黒姫山~秋の頸城山塊。霧と紅葉と青空に包まれた森歩き【前編】

頸城山塊

長野県北部にそびえる頸城山塊・黒姫山(2053m)。秋の景色を探しに新道~西登山道を思う存分歩いた山旅日記です。

※この記事は全2ページあります。

登山した日-2015.10.5

曇天の黒姫山

『ああ、天気が良くないなぁ・・・。』

黒姫山を登ろうと長野県までやってきたのに、空は生憎一面の曇天。黒姫山山頂部は厚い雲に覆われ山裾がかろうじて見えているだけ。雲は動く気配が無く、へばりついて容易に離れなさそうな感じです。

実は今回で5回目の黒姫山登山。過去を思い出して見ると一回目、二回目は共にガスで展望は拝めず、三回目は晴れて最高の登山。四回目は荒天で途中撤退と天気に見放されることが多かった記憶ばかり。今回も出だしは良く無くてテンションはイマイチ上がりません。

黒姫山の麓・長野県信濃町を走る国道18号線から県道36号線へ入って戸隠高原方面へ進んでいくと、市街地から山道になってシラカバやカラマツが広がる高原チックな景色の中を走っていきます。戸隠牧場がもう間近という辺りで登山口である『西登山道口』へ到着。駐車場は車一台も無く僕が今日一番乗りのようです。

バイクを停めて登山準備してると、どこかの旅館の送迎バスが一台やってきて全身カラフルな登山ウェアを決め込んだ中高年男女の登山者が車からぞろぞろと降りてきました。みなさん普段からバリバリ登山やってる感じでみなぎる活力を感じます。ガイドさんを伴っていてそのガイドさんと話をすると今日は黒姫山を登って黒姫山東側の黒姫高原へ降りるそうです。

準備にまごついている僕と対照的に、中高年登山グループの方々は颯爽と出発して行きました。

秋の黒姫山1 県道36号線から望んだ黒姫山は生憎の曇天で、全容を見ることができません。

秋の黒姫山2 黒姫山南側にある西登山口の駐車場へ到着しました。駐車スペースは車数台分と少し狭い感じ。

古池を越えると始まる本格的な登山

出発の準備が整って駐車場を後にすると、カラマツとミズナラの森の中を歩いていきます。下草はササが生い茂ってヤブっぽいけど登山道は整備されて歩きやすく、何よりも勾配が平坦に近い感じだから身体の負担が軽くてスタスタ歩けます。序盤の身体の慣らし運動にはもってこい!森の中の清冽な空気、いつも山で嗅ぐジメッとした空気。この匂いを感じると『山へやってきたぞ。』ってハイな気分になって楽しくなってきます。

15分ほど歩き続けると前方が明るくなってきました。そしてぱっと視界が開けると大きな池が目の前に広がりました。『古池』です。ここからは富士山型をした黒姫山の山容を間近に望むことが出来るビュースポット。条件が良ければ湖面に映る”逆さ黒姫山”を拝めたりも出来るけどやっぱり雲に包まれて黒姫山は見えません。古池の周りを覆う森は点々と紅葉して、霧の中にぼんやり染まっている光景はなかなか味があってちょっと幻想的。

古池の畔を時計回りに半分程歩くと登山道があってここから本格的な登りが始まります。

最初は斜面をトラバース気味に歩きます。足元から落ちる斜面の先には、木々の切れ間に古池の湿原を垣間見ることができるものの、まもなく見えなくなると一服する間も無い急な登りが連続。そして辺りを鬱蒼とした森が広がるようになりました。見晴らしの無い暗い森の中を進んでいくとブナの巨木が交じるようになり、森は鬱蒼さを増してきます。

秋の黒姫山3 駐車場から登り始めは、カラマツの人工林とササが生い茂る森の中の平坦な歩き。

秋の黒姫山4 古池へ到着。晴れていれば真正面に黒姫山の富士山型をした山容を望めるのに雲で何も見えないや。

秋の黒姫山5 古池の周りの木々はほんのり紅葉で色づいています。

秋の黒姫山6 真っ赤な実をつけたマユミの木。古池湖畔にて。

秋の黒姫山7 古池湖畔に建つ古い祠。いったい何時頃建てられたものなんだろう?

秋の黒姫山8 古池の西側には湿原が広がっていてここからは高妻山や戸隠連山を望むことができるけどやっぱり雲で何も見えません。残念。

秋の黒姫山9 古池湖畔を半分ほど歩いて分岐点へ。ここから先は勾配が一気に上がって本格的な登山が始まります。

秋の黒姫山10 登り始めで黒姫山山頂はまだまだ先。でもこの登山道の先に黒姫山山頂が待っています。どんな景色と出会えるのか楽しみです。

鬱蒼と生い茂ったブナ原生林の中で

ブナの原生林まっただ中まで来ると霧が立ち込め始めました。

息が切れたので立ち止まると、森の中は静寂そのもので鳥の鳴き声も風の音も何もしません。耳をすますと耳鳴りがして頭が痛いです。登りの連続で身体は汗でもうびしょびしょ。気温そのものは肌寒いのに汗びっしょりなのは湿気を帯びた霧のせいで、全然衣服が乾いてくれないから。見渡しても見えるのは霧に浮かぶ木々ばかり。なんか今にも雨が降りそうだなぁ・・・。

でも今日の天気は『曇り時々晴れ』。このあと晴れるかもしれない。いや、もしかしたら今日は一日雲に覆われ続けて天気に恵まれないのかもしれない。ポジティブ感とネガティブ感が拮抗した気持ちを持ったまま歩き続けていると、前方から大勢の話し声が聞こえてきます。登山口で先に出発した中高年登山グループの方々でした。みなさん登山道脇で休んでおしゃべりに弾んでいます。

『若い人は歩くのが早いね』
『体力あるね』

なんて声をかけられるとちょっと気恥ずかしい感じです。

僕からすればここまで歩いてきて尚元気にしゃべってるみなさんの方が体力いっぱいで凄いなって思うけど。

登山グループを追い越すとまた森に静寂が戻りました。

さて、古池を過ぎてからそろそろ1時間が経とうとする頃『新道』と『西登山道』の分岐点へ到着しました。ここから新道へ向かいます。ちなみに帰りは西登山道を下るつもりなのでまたここへ戻って来ることになります。

分岐を過ぎると霧も消えて、薄日が差してきて森が少し明るくなってきました。これは天気が良くなる気配かも!薄暗い森の中に居続けて暗かった僕の心は少し晴れやか。しかしこれから先、地獄の黒姫山外輪山の直登という体力的・精神的に辛い登りが待ち構えているのです。

秋の黒姫山11 古池から先は深い森がずっと続きます。

秋の黒姫山12 霧に包まれたブナの森の中はすごく静寂。幻想的だけど薄暗くてちょっと陰鬱かも。

秋の黒姫山13 西登山道と新道との分岐点『新道分岐』へ到着。

秋の黒姫山14 新道分岐から新道へ入るとそこは見事なブナの原生林。

秋の黒姫山15 ブナの巨木に包まれながら外輪山を目指して歩いていきます。

秋の黒姫山16 ようやく色づき始めたブナの木。樹林帯では紅葉はまだちょっと早い感じですね。

直登、直登、また直登!黒姫山外輪山への道

分岐点から新道へ入ると見事なブナの原生林が広がっていて、紅葉はちょうど色づき始めたって感じ。ブナに混じってナナカマドやカエデがブナに先んじて真っ赤に染まっているのに出くわすと足取りが止まって見惚れてしまいます。

ブナ林を進んでいくに連れて勾配は増していき、キツい直登が連続するようになると黒姫山外輪山への取り付きになり、高度を一気に稼ぎます。ササ原まで来ると見晴らしが利くようになるものの、相変わらず雲に包まれて展望はゼロ。それにササの背丈は僕の身長よりも高いから見晴らしはそれほど良くありません。時々出くわす紅葉以外には目もくれず、このキツイ急登地帯から逃れたい一心で一気に登り切ります。

オオシラビソやコメツガの針葉樹がポツポツ出始めた頃、外輪山斜面を登り切って火口縁へ到達。火口縁に沿って続く登山道を進んでいくと森を抜けて黒黒とした溶岩が積み重なった『しらたま平』へ到着しました。

ここで思わず歓喜の声を上げます。

雲が切れたと同時に展望が開けて、青空の向こうにそびえ立つ火打山や焼山、金山の展望が僕の目の前に突然広がったからです!

秋の黒姫山17 ブナ林を抜けると外輪山への直登。ササと灌木とダケカンバが広がる急斜面をひたすら登山。結構しんどい。

秋の黒姫山18 真っ赤な実をつけていたナナカマド。

秋の黒姫山19 外輪山の急斜面を登り切り外輪山の縁へ到達。縁にそって続く登山道を進んでいくと・・・。

秋の黒姫山20 視界が開けてしらたま平と呼ばれる展望地へ到着。

秋の黒姫山21 しらたま平から北を向くと青空が広がっていて遠く火打山・焼山の頂を望めました。右側のおむすび型の山は黒姫山中央火口丘の小黒姫(御巣鷹山)。

黒姫山地図

【コースタイム】

●登り 6:10西登山道駐車場→6:30古池→7:30新道分岐点→9:30黒姫山山頂

●下り 9:40黒姫山山頂→10:25黒姫乘越→11:05峰ノ大池→12:25大ダルミ→12:45新道分岐→13:25古池→13:50西登山道駐車場

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