奥秩父・真夏の木賊山&甲武信ヶ岳&雁坂嶺縦走記(1)

奥秩父

登山した日-2015.7.14-15

奥秩父の主峰、木賊山(とくさやま)・甲武信ヶ岳・雁坂嶺を山梨県側の戸渡尾根から目指します。奥秩父の険しさと厳しさ、美しい自然を身体で思い切り感じた縦走記です!

奥秩父の核心・甲武信ヶ岳へ

奥秩父の山々はあちこち登って来たけれど、甲武信ヶ岳界隈だけは登山の対象からいつも外してばかりでした。密林に覆われて展望が無さそうだし、甲武信ヶ岳の広大な針葉樹の森から来る薄暗い・陰鬱なイメージばかりが先行してどうしても登りたい気が起きないのです。

でも甲武信ヶ岳は金峰山と並んで奥秩父を代表する登山者に人気の山。甲武信ヶ岳の雰囲気をそろそろ味わってみてもいいのでは。と思い立ち、登って見ることにしました。

7月14日。熊谷市から国道140号線を山梨へ向けてバイクでひた走り、秩父市街を抜けて山道に差し掛かると辺りは緑濃い山々に包まれます。

早朝だというのに強烈な陽射しと生暖かい風。見上げる空は異常に青く澄み渡っていて今日は猛暑になりそうな予感。そういえば今日の熊谷の予想最高気温は38℃だっけ。

今回の登山は暑さにやられそうだなぁ。一応いつもよりも多めに水を用意したり、『塩飴』『クエン酸』を買ったりと熱中症対策をしたけど道中どうなるやら。

埼玉・山梨県境を貫く雁坂トンネルを抜けて、ループ状に続く坂道を下り切った先の脇道を入ると西沢渓谷の駐車場があります。ハイカーや観光客らしき人たちがちらほらしているものの閑散としていました。

さて今回のプランは

【1日目】西沢渓谷駐車場→戸渡尾根(徳ちゃん新道)→木賊山→甲武信ヶ岳→甲武信小屋でテント
【2日目】甲武信小屋→西破風山→雁坂嶺→雁坂峠→ナメラ沢入口→道の駅みとみ→西沢渓谷駐車場

と、1泊2日のテント泊で挑みます!

甲武信ヶ岳木賊山夏1 熊谷市から国道140号線をひた走って埼玉と山梨の県境までやってきました。辺りは深緑眩しいの奥秩父の山々が広がっています。

甲武信ヶ岳木賊山夏2 埼玉と山梨県境を貫く雁坂トンネルはちょうど無料通行期間でした。このトンネルを抜ければ登山口のある西沢渓谷はもうすぐ。

甲武信ヶ岳木賊山夏3 雁坂トンネルを抜けた先の『道の駅みとみ』から望んだ木賊山(とくさやま:2469m)は堂々とした山容でそびえています。甲武信ヶ岳は木賊山に隠れてここからは見えず。

甲武信ヶ岳木賊山夏4 西沢渓谷駐車場へ到着。

甲武信ヶ岳木賊山夏5 駐車場からゲートを越えて徳ちゃん新道の登山道入り口へ向かいます。

甲武信ヶ岳木賊山夏6 ゲートから歩くこと20分程で徳ちゃん新道の登山道入り口へ到着。ここから戸渡尾根を登っていきます。

徳ちゃん新道を行く

戸渡尾根には序盤に沢沿いを歩く『近丸新道』と最初から尾根を歩く『徳ちゃん新道』の2つのコースがあってどちらもコースタイムは同じ。尾根の途中で2つのコースは合流します。

最初から尾根を歩いた方が楽そうだからと、今回は徳ちゃん新道をチョイス。

駐車場からゲートを渡り舗装された平坦な道路を沢筋に沿って歩いていきます。沢音を聞きながら20分程進むと徳ちゃん新道の入り口に到着で、ここから登山がスタートです。

登り序盤は整然と植えられたカラマツの樹林帯で緩やかな登り。それが斜面をジグザグに走るようになって登り切ると戸渡尾根上へ到達しました。

尾根上に達してからは普通の登り勾配で、カラマツや広葉樹から降り注ぐ適度な木漏れ日の中を行く明るい尾根歩きで気持ち良い登山が出来るもんだから、

『今回の登山、結構楽勝でいけるかも!』

と、心に余裕が出てきます。1泊2日のテント装備に多めの水を詰めこんだザックはズッシリと重いのはずなのに今のところ背負って登っていても苦痛や疲労を感じないのです。

甲武信ヶ岳木賊山夏7 徳ちゃん新道登り始めはカラマツ人工林の中の緩やかな登り。

甲武信ヶ岳木賊山夏8 登るに連れて勾配が増して来るけどごく平凡な登り道。

甲武信ヶ岳木賊山夏9 ナツツバキの花殻が登山道に散乱。

甲武信ヶ岳木賊山夏17 カラマツの森。

灼熱の徳ちゃん新道

登り始めて1時間経過。水の消費量が増えてきます。

『暑い。暑すぎる。』全身から汗が滝のように流れ落ちて衣服はすっかりびしょびしょ。

風はあるものの、生ぬるいから涼しくありません。でももし風が無かったら熱中症を起こしてでヤバかったかもしれません。

さらに登り続けると陽射しが減って雲が湧き出してきました。戸渡尾根のすぐそば平行して走る鶏冠尾根(とさかおね)の刃の稜線はガスってしまい見えなくなります。

まあ台風が近づいているし、生暖かい南風が吹き続けているから雲が出ることは覚悟してたけれどこのままさらに天気が悪くなるのかがちょっと心配です。(一応今日の天気は晴れ時々曇り)

そんな折、一人の男性が前方からやってきました。すれ違いざまに甲武信ヶ岳の状況を訊くと『雨具を忘れて途中で引き返してきたから上の方はわからない』との事。残念がる僕に男性は『このあとまた晴れるよ』とフォローしてくれる優しさにちょっと感涙。

さて、徳ちゃん新道の上部まで来るとカラマツの森は消えてシャクナゲがはびこる薄暗い森になると同時に急斜面の登りが連続するようになりました。ここに来て暑さと、ザックの重みが身体に堪えて足取りが鈍ってきました。

甲武信ヶ岳木賊山夏15 途中で僅かに森が開けて富士山を望むも雲に隠れて見えません。

甲武信ヶ岳木賊山夏16 徳ちゃん新道上部まで来ると辺りの森は鬱蒼とした雰囲気に・・・、と同時にキツい登りの連続で足取りが鈍ります。

甲武信ヶ岳木賊山夏11 徳ちゃん新道を登り始めて2時間半、近丸新道との合流点に到着。ここで戸渡尾根の約半分を登りました。

戸渡尾根、果てしなく続く急登と眺望の無い世界

11時20分に徳ちゃん新道と近丸新道の合流地点(標高1869m)に到着。朝8時40分に駐車場を出てからここまで約2時間半かかった計算になります。

楽勝かと思っていた徳ちゃん新道はキツかった・・・。

とりあえずここまで戸渡尾根を半分歩いたことになるけれど、まだ残り半分もあるのかぁと思うと気分が滅入ります。ただでさえ単調な登りばかりなのに展望がほとんど開けないからです。

合流地点を過ぎてからも容赦の無い登りがひたすら続きます。薄暗い森はさらに密度を増し登山道の両脇にシャクナゲや針葉樹がはびこって圧迫されそうな勢いです。

また疲れたので小さな広場で休んでいると一人の男性が下ってきました。山頂の状況を訊くとガスで全く景色がみえないとの事。

『朝方は晴れて富士山も見えたんだけどね・・・。』と、男性。

今回の登山は天気に恵まれないのかな・・・さらにテンションダウンです。

キツイ登り道ながらも勾配の強弱を繰り返していた登山道はガレ場に差し掛かると強烈な勾配となって僕に襲いかかってきました。数歩歩いただけで息が切れて何度も立ち止まります。

再び前方から登山者が下ってきました。木賊山まであとどれくらいなのか尋ねると『まだまだキツイ登りが続くよ』との絶望的なお返事。そして愕然・・・。

早くこの樹林帯地獄から開放されたい!キツイ登り道から開放されたい!この鬱憤を展望の開けたところで思い切り晴らしたい!

そんな僕の願いを戸渡尾根は全く聞き入れてはくれませんでした。

甲武信ヶ岳木賊山夏12 果てしなく続く暗い針葉樹の密林の中を前進。

甲武信ヶ岳木賊山夏19 薄暗い森ばかりでそろそろ展望が恋しくなってきました。

甲武信ヶ岳木賊山夏13 進めど見えるのは針葉樹の森ばかり。

甲武信ヶ岳木賊山夏14 針葉樹の森の主役はコメツガの木。他にもトウヒやシラビソの針葉樹が混じって鬱蒼とした森を形成。

甲武信ヶ岳木賊山夏18 展望のない森の中の直登。何時までたってもキツイ辛い登山が続くことに精神的に参りそう。

甲武信ヶ岳木賊山夏10 薄暗い森の中に咲くハクサンシャクナゲのきれいな花だけが唯一の心の癒やし。

甲武信ヶ岳・木賊山・雁坂嶺登山地図

【コースタイム】

(1日目)8:40西沢渓谷駐車場→9:00徳ちゃん新道入口→11:20近丸新道合流点→14:30木賊山→14:50甲武信小屋

(2日目)4:50甲武信小屋→6:10破風山避難小屋→7:10西破風山→9:00雁坂嶺→9:40雁坂峠→12:10ナメラ沢入口→13:30西沢渓谷駐車場

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