奥多摩・初夏の雲取山~頂は果てしなく遠かった【後編】

奥多摩・丹沢

幾つものピークを乗り越え、長い尾根道を歩いた果てにたどり着いた雲取山には最高の展望が用意されていました!雲取山登山日記後編です。

登山した日-2015.5.14

白岩山を越えて雲取山荘へ

白岩小屋を後にして、白岩山(1921m)へ登り始めると再び深い密林に覆われます。展望の利かない悶々とした登りを続けると、傾斜が緩くなってなだらかな頂上部に立つ標識と木のベンチが見えてきました。白岩山山頂へ到着です。周りは木々に包まれて景色は堪能出来無いけれど、木々の向こうに『雲取山』のシルエットが見えました。

初めて捉えた雲取山・・・!濃い緑に包まれた山肌となだらかな山容。険しさは全く感じないけれど、高くそびえる姿は雄大で立派です。

白岩山を下り、芋の木ドッケ(1946m)山頂をトラバースする登山道を進むと、酉谷山と雲取山を繋ぐ主脈(長沢背稜)を走る登山道と合流しました。

そして緩やかに下って芋の木ドッケ~雲取山間の鞍部・大ダワにたどり着けば、いよいよ雲取山最後の登りにかかります。

雲取山5月21 白岩山山頂は森に包まれて展望はゼロ。

雲取山5月22 白岩山山頂のオオシラビソ。

雲取山5月23 雲取山~酉谷山間の主脈(長沢背稜)上を走る登山道と合流。

雲取山5月24 合流点から大ダワへ。木々の向こうには雲取山が大きく迫ってきます。

雲取山5月25 よく踏まれた登山道。普段から登山者が多いんでしょうね。

雲取山5月26 雲取山~芋の木ドッケ間の鞍部、大ダワへ到着。

蒼天の雲取山

大ダワから20分程登ると、赤い屋根の大きい山小屋『雲取山荘』へ到着。小屋前の広場には人影は無く静かです。広場脇の水場からはこんこんと冷たい水が流れ出ていて美味しそう、思わずがぶ飲み。

飲んだ後は、ササの葉っぱと腐葉土臭い後味がごくわずかに残る水だけど、冷たくて美味しい水。ここでしっかり休んで雲取山の登山道へ入ります。

雲取山荘から雲取山までは30分程の登り。だけどここまでの疲労の蓄積で僕の体力が限界に近いのか、疲労で何度も足が止まりました。雲取山直下の登りは結構傾斜がきつくてツライ場所。足が止まっては息を整えて、また足が止まる。

これを繰り返していくと、次第に薄暗い森の中から眩しい光の空間が見えてきます。近づくに連れて光は大きくなり、ついに森を抜けると光降り注ぐだだっ広い空間に出くわしました。

午前10:30過ぎ。標高2017m、雲取山山頂到着の瞬間です!

な・・・長かったぁ!あまりに疲れてたのでしばらく放心状態で、息が落ち着いてから山頂からの展望をゆっくり堪能しました。

真っ青な青空の下、展開する360度の大展望!!真っ先に目に飛び込む富士山、その次には雪を抱く南アルプスの連なり、間近には重厚な飛龍山や大菩薩連嶺、そして幾重にも連なる奥秩父・奥多摩の山々・・・。

登りの辛さが一瞬にして吹き飛ぶ極上の一時、至福の一時にしばし浸ります。

雲取山5月27 大ダワから20分程登って雲取山荘へ到着。大きくてきれいで居心地良さそう山小屋です。

雲取山5月28 雲取山荘を後にして雲取山最後の登りへ。深い針葉樹の森の中をひたすら登ります。

雲取山5月29 森を抜けると眼前に明るい広場が・・・雲取山山頂へ到着です。

雲取山5月30 標高2017mのてっぺんだ!

雲取山5月31 山頂は素晴らしい展望で、今までの登りの辛さが一気に吹き飛びました。

雲取山でのひととき、そして帰路へ

誰も居なかった山頂も少しすると小雲取山方面から登山者がやってきました。70歳位の年配の男性で、話をすると鴨沢から3時間程でここまで登ってきたそうです。うわぁーすごい健脚だなぁ。僕なんて完全にヘロヘロなのに。

山談義をしたあとこの元気な男性と別れて、僕は小雲取山方面へ向かいます。カラマツやダケカンバの疎林とササ原が広がる爽快な尾根道。今日のコースで一番『キモチイイ』と感じた登山道をひた下ると、雲取山の巻き道がある分岐点へ。ここから巻き道へ入り、森の中をトラバースして再び雲取山荘へ戻りました。

山荘前のベンチに座って水を飲み、菓子パンをかじってる間、僕は少し意気消沈気味です。

というのも、完全に疲れ果てていたからです。

再び来た道を歩いて戻らなければいけないのですが、また白岩山や前白岩、霧藻ヶ峰といった峰々を登り返さなければならないと思うと、とても気が重くなります。

時刻は午前11:30を過ぎようとしています。ここでオロオロしてたら日が暮れてしまいます。ダルい身体に鞭打って覚悟を決めて下山にとりかかります!

大ダワまでの下りは大したことはないものの、大ダワから芋の木ドッケの緩やかな登り返しで早速バテてしまいます。なんとか分岐点まで辿り着き、芋の木ドッケのトラバース道を登って白岩山山頂まで戻りました。

雲取山5月32 そびえたつ富士山!やっぱり富士山はいつみてもいいね。

雲取山5月33 西を向けば重厚な山容の飛龍山(2077m)。そのバックには南アルプスの白き峰々。

雲取山5月34 雲取山山頂を後にして小雲取山方面へ。山頂直下に建つ雲取山避難小屋を通りすぎて山道を下ります。

雲取山5月35 雲取山~小雲取山間の尾根道は爽快な縦走路で歩いていて楽しい道です!

雲取山5月36 振り返れば雲取山避難小屋は遠くに。

雲取山5月37 尾根道からは相変わらず富士山の絶景が。

雲取山5月38 雲取山巻き道がある分岐点へ。ここから左へ逸れて巻き道を歩いて雲取山荘へ戻ります。

雲取山5月39 巻き道ではコメツガ・シラビソの見事な原生林やササ原が広がる豊かな自然を堪能できます。

雲取山5月40 雲取山荘へ到着。向こうの山は中央に芋の木ドッケ、やや左のピークが白岩山。

雲取山5月41 雲取山荘の水場は飲むと若返るそうです。がぶ飲みしたから10歳くらいは若返って欲しいな。

地獄の下山路

白岩山を下って白岩小屋まで来ると、三峰登山口から登ってくる登山者とポツリポツリすれ違うようになりました。中高年の団体さん、ご夫婦連れ、単独の男性や女性など様々。

白岩小屋を過ぎ、前白岩山を越えて前白岩の肩へ立ったのは午後2:00過ぎでした。木々の隙間からゴールの三峰登山口が見えるけれど、まだ遠く先・・・。

前白岩の肩を後にすると急勾配の下り道。この場所は登り時で最初に苦労した因縁の場所です。下りだというのに息が切れてヘトヘトになりながらお清平にたどり着くと、疲労で頭がクラクラするのでへたり込みます。

そんな動きの止まった僕に一斉にまとわりつく大量のブヨ達。ブヨから逃れたい。でもしんどくて身体が動かない・・・。

最後のピーク、霧藻ヶ峰はもうすぐそこ。ここを越えればあとは緩やかな道を下るだけなんだ。残り僅かになった水と菓子パンをかじって、フラフラと立ち上がってザックを背負います。

お清平から霧藻ヶ峰の登り返しは大した勾配じゃないのに、足におもりがついたように動きません。執拗にまとわりつくブヨを払いのけながら必死になって歯を食いしばりながら足をひきずるように前進していきました。

霧藻ヶ峰を越えたあとは下り道を惰性で歩き続けます。辺りに広がるブナやナラの森がだんだんスギ・ヒノキの人工林に変わると、ブヨの執拗な攻撃も落ち着きます。登山口にある鳥居をくぐり、石畳の歩道を歩いてビジターセンターまで降りると、辺りはなんだか人で賑わっています。

その人の群れは三峯神社を訪れてた観光客たちでした。みんな登山とは無縁の姿で、デカイザックを背負った山装備の僕だけが一人だけ浮いてる感じです・・・。

時刻は夕方4時をとっくにまわっていました。なんとか明るいうちに下山できてほっと胸をなでおろしながら、駐車場脇の自販機で買ったジュースを飲みながら周りの景色を眺めます。朝見た時の青空の景色はそこに無く、薄曇りにもやがかかり、遠くに見えていた和名倉山は傾きかけた黄色い陽射しの中に、ぼんやりと浮かんでるだけでした。

雲取山5月42 雲取山荘から大ダワまで戻ってきたけど、三峰登山口までまだ9.5kmもあるのか・・・絶句。

雲取山5月44 オオカメノキの白い花。

雲取山5月45 芋の木ドッケのトラバース道。

雲取山5月46 深い密林を歩き続けて白岩山、前白岩山のピークを越え続けて。

雲取山5月47 前白岩山の肩から望む三峰登山口。ここで完全にバテてこの先の写真は撮ってありません。

雲取山登山地図

【コースタイム】
(登り)5:40三峰登山口→7:00霧藻ヶ峰→9:00白岩山→9:40大ダワ→10:35雲取山
(下り)10:50雲取山→11:30雲取山荘→13:10白岩山→15:20霧藻ヶ峰→16:30三峰登山口

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