奥秩父・真夏の木賊山&甲武信ヶ岳&雁坂嶺縦走記(3)

奥秩父

登山した日-2015.7.14-15

西破風山、東破風山、雁坂嶺の稜線で感じた豊かな自然と、次々と展開する素晴らしい夏の景色に歓喜し続けた縦走記最終章です。

ガスに包まれる賽の河原

甲武信小屋から木賊山の平坦な巻き道を10分程歩き木賊山~西破風山間の主稜線に辿り着いてから、少し下ると白い砂地の荒涼とした斜面に出ました。

ここは『賽の河原』と呼ばれる展望が開けた所です。

行く手には鞍部を挟んだ先に目指す西破風山(2317m)が大きな山体を見せてそびえ立っているものの、笠雲のような雲に覆われて山頂部は見えません。雲が取れないかとしばらく待ってみても天気が良くなる気配は無くて、逆に賽の河原全体もガスに包まれて何も見えなくなってしまいました。

ガスがまつげや髪の毛にまとわりつくと、先端に雫が貯まるほど湿気を帯びていてなんだか雨が振りそうな感じです。台風の影響がいち早く山に出てしまってこのまま晴れないのかなぁ・・・とちょっと残念で気分が落ち込みます。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏46 針葉樹の森が広がる薄暗い木賊山の巻き道。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏47 木々の隙間から甲武信ヶ岳の三角の山が見えるけど、写真右側に見えるはずの三宝山はガスに包まれて見えず。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏48 巻き道を10分程歩いて木賊山~西破風山の主稜線と合流。ここから西に延びる尾根道を雁坂峠まで歩いていきます。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏49 賽の河原は開けた場所で、目指す西破風山を望めるけれど山頂部は雲に覆われてよく見えず。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏50 やがて賽の河原もガスに包まれて展望自体拝めなくなってしまいました。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏51 ガスに煙るダケカンバ。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏52 倒木が目立つ荒れ果てた森の中を前進。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏53 ひどい倒木・・・台風でやられたのかな?

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏54 立ち枯れた荒涼した森にガスがかかると幻想的な光景になるけどちょっと薄気味悪いかも。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏55 木賊山~西破風山の中間鞍部に建つ破風山避難小屋(旧笹平避難小屋)。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏56 破風山避難小屋の中はキレイです。

西破風山へのみちのり

賽の河原から続く急な下り道が緩くなると、辺りはササと立ち枯れた木々が目立つ倒殺風景な景色が広がるようになりました。白骨化した木々がガスに煙るとなんだか幻想的な森の中に迷い込んだ錯覚に陥るんだけど、周りは誰も居ないしガスで薄暗いからなんだか不気味に感じたりもします。

足元に広がるササ原は朝露をたっぷりつけて生い茂っています。スパッツを持って来なかったから足の裾から下はすっかりびしょ濡れです。

木賊山と西破風山の中間鞍部に建つ『破風山避難小屋』を過ぎると、西破風山の登り返しになって、加速度的に勾配が増してきました。

ちょうどその時です。辺りに広がっていた濃密なガスはあっと言う間に消え去って真っ青な空が広がると同時に、木賊山や甲武信ヶ岳やさらに富士山までもが姿を見せたのです。思わずテンションがあがり感極まりました。

もう今日は一日ガスでダメかと思っていたから余計に嬉しくて『山の神様本当にありがとう!』と言いたくなります。

でもいつまでも嬉しさに浸ってはいられません。西破風山は登るにしたがってキツさを増して息が切れて何度も立ち止まります。やがて森が開けると、背の低いコメツガやシャクナゲの灌木が広がるちょっとした森林限界のような世界が広がって、一層展望を堪能する事が出来ました。

急斜面の登りを越えると、再び森の中に入って程なくして西破風山の山頂を踏みました。山頂だけど木々に包まれて展望は見えません。でもさっきの登りで充分展望を満喫したから無問題です。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏57 破風山避難小屋を過ぎると破風山の登り返しに差し掛かります。辺りは再び深い森へと変化。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏59 西破風山の登り途中で突然ガスが晴れて澄み渡った青空が広がると同時に展望が開けます。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏60 振り返れば木賊山(左)、甲武信ヶ岳(真ん中あたり)、三宝山(右)が大きな山体を見せてそびえていました。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏61 展望で一番目を奪われたのが富士山。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏62 西破風山の上部は森林限界の様相でちょっぴりアルペン的な雰囲気。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏63 西破風山山頂は木々に包まれて展望は無し。でもさっきの森林限界付近で充分展望を堪能したから見えなくたって問題なし。

破風山の稜線漫歩

西破風山を後にして次に雁坂嶺(2289m)を目指します。

再び森を抜けるとゴツゴツした岩が積み重なる痩せ尾根になって展望が開けます。ここからの登山は実に最高な気分で、朝の清冽な大気の向こうに富士山をはじめとして緑濃い奥秩父の山々や遠く残雪を抱く南アルプスを180度拝みながらの稜線歩きが連続するからです。

焼けつくような暑い日差しの中を少し藪っぽい所をかき分けながら進むとハエが一斉に飛び立って僕のカダラ中にまとわりついたり、蜘蛛の巣が顔にまとわりついたりと山の洗礼を何度も受ける事もあったけど、展望の開けた楽しい山歩き気分に相殺されて別に苦痛を感じないのです。

小さなアップダウンを繰り返して東破風山のピークを踏み越えると急斜面の下り道になって、木々の隙間から雁坂嶺の大きくゆったりとした山容が見えてきました。

歩くに連れて雁坂嶺は幾分山容を変化させながら視界に大きく迫ってきて、最後の登りに差し掛かると山頂はただの平凡な丘としてすぐそばまで近づきます。

キツかった破風山の登りとは対照的に、緩やかで単調だった雁坂嶺山頂を踏んだのは午前9:40。山頂は誰もいませんでした。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏64 西破風山山頂に広がる深い森。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏65 西破風山~東破風山間は見晴らし爽快な稜線漫歩で登山最高!って気分になること間違いなし。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏66 富士山をズーム。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏67 東破風山の山頂は西破風山同様木々に包まれています。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏68 東破風山を下るとなだらかな山容をした雁坂嶺が見えてきました。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏69 近づいて来た雁坂嶺。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏70 雁坂嶺山頂も木々に包まれていて展望はイマイチ。

雁坂峠そして下山へ

雁坂嶺を後にして雁坂峠を目指します。

細く貧弱な針葉樹とダケカンバの密集した森の中を20分程下り続けると眼下に緑の草原と古礼山(これいさん:2112m)が見えてきました。

降り立った雁坂峠は雁坂嶺同様誰もいません。この美しい草原を独り占め出来る!ここでゆっくりしてると、古礼山方面から一人の男性がやってきました。話をすると、昨日奥多摩駅から登ってやってきたそうで、金峰山まで縦走するとのこと。すごいバイタリティだ人なぁ・・・って感心しながらしばし山談義。

男性は今日は甲武信小屋にテント張るみたいだけど、明日は台風の影響がもろに出るし大丈夫かな・・・。

男性と別れて雁坂峠から終点の『道の駅みとみ』まで一気に下ります。広がっていた草原は高度を下げるに連れて木々が目立ち始めついには樹林帯となります。

ジグザグの連続する下り道だけど、勾配は普通だし辺りは広葉樹と針葉樹の入り混じったササの広がる美しい森。歩いていて快適だし居心地がいいね。

昨日歩いた戸渡尾根の陰鬱でキツイ山歩きを思い出すと、ここは天国です。とはいうものの雁坂峠から終点まで約5時間の長いコースタイム。だんだん足に負担がかかって痛みが走るようになると余裕が無くなってきました。

登山道は沢沿いまで降りてしばらく沢と並行して続き、一度沢を渡ると対岸を高巻いて再び沢沿いを平行して続きます。辺りは美しい広葉樹の森の中の平坦な道が続くも、その先にアスファルトの道が見えてきました。

残りコースタイム1時間はアスファルトとコンクリートの道を歩きます。登山フル装備で歩くと地面の硬さがもろに足に響いて痛いし照り返しはキツイし日陰は無いしもう最悪!

平坦な道なのに何度も大休止しながら歩き続け、雁坂トンネル料金所を過ぎて国道140号線に出たのは13:00前。猛烈な暑さにへろへろになりながら国道沿いを西沢渓谷の駐車場へ戻ります。その道すがらに見た木賊山の頂は、昨日今日あの頂のてっぺんに居たなんて実感がわかないくらい彼方にそびえ立っていました。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏71 雁坂嶺を後にして森のなかを雁坂峠へと下ります。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏72 雁坂嶺を30分程下ると雁坂峠の草原が広がり古礼山(2112m)が見えてきました。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏73 爽やかな草原が広がる雁坂峠。居心地最高ですねここは!

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏74 雁坂峠から富士山方面を望むも富士山は雲に隠れて見えなくなっていました。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏75 雁坂峠から望んだ国師岳はボリューム感いっぱい。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏76 雁坂峠を下るとだんだん樹林帯へ。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏77 登山道はやがて沢沿いの道へと変化。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏78 広葉樹の森の中を行く。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏79 雁坂トンネル料金所と雁坂嶺。

甲武信ヶ岳雁坂嶺夏80 道の駅みとみまで降り立ちました。そこから見上げた木賊山は相変わらず雄大な山容でそびえ立っていました。

甲武信ヶ岳・木賊山・雁坂嶺登山地図

【コースタイム】

(1日目)8:40西沢渓谷駐車場→9:00徳ちゃん新道入口→11:20近丸新道合流点→14:30木賊山→14:50甲武信小屋

(2日目)4:50甲武信小屋→6:10破風山避難小屋→7:10西破風山→9:00雁坂嶺→9:40雁坂峠→12:10ナメラ沢入口→13:30西沢渓谷駐車場

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