愛媛県大三島・鷲ヶ頭山~冬の瀬戸内ミニ縦走

四国の山

愛媛県の大島と伯方島を繋ぐ伯方大島大橋の自転車道入り口まで来ると、海の向こうに大三島の山並みが見えてきました。眩しい太陽に青い空。大小の船が行き交う瀬戸の海。堤防で糸をたれて釣りをする人たち。そんなのんびりした景色を眺めていると、久々に地元に戻ってきた感覚に包まれて嬉しくなってきます。

登山した日-2011.1.06

大三島の最高峰

2011年正月、愛媛に帰省していた僕は大三島にそびえる鷲ヶ頭山(わしがとうさん:標高437m)をめざしていました。鷲ヶ頭山は大三島最高峰だけで無く近隣の島々(大三島、伯方島、大島)の中でもイチバン高い山なのです。

伯方大島大橋、大三島橋を渡って大山祇神社そばの道の駅『しまなみの駅御島』まで来たら赤茶けた岩が目の前に見えてきます。近年何度も大きな山火事に遭ってハゲ山のような様相でそびえているその山々の一角に目指す鷲ヶ頭山がそびえ立っていました。

さて登山口はこの辺りのはず。一体どこにあるんだろう・・・と大山祇神社の周辺を廻るも見つからないので道の駅に戻って中にあった観光案内の窓口の人に訊くと、

『今から登るんですか~?登山口は安神山(あんじんさん)わくわくパークに行けばありますから。地図があるから差し上げますよ。』

と、一万分の一地図のコピーをくれました。お礼を言って大山祇神社の裏手に廻り、急な坂道を上がると小さな公園の安神山わくわくパークが見えてきたものの、真冬だから誰も利用客は居ません。公園内に続く小道を歩き続けると登山口の看板が見えてきました。

鷲ヶ頭山・安神山1 大山祇神社傍の道の駅から見上げる鷲ヶ頭山(一番左のピーク)。一番右のピークは安神山。

鷲ヶ頭山・安神山2 安神山わくわくパークを過ぎた先の登山道口。

再生する森

今回の登山プランはここ安神山わくわくパークから安神山を経由して鷲ヶ頭山までを往復します。

登り口はウバメガシやアカマツ、ヤマモモの木々に覆われた少し藪めいた森の中。この日は冬型の気圧配置で風が強く木々が大きく揺れていたせいもあってか、薄暗い森の中にも木漏れ日がよく入ってちょっと心地イイ感じ。少し登ると景色が開けた展望台に立って赤茶けた安神山の山肌が目の前に立ちはだかりました。

展望台から先は荒涼とした世界で木々は無く、あったとしても立ち枯れていたり、山火事で炭化しているものばかり。露出した岩はどれも火に燻されて赤茶けた色になっているのを見ると、当時起きた山火事の凄さを肌で感じます。ここ十数年で二度も起きた大きな山火事は大三島の山の景色を一変させていました。

そんな焼きつくされた山の中に、青々とした木々が整然と並んで生えている場所があちこちにありました。山火事から難を逃れた森?そうではなく森の再生を願って地元住民や自治体などが植林した木々で、少しずつだけど緑が蘇ってきているようです。

展望台を過ぎてからは急斜面上のジグザグの道がしばらく続きます。

鷲ヶ頭山・安神山3 わくわくパークから登り始めて間もなく展望台に到着。見晴らしが良くて眼下には大三島の街並みが広がって最高。

鷲ヶ頭山・安神山4 展望台を過ぎると辺りは山火事跡の景色が広がるばかり。

鷲ヶ頭山・安神山5 山火事で炭化した樹木。

鷲ヶ頭山・安神山6 植林されすこしずつだけど森が再生しています。

極上の稜線歩き

安神山の北尾根上まで来ると目の前の景色が開けて鷲ヶ頭山の険しい主稜線が目に飛び込んできます。標高以上に険しく見えるのは、山火事で森が消え岩がむき出しでまるで森林限界のように見えるからかもしれません。

北尾根の急斜面を駆け上がると小さな祠がポツリと建つ安神山山頂(標高267m)に立ちました。眼下にジオラマのように広がる大三島宮浦の街並みを見て爽快感に浸ったり、どこまでも広がる瀬戸の多島美を楽しんだりと、眺望の優れた居心地最高の場所でした。

安神山から先は少し痩せた尾根歩きで、小さな登り降りが連続する尾根の至る所にオブジェのような花崗岩が鎮座していました。その奇妙な姿形の岩を見てるとなんとなく昔登った奥秩父の瑞牆山や金峰山の雰囲気を思い出して、奥秩父の山を歩いているような感覚・・・。不思議な所だなぁ。

幾つかの少ピークを越えると、目指す鷲ヶ頭山はもう間近。いよいよ最後の登りに差し掛かります。

鷲ヶ頭山・安神山6 安神山北尾根から眺める主稜線。登山道はあの尾根に沿って鷲ヶ頭山まで続いています。

鷲ヶ頭山・安神山7 安神山山頂から望む鷲ヶ頭山。

鷲ヶ頭山・安神山8 正面に見える頂きの右奥に鷲ヶ頭山が見えてきました。

鷲ヶ頭山・安神山9 尾根道のあちこちに鎮座していた花崗岩の巨大なオブジェ。

鷲ヶ頭山・安神山10 後ろを振り返ると踏破してきた安神山は左下遥か遠くに。

瀬戸内の山のてっぺんで

やがて車道に出ました。鷲ヶ頭山は麓から頂まで道路が走っていて車で登ることが出来るけど、車で行くにはあまりに勿体無い山。安神山で見た絶景や、尾根歩きの爽快さは車では絶対に味わえません。

車道を2回横断して最後の勾配に取りかかると結構キツくて息が上がります。やがて勾配が無くなりヤブの向こうに大きな電波塔の建物が現れ、山頂はその電波塔から少し離れた森の中にありました。ベンチもあってくつろげるよう整備されてはいるものの、周りは木々に囲まれているから展望は無く長居するにはちょっと物足りない感じ。

だから、眺望の良い電波塔下の斜面まで戻ってそこで腰を下ろしました。

足元には安神山や歩いて来た尾根や大三島の街並みが広がり、遠く南に目を凝らせば来島海峡大橋や四国本土の今治市の街並みを拝めました。

さらにグッと目を凝らして石鎚連峰方面を凝視したけど雪雲に隠れていて見えなかったものの、北側へ目を向けると広島県の野呂山がお椀を伏せたような姿で長い裾野を伸ばしていました。

じっとしてると寒さが身体にこたえるな・・・そろそろ下山しよう。今度来るときは春や初夏に登ってみたいな。

鷲ヶ頭山・安神山11 眼前に迫る鷲ヶ頭山。

鷲ヶ頭山・安神山16 鷲ヶ頭山最後の登り。あともう一息だ。

鷲ヶ頭山・安神山12 鷲ヶ頭山の山頂は木々に囲まれていて展望は利かず残念。木々を掻き分けた先にちょっとした展望地はあるけどあまり開けてはいません。

鷲ヶ頭山・安神山13 瀬戸内の島々がどこまでも広がる光景。

鷲ヶ頭山・安神山14 来島海峡大橋と今治市の街並み。

鷲ヶ頭山登山地図

登山に要した時間 / 登り1.5時間 下り1時間 合計2.5時間

安神山わくわくパーク内に駐車場あり、トイレあり。

鷲ヶ頭山写真ギャラリー

※クリックすると拡大します。

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました