南八ヶ岳縦走記~夏色の岩尾根を駆ける【前編】

八ヶ岳/蓼科周辺

船山十字路から西岳を登って青年小屋でテント泊。2日目に権現岳・赤岳・阿弥陀岳を登山した夏山南八ヶ岳縦走日記です。

登山した日-2008.7.12~13

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船山十字路から西岳へ

シーズンを通して大勢の登山者が訪れる八ヶ岳メイン玄関口・美濃戸口。そこから少し南側へ寄った所に船山十字路と呼ばれる登山口があります。主に阿弥陀岳登山に利用されるここは美濃戸口と比べると利用する人も少なくて、僕がここへ到着した時も数人の登山者しか居ませんでした。

今回の八ヶ岳登山のプランは・・・

【一日目】船山十字路→西岳→編笠山で青年小屋テント泊
【二日目】青年小屋→権現岳→赤岳→阿弥陀岳→船山十字路

っていう感じで南八ヶ岳を円を描くようにぐるりと周遊していきます!

登山を開始したのは午前8時過ぎで船山十字路から旭小屋まで続く荒廃した林道を歩いて行き、途中の広河原まで来たら登山道へ踏み込んでいきます。普段から利用する登山者が少ないのか登山道は荒れ放題で踏み跡はほとんど無いしクモの巣だらけで大変。何度か道を見失しないながらなんとか西岳登山道と合流出来ました。

西岳登山道は綺麗に整備されていて道も明瞭。ここから西岳(2398m)に向かって登っていきます。

広河原~西岳を結ぶ登山道は踏み跡が細くて不明瞭。目印を見落とさないように歩かないといけません。
40分程歩いて西岳の登山道と合流。西岳の登山道は明瞭なので道に迷う心配は無し!

西岳への道~やっかいな森の住人

西岳登山道を少し進んで森が伐採された明るい空間へ出たら、ジリジリとした日差しとモワッとする蒸し暑い空気に包まれて夏山の雰囲気を感じ取れて気分高揚!やっぱ夏山はいいねーって感じで余裕をこいてたら、大きなアブが纏わり付いてきたので『夏だから虫はつきものだよねー』と気にせず前進。

でも・・・なんだかおかしい。進むに連れてアブの数が異様に多くなってくるとだんだん気にせずにはいられなくなってきました。

ついに2~30匹程のアブに囲まれてしまい、立ち止まろうものなら全身をアブに集られて針に刺されたような激痛を受けなければなりません。それが怖くて立ち止まれなくて休憩もままならないからペースが乱れてきます。

それでもとなんとか高度を稼いで標高1800m辺りまで来るとシラビソやコメツガの針葉樹の原生林の中へ入り、ここまで来れば流石にアブたちは居なくなるだろうと思ってたら全然でアブは依然執拗に集ってきます。

もうダメだ!今回はアブのせいで最悪の登山になりそう。ところが標高2200mあたりまで来るとアブの姿がばったりと消えて一匹も居なくなりました。何だったんだあれは!?ちなみにここまでのアブとの戦いで無防備だった首周りを集中的に刺されてしまいました。

気を取り直して西岳山頂直下のキツい道を登り続けると突然森を抜け視界がパァッと開けて西岳山頂へ到着!山頂の展望は良好で、間近にはおにぎりの形をした編笠山や、権現岳、赤岳、阿弥陀岳の険しい連なりを望めました。 ここまで来れば今日の目的地・青年小屋まであと1時間程の道程です。

西岳登山道中盤に差し掛かると深い針葉樹の森の中へ。
鬱蒼としたシラビソ・コメツガの森だから見晴らしは利かず・・・。
西岳山頂は森が開けたビュースポット!南八ヶ岳の山並みはもちろん南アルプスや北アルプスも一望出来ます。
西岳から望んだ険しいギボシ(中央)と権現岳(左奥)。
大きくゆったりした裾野を広げた編笠山。

編笠山のてっぺん

西岳山頂から1時間程の緩やかな尾根を歩いて青年小屋へ辿り着いたのは午後2時。もうすでに多くのテントが張ってあって良い場所はもうありません。

小屋で受付を済ませてテントを張って少し昼寝したあと編笠山まで足を運んでみる事にしました。 小屋からは編笠山までは約30分の登りで頂は手が届く程間近に見えるけど登って見ると傾斜のある直登でまあまあキツイ。

編笠山山頂は岩が累々と積み重なった殺風景な丘で、一人の男性が居る他には誰もいません。 南側を見下ろすと小淵沢や白州の街並みがジオラマのように広がりバックに南アルプスが屏風のようにそびえて絵になりそうな景色だけど、夕暮れの逆光で霞んで見えるからあんまりクリアじゃない。でも振り返って北側を仰ぐと明日目指す権現岳が夕日を浴びてくっきりとそびえ立っていました。

西岳山頂を離れてからおよそ20分。今日の宿・青年小屋が見えてきました。
青年小屋と編笠山。
青年小屋でテントを張って編笠山までお散歩。その登り途中からテントサイトを見下ろして。
編笠山山頂から望んだ権現岳・ギボシ(中央)と、阿弥陀岳(左)。
険しくそそり立つ阿弥陀岳。
日も暮れ始めた権現岳。明日はあの頂きを越えて赤岳・阿弥陀岳と縦走していきます!

権現岳への道

外はまだ暗闇の翌日午前3時。どこかのテントからゴソゴソと物音がし始めるとそれを合図に他のテントからも物音が聞こえ始めて、僕もそれらの音につられて目を覚まします。

外の様子を見ると星空が広がっているけど薄雲がかかってちょっと潤んでる感じ。でも天気は良さそう。

テントを畳んで青年小屋出発したのは午前6時前。今日は難所のキレットや赤岳、阿弥陀岳を踏破しないといけないハードな一日になるから頑張っていきましょう!

青年小屋から早速権現岳の登りに差し掛かると針葉樹の森が広がるも、間もなく視界が開けて権現岳やギボシの頂きの巨大な障壁を眼前に仰ぎ見ます。

ギボシの山肌に刻まれたジグザグの登山道が目に入るとこれからあそこを登るのか・・・と顔をしかめたくなる程の急斜面。でも今日の行程の中ではまだ楽な方だかこの程度の急斜面で怖気付いてはいけません。

直前の小ピークで水を飲んで飴玉を口にして覚悟を決めて一気にギボシの登りに取り付くと、想像通りの急登で息が切れて死にそう。でも我慢して登り切ると行く手の視界が開けて、これから踏破していくキレットの刃の稜線や赤岳、阿弥陀岳の険しい山並みを望むことが出来ました。

権現岳山頂直下に建つ権現小屋を過ぎると権現岳の肩に立って、目と鼻の先に見える岩の塊が2715m権現岳の頂上です。

霞んだ雲海の向こうに富士山が見える!青年小屋より。
編笠山・青年小屋と別れて一路権現岳へ。
遠く連なる槍穂高連峰。
北岳の堂々とした山容。
富士山と甲府盆地のパノラマを背にして権現岳を登っていきます。

立ちはだかるギボシ(左)と権現岳。ここから先の登りは結構キツかった・・・。
権現岳山頂直下に建っている権現小屋。
ギボシ山頂から権現岳を眺めるも朝日の逆光が眩しくてイマイチ。
権現岳山頂まであと少し。
権現岳山頂から望むギボシの頂きはなかなか険しい感じ。
権現岳から望んだ南八ヶ岳の核心部・・・これからあの険しい峰々へ踏み込んでいきます。

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※クリックすると拡大します。

表南八ヶ岳登山地図

※この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を使用しました。(承認番号 平22業使、第609号)

データ

登山に要した時間 / 一日目4時間、二日目9時間 合計13時間

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