登ると一面ハイマツが広がる見晴らしの良い尾根に出ました。

すると眼前に突然飛び込んで来た鋭い頂、それは八ヶ岳最高峰の赤岳で真っ青な空を突くようにそびえています。赤岳から続く主稜線を目でなぞっていって真上を見ると横岳の三叉峰の頂きがもう目の前にありました。距離は近いけど垂直のような斜面を登らないといけないからキツそう。

この斜面に取り付いて、気が遠くなりそうな急斜面をジグザグに登り切ると主稜線へ到達して、すぐ上の岩場をよじ登ると三叉峰(2825m)へ立ちました。

ダケカンバの森を越え森林限界まで来ると、展望が開けて八ヶ岳の赤岳の尖峰を見ることができます。

横岳の稜線を彩るチョウノスケソウ

三叉峰の頂に広がる壮大な八ヶ岳連峰の絶景・・・鋭くそびえる赤岳や阿弥陀岳、硫黄岳の雄大な山容、足元から切れ落ちる目も眩む大絶壁、そして八ヶ岳を取り囲む深い森の広大さなどなど視線に映る景色はどれもすばらしいものばかり。

そして今回お目当てだったチョウノスケソウはちょうど見頃を迎えていて、岩場のあちこちで満開となって楽しませてくれました。もちろんチョウノスケソウ以外の高山植物と一緒になって咲き乱れ、八ヶ岳の稜線は天空の楽園状態!

三叉峰から横岳最高峰の大権現(2829m)へ向かう途中も花々と展望を堪能する稜線満歩で、大権現山頂も三叉峰に劣らない展望が広がっていました。小一時間ここに居座って来た道を三叉峰まで戻って時計を見たらまだ午前11時。下山するにはちょっと早いから三叉峰の南にある鉾岳まで寄り道してみよう。

鉾岳へ続く道は鋭く切れ立った痩せ尾根で、崖下を恐る恐る覗き込むとそんな場所にもチョウノスケソウが咲いていました。

もうじき鉾岳へ到着!という所で、西側からにわかに雲が湧き出して全ての視界を奪います。それはあっという間の出来事で今まで見えていた赤岳や阿弥陀岳はもう見えなくなりました。夏山でこういう天気になると、なかなかガスが取れないのは今までの登山で経験済みです。鉾岳でしばらくゆっくりしたかったけど何も見えないから杣添尾根を下る事にします。それにチョウノスケソウに出会えたし今回の目的は果たせたからもう満足!

下山して帰り際に野辺山高原から八ヶ岳を仰いで見たけど山頂部は依然雲に包まれたままで、今日歩いた横岳の岩稜を望むことは出来ませんでした。

横岳の岩場の稜線は一面のお花畑。
横岳の最高点・大権現。
ミヤマシオガマの赤い花が岩場を彩ります。
イワウメの白い花やオヤマノエンドウの紫の花の絨毯。
ロックガーデンと赤岳。

南八ヶ岳横岳写真ギャラリー

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南八ヶ岳横岳登山地図

※この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を使用しました。(承認番号 平22業使、第609号)

データ

登山に要した時間 / 9時間

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